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17、喜んでもらえると喜ぶ
最近の演奏会は、クラシックを知らない人にも楽しんでもらえるように、有名な曲を取り入れたり、お客さん参加型にすることが多い。
無駄にトークがあったりもする。
って、超マイナーな「フランス歌曲」というジャンルのクラシックで有名な曲があるかー!
あ、あるな。一応CМとかでかかっている曲も、ないこともない。
けど、すごくマイナーな世界なのは確か。
しょうがないので、専門のフランス歌曲から少し離れた曲を歌う羽目になる。
例えば、日本歌曲。
「この道」とか「赤とんぼ」とか「待ちぼうけ」とかが人気。
特に「待ちぼうけ」はすごくウケる。最後に必ずくしゃみをするので、笑ってくださる。
反応があると嬉しい。
嬉しいと、ついつい、またお客さんにウケるものを選んでしまう。
そうして、初めは「そんな曲あるかー!」と憤慨していたのに、いつの間にか自分の意見すら変わっている。
まあ、やっぱりせっかくだから楽しく聞いてほしい。
小説だってせっかく書いたものを、誰かに読んでほしいし、反応があると嬉しい。
そういう感じ。




