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4、酒とたばこと声楽家
私の周囲の声楽家で、たばこを吸う人は一人しかいない。
やっぱりタバコは喉を荒らすらしい。だからと言って、まったく悪いわけでもない。
気にならない人は全然気にしない。
ピアニストでたばこを吸う人は多い。
かつての私の伴奏者はヘビースモーカーで、私の前ではかなり気を遣ってくれていたけれど、やはりやめられないらしい。
まあ、それはそれ。
声楽家にとって、危険なのはお酒。
お酒はたばこよりも喉を荒らす。
お酒を飲んでカラオケに行って、次の日“おカマ声”になっていた経験はないだろうか。
たとえ普段から喉を鍛えている声楽家と言えども、お酒には敵わない。
だから、舞台前はお酒を飲まない。
多分どの声楽家もそれだけは守っていると思われる。
反動で、本番が終わると飲む量がすごい。
声楽家はお酒に強い。気がする。(とはいえ、私はお酒が飲めない)
ガンガン飲んで、ドンドン飲んで、大声で話す、笑う。もともと声が大きいのに、酒が入るとさらに声量倍増。
そして次の日、もれなく“おカマ声”となる。
舞台で頑張ったからではないところが、声楽家らしすぎる。




