8、見せるラブシーン
オペラを見たことがあるだろうか。
だいたいにおいて、恋愛ものである。
それが一番盛り上がるのだろうけれど、よくもまあ、そんなに愛だの恋だの演目があるものだ。
ということで、多かれ少なかれラブシーンがある。
サラりとデュエット、という場合もあれば、濃厚に尻をなでたり胸をもんだり、キスシーンがあるものもある。
とはいえ、歌いながらなので、ソッチに気を取られていると歌えなくなってしまうので、あくまでも、そう“見せる”演技をする。
例えば、キスシーンは、まあ、外人だと本当にしている場合もあるけれど、日本人の場合はほとんどチューとはしない。男性役の人が、女性役の人の顔を持ち、男性が自分の親指にチューとする、のが多い。まあ、それでも顔はかなり近いのでドキドキするけれど。
他にも、腰に廻した手が美しく見えるところ、胸を揉んでる手がそれらしく見える動かし方、など見せる動きは美しいものである。実際にそんなところに手を置いたり、そんな動かし方をしていては、口説いている女性に嫌われてしまうようなことだったりもする。
あと、重要になってくるのが身長差。
テノールの男性は背が低い。ラブシーンに背の低い男性と、デカい女性だと見栄えが悪い。
そのため、女性は椅子などに座っていて、その周りを男性が蝶々のように飛びまわったりすることもある。
高さ20センチのシークレットブーツを履け、とは言えないらしい。




