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いきなり音楽教室  作者: marron
うちの子編
57/200

7、番外編:下校で

今回は番外編で、音楽のお話ではありません。

あす君がどんな感じの子なのかがわかるかと思い、ここに番外編として入れさせていただきます。

文字数もいつもより多め700字を少しオーバーしていますが、よろしかったらお読みいただけるとうれしいです。

あす君は、アスペルガーであるけれども、とても軽く、他人からそうとは見られない。だけども、本人は空気が読めず人知れず苦労していることは確か。

学校でも変なことを言ったりして、浮いているのを見かけていた。

授業参観に行って見ると、あす君は机の上の鉛筆と消しゴムを「シュー、バンバンバンバン!どぴゅーん!」などと、戦わせている。戦いが終わると勝利の歌を歌う。

おーい、授業中!


まだ2年生くらいだと、先生も許容してくれるので、あまりひどく怒られることもなく、ある意味助かるのだけど、やっぱりクラスで浮いてしまう感は否めない。


ある日、泣きながら帰ってきた。どうしたのか聞くと、一緒に帰ってくるお友だちに叩かれたらしい。

次の日も、その次の日も、1週間以上もそれは続き、母は心が痛んだ。


あす君に聞いた話だと、トレーニングと言って、あす君を叩くらしい。あす君はすぐにキレるので、それが楽しいのかもしれない。

「やめてって言いな」とか「やり返しても良いんだよ」とか「痛いって言うんだよ」など、色々言ってはみたものの、あす君は納得できなかった。

「だけど、あす君の気持ちは伝えなきゃ、絶対ダメなんだよ」

と言ったところ、それですごく納得できたらしい。


あす君は次の日、自分の気持ちをちゃんと伝えた。


そうしたら、相手の子は分かってくれたらしい。ゴメンと言って、握手をしてくれたと言うのだ。

それから、その「トレーニング」はピタリとやんだ。

そして、その子とは仲良くなり、今では他の子にあす君がいじめられそうになると、その子がかばってくれると言うのだ。

よかった。

あす君が自分の気持ちをちゃんと伝えられて。


何て言ったの?と聞いてみたら

「僕は、剛君と友だちでいたいから、剛君のこと、叩かないよ」って。


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