25、住宅事情とピアノという楽器
自宅にピアノがなければ教えません。というお教室がある。それも、結構な割合で、ある。
昨今の住宅事情で、ピアノを家に置けない人は多い。
重いしうるさいし、高価し、デカい。
なのでウチのお教室は、ちゃんとしたピアノがお家になくても受け入れている。
実はこれ、難しい問題でもある。
ピアノという楽器は、打楽器である。鍵盤を指で叩かなければ音は出ない。どんなに力を込めても、叩くということをしなければ出ないということを、知らない人は多い。
だけど、ピアノ以外の鍵盤楽器は、叩かなくても、鍵盤を押せば音は出る。
そこがピアノとキーボードの違いでもある。
ラケットならなんでもテニスができるか、というのと似ている。
バドミントンとテニスのラケットが似ているからと言って、バドミントンのラケットでテニスボールが打てるだろうか。
ピアノも、それくらいの打球が必要で、電子ピアノではわからない打鍵感覚がある。
卓球のラケットでテニスボールが打てるだろうか。
ラケットは小さく柄は短い。88鍵のない小さなキーボードのようなもの。
しゃもじでテニスができるだろうか。
しゃもじはラケットですらない。鍵盤ハーモニカは笛の仲間で、ピアノの仲間ですらない。
この喩がわかる人なら、本物のピアノは無理でも、それに準ずるものを子どもに準備してくださる。
が・・・
ウチの生徒さんにも、しゃもじでテニスをするような子が幾人もいる。それはもう、家庭の事情なのでしょうがない。受け入れるしかない。
だから、ウチに来たら30分間、めいっぱい弾いていってもらう。
「音楽教室」はまだ続きますが、次回からは”声楽家編”となります。
可愛いちびっ子は出てきませんが、よろしかったらこちらもよろしくお願いします。




