11、指揮者になった友だち
指揮者の話が出たので、少し指揮者のことを書こうと思う。
指揮者と言っても色んな指揮者がいる。
学校の音楽の先生になったら、必然的に指揮はできないとならない。
だけど、指揮だけで生計を立てる、本物の“指揮者”という職業もあるわけだ。
指揮者になるためには日本では普通、音大の指揮科に入学するところから始まる。
しかしウチの大学には指揮科はなかった。
(音大によっては専攻科目がないこともある。ハープ科とか入ろうとしたら、科がある音大を見つけないとならない)
音大の教育科の友だちで、指揮者になりたいという子がいた。
ウチの音大には指揮科がないので、転科できないことは分かっていたが、学校を変わるか(編入)かなり迷っていたようだった。
そして結局は、ウチの大学で4年間学びながら、指揮の先生に弟子入りしていた。
先生の演奏会の時には、部活を休んで勉強に行っていた。
在学中に1人、大人の階段を上りはじめた友人であったが、結局北海道に帰って音楽の先生になったらしい。
「遊びに来たら、ウニ獲ってやるぞ」
などと言っていたが、「獲って」が「盗って」な気がしなくもない。
まあ、そんなヤツだが、アマチュアの合唱団の指揮者になったらしいと風のうわさで聞いた。
何事もプロになるのは大変であるが、地道に頑張り夢を掴んだなぁと、嬉しくなったのだった。




