7、図書館でレコ勉
普通大学を知らないけれど、ウチの大学の図書館はすごい。
何がすごいって、楽譜やCDの品ぞろえがすごい。
楽譜は、海外のものも古いものも貴重なものも色々あった。まだ学生だったので、海外の楽譜は非常に有難かった。買うとなるとバカにならない高額だったりするからだ。
だから、楽譜を借りてコピーというのは音大生の普通の姿だった。
図書館のコピー機は10台くらいあって、いつも並んでいた。あれで随分とコピー機の使い方を覚えたものだ。
コピー譜を自分で製本するのも楽しい。やらない人もいるけれど、私は表紙を作ってブッカ―をかけるのが趣味だったりもする。
それからレコード類も充実している。
地下に行くと、手前にビデオコーナーがあり、オペラのビデオやミュージカルのLDなどを見ている人がいる。
奥にはレコード、CDが聞ける机が100席くらい、もっとあったかな。
とにかくいつもいっぱいだった。
なぜいっぱいかというと、みんなそこで勉強しているから。
音大生なので楽譜は読めるものの、CDを聞いて覚える学生もいる。
私はフランス歌曲を始めた頃は、フランス語の発音がわからず、かなり聞いて覚えた。
そういうのをレコ勉という。“レコード(録音)で勉強”の略である。
とはいえ、勉強ばかりでなく普通に楽しんでいる人もいる。
友人Мは、ダンボのビデオを見て
「ダンボ、可哀想」
と、本気で泣いていた。




