22、なぜコケるかというと
オペラでメガネをかけられない。
当然、オペラが作られた近世ヨーロッパに(現代の形の)メガネはなく、かけてはいけない。
だったらコンタクトすれば良いじゃん、ということで、舞台の時はコンタクトという人が多い。
私も一応コンタクトを作った。
だけど、まず装着が難しくって!
どうしても鼻の下を伸ばさないと入れられない。なぜだー。しかもその状態で20分くらいかかる。
しかも、私はもともと持病があってコンタクトレンズをしてはいけない目ということで、やっぱりいつも裸眼になってしまう。
私が裸眼だと、何が起こるかというと、「ぶつかる」「ぶつける」「こわす」「ころぶ」。
危険だ。
一番困ったのは、伯爵夫人の大きな扇子を折ってしまったこと。すまん、伯爵夫人!すっごく困っていた。
あと転ぶのは困る。
オペラで転ぶのは、わりと(?)フォローが利くのだけど、歌曲だけのコンサートの出入りでコケた日にゃ~、観客が「わあ!」と叫んでくれる。
非常に恥ずかしいものだ。
なぜコケるかというと、いつもの靴ではなくて、舞台の時だけヒールのある靴を履いているから。そしてスカートが床まであるから。
コケろと言わんばかりの服装をしているんだ。しょうがないじゃないか!
と、誰かに叫んでおこう。




