5、けんばんの上と下
高い音と低い音、というのは、子どもには分からないらしい。
小学生になっても「もっと高い音」と言っても通じないこともしばしば。なんでだろ?
だから、とにかく体で覚えてもらう。
ウチのお教室でやるのは「ひとつ上、ひとつ下ゲーム」。
その名の通り、私が指示した通りの鍵盤を弾いてもらうというゲーム。
私が鍵盤を叩き(押すのではなく、ピアノは音を出すのに叩くと言う)
「ひとつ上!」
と言うと、生徒さんが私の弾いた隣の音を叩く。ひとつ上の音を生徒さんが弾ければ正解。
これでだいたい、ひとつ上、ひとつ下の指示に従えるようになる。
(幼稚園の生徒さんはこれをやるけれど、小学生は、半音と全音でゲームをする。
できるようになったら、3度上下のゲームもする。こうして、音の上下を体で覚えるようにしている。)
ところが、上と下の区別はついても、それが「高い」音か「低い」音かは分からないらしい。
日本語で、上は高いで、下は低いじゃないのか?
まあ、しょうがない。
あ、ところで、合唱でもリコーダーでも、ソプラノとアルトってあるけれど、アルトってどういう意味だかご存知?
合唱でも、リコーダーでも、ソプラノの「下」がアルト。
だけど、イタリア語ではアルトは「高い」という意味。
(まだ男性しか歌手がいない頃の名残りのためです)
アルトが「高い」という意味だと混乱するのなら、分かるのにね。