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いきなり音楽教室  作者: marron
合唱編
130/200

5、憧れとブルブル

引き続きヘタレな私です。



私が入る前、年子の姉が小4の時、姉は合唱部にいた。

私が合唱部に入ったら、姉はミニバスケット部に行ってしまったが、私は姉が合唱部にいたことをよく覚えている。


合唱祭を聞きに行ったからかもしれない。

その合唱祭で、姉はなんとソロを歌っていた。

5,6年生を差し置いてのソロ。


姉が一人でメロディを歌うと、その後ろで全員が「ランランラン」と軽やかな間の手を入れる。

1人歌う姉の声は、子どもらしいあどけなさと自信のある朗らかさとで、素晴らしかった。

姉を尊敬し、また誇りに思い、そして羨ましかった。


その、ソロを歌った子の妹、とはいえ、全くの別人の私。

姉のやったソロがそれはそれは羨ましかったが、あがり症の私ができるはずもない。

先生もそれをわかっていて、ソロのない曲が選ばれていた。

「やれ」と言われてできないとわかっていても「じゃあ、やらなくていい」と言われると残念なものである。


たまには勇気を出してみようと、1人でぼんやりしている時にソロを歌う自分を妄想してみる。

すると、単なる妄想なのに、すでにブルブルと震える私。

ダメだ。やはり、ソロは無理だ。でも、やりたい。やりたいけれど、ブルブルしてしまう。


子どもなんて、「やりたいからやる」だけで世界が回っていそうなものなのに、意外とそうでもないこともある。

少なくとも私は「やりたい」けど「できない」のはざまでずっとブルブルしていたのだった。


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