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15、大学の合唱・アインザッツ
音大の声楽科には合唱の授業がある。
ちなみに、器楽科にも、教育科にもそれぞれ合唱の授業はある。
しかし、声楽科の合唱の授業は一味違う。
何が違うのかなあ・・・ああ、やっぱり個人個人がそれなりに歌えるから、だろうか。
音楽用語で「アインザッツ」という言葉がある。
歌いだしのタイミングを揃えることを言うのだけれど、声楽科のアインザッツはすごい。
目を瞑って聞いてみると、アインザッツが揃うのが聞こえる。
それは、歌いだしの前のブレス(息)である。
速い曲は、ブレス音がザッと速い。
遅い曲は、ブレスが深く長い。
そして曲の頭の歌いだしがバッチリ揃う。
やはり、声楽科の合唱が上手いのは、このブレスが上手いからだと思う。
普段から歌い慣れている上に、器楽科の人とは明らかに違う歌うための肺活量。
これだ。
聞いていると本当に気持ちが良いほど、揃っている。
聞いてないで、歌え。私。




