11、雀ちゃんの練習
私は子どもの練習に付き合うこともしないし、指示をすることもほとんどないので、ウチの子は個性的な練習方法をすることがある。
私自身は、受験の時についたピアノの先生が非常に厳しく、また細かく教えてくださったので、そのやり方を教えても良いのだけど、言ったからにはやってもらいたいので、教えてほしいと言われたら教えるけれど、聞きに来ない限りは教えていない。
雀ちゃんは非常に移り気らしい。
例えば、ソナチネの9番を練習してごらん、と課題を与える。
そうすると、まずはソナチネ9番を弾きはじめる。第一テーマ辺りを譜読みして、ある程度弾けるようになると、なぜか9番じゃない曲が聞こえてくる。
あれ、これって、5番だよな?
と思っていると、5番も第一テーマが弾けるようになると、1番を弾きはじめる。
で、また9番に戻ったりする。
はあ?と思っていると、全然知らない曲も聞こえてくる。(私が全部知っているわけではない)
そんな感じで、9番が仕上がる頃には、他の曲も弾けるようになっている。
だいたいどの曲集でも同じで、まあ、私が弾くから耳で覚えているのもあるのかもしれないけれど、同じ曲集どころか、全然違う本まで引っ張り出してきて、好きな曲を好きなように弾く。
だから、多分本人も“練習”とは思っていないと思われる。
楽しいなら、何でも良いよ。




