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『真性』・・・じゃなくて『新生』ソナタCHAN'sギルド結成☆彡

いつもいつも下品ですみません。

辞める気はないんですけどね(∩´∀`)∩

夜のとばりが落ちる直前。

夕日の鋭いオレンジ色が差し込むように町に注がれる頃。


そんな頃に真性…じゃなかった、神聖都市についた一行。


夕暮れの中。ソナタは一つのシルエットを目にする。

喧騒の中、スタイルの良い、颯爽とした、長い黒髪の光沢が夕暮れ色に染まっていて・・・


「ばっ・・・BBAばばあっ!」


その声を聞いて人物が振り向いた。間違いない。女教師の田野倉だ。

こちらはサブマスのアバター「エリザベート」ではなく、本人自身の姿で佇んでいた。


始め、驚いた様な表情を浮かべたが眼鏡のずれを直すと、ピンヒールにも関わらず

猛ダッシュでソナタに駆け寄る。


「ソナタ!」

BBAばばあぁっ!」


ソナタも駆け出し、感動の再会に向けて一気に縮まる二人の距離…。


そして、、、


BBAばばあ!俺のスマホ返して…」

「”お姉様”と言えと!あれ程!言っただろうが…このクソガキっ!」


ゴス!


「…っベージュッ!」


光の速さでソナタの額に膝蹴りが叩き込まれたのだった。



吹き飛んで城壁に激突したソナタは幼女型の穴を開けたが、

何事も無い様にその中から這い出して来る。


「痛ってぇ!それにBBA臭い下着で色気の欠片も・・・」

「あ?」

「・・・失礼致しました、お姉様」

「んん?何か、忘れて、ないか?」

「・・・美しい、お姉様」

「よろしい。以後注意するように」

「イエッサー!」


最後は敬礼で締め。プライベートでの遣り取りはいつもこんなもんである。


が、いつもと違ってやり取りに納得しない人物が今日は居た。


「ちょ~とちょっと!こんな可愛いソナタちゃんに飛び膝蹴りとか、本当に人ですか?それとも鬼ですか?貴女は!?」怒り心頭のライラである。


チラリと見てから不愉快そうな視線がソナタに向けられる。

そこには返答によっては膝蹴りで済まさないぞ、というメッセージが込められていた。


「あ、ライラ…さん、この人は俺の元の世界の先生で、義理の母の娘で、同居もしてないし、姓も旧姓名乗ってるんだけど、その、つまりは義理の姉で、あとあと、大魔法時代の戦友なんで。いつもこんなコミュニケーションなんですよ。ちょっと、いや、かなり過激に見えるかもしれないけど…」


「お前が口を慎めば何も起きない。世界は常に平和だ。…で、この雌豚は?」

自身は全く慎む気のない女が平常運転で毒を吐く。


「め・・・雌ってっ!」


「はいはい。落ち着いて、ライラさん。この人息を吸って吐くように毒を吐くからいちいち反応していたら身が持たないって。で、このお姉さんはライラさん。モンスターに襲われていた処を助けた縁で一緒に近いこの都市まで案内してもらったんだけど・・・」


「ほう。その見た目で早速女を一人誑かしたのか。…やるな?」

卑猥な形を指で作って応じた女に、


「義姉さん、今の話聞いてた!?」

ソナタの悲鳴が重なった。





「なるほど。この方も古の大魔術師なんだ。それにしても…綺麗な方だね」

「大変だ!ロイターさんの目が遂に腐って・・・モゲェ!目が~、目がぁ~!」

「きゃーっ!ソナタちゃんがっ!」

「ふんっ!」


巫女様を無事神殿に送り届けた後。

夜も遅くなった為、神殿内に用意してもらった宿泊部屋を借りたソナタ。

そしてちゃっかり便乗した義理の姉、この世界での名はエリザベート。


それぞれ別の部屋を宛がわれたが、どういうわけかソナタの部屋にロイター、ライラ、そしてエリザベートが闖入しテーブルを囲んでいた。


はじめのうち、話題は他愛もない事だったり、今の世界で起きているさまざまな問題だったり、色々と。

だが、少し打ち解けた空気となったところで、ソナタが本題を切り出した。


「ところで、ロイターさん。さっき「神竜」に巫女を捧げるって言ってたけど」


「…うん」


ロイターが柔和な表情を消して真剣になる。


「巫女様は3日後、神竜の贄に捧げられる。その為にこれまで長くつらい修行の日々を送ってこられたんだ…」


彼らは山に籠り修行を終えた巫女を迎えに行って帰る途中だったのだという。

そういう意味ではソナタのやった事は巫女の少女の命を半端に2,3日伸ばしたに過ぎない、という事だ。


「なんとか、ならないの?」


「できるものなら、やっている。何せ、、、」






たった一人の・・・僕の、大事な妹なんだから・・・。






その言葉は小さく、しかし重く部屋に沈み込んだ。



やがてその空気に耐えられなくなったように、


「ねえ・・・」


ソナタが口を開こうとすると、


「おっとSTOP!まさかレイド級の魔獣である神竜に万歳突撃する、なんて言うなよな?」


エリザベートがその言葉を遮った。


「そもそもあれはギルド全員の力を結集して放つレイド魔術が無ければ絶対勝てない。システム上の制約だ。初心者でも知ってる・・・だよな?」


有無を言わせない。

その態度に。


「…はい」

消沈してうなづくソナタ。


「…やっぱり、古の魔術師でも、、、」

ロイターが伺うように続くが、


「ああ。アンタが一縷の望みを託してウチらに話を持って来ようとしてたのは分かっていたが。

 …残念だが、神竜となれば手に余る。力不足だ」


謝るでも開き直るでもなく。

ただただ真剣なまなざしでロイターを見つめ返すエリザベート。



「せめて、そなたCHAN'sギルドの上位5人が揃っていたら違うんだけどな…」

悔し気に漏れた言葉はソナタ。


それに、

「ああ!それよ!それ!」

突如、ソナタを抱きぐるみにしていたライラが声を上げる。


「ん?」


「ソナタちゃんが居て、エリザベートさんが居て・・・という事は、他の人ももしかしたら!」


「…可能性は薄いと思うが。何せ「お二人を召喚」ていわれて来ているからな」

とはエリザベート。確かに彼女は電話越しにそう聞いていた。


「でも、試してみる価値はあるかもしれない。他のみんながいないかサーチかけてみる!」

ガタ、とソナタが立ち上がる。


「きゃ」

「やらないよりは、やって、ダメなら他の方法を考えれば良いよ!」


と、そこで。

突如動きが止まる。

「あの・・・、話した通り古代魔術はいろんな人の悪ふざけで作られているので、、、

 なんというか、今から詠唱するスペルに、引かないでくれると」


「大丈夫よ!ソナタちゃんなら例え何を言っても…いや寧ろ恥じらう姿が…じゅるっ」


ある意味大丈夫そうではないが。


「頼む」

ロイターはそれだけ短くいうと頭を下げた。


「私は、まあ聞きなれてるからな」



皆の同意を得て、ソナタが詠唱を開始する。


これは、古の魔術。


失われた秘法。


離れた友を手繰り寄せる麗しき神秘の魔法。


元の名称は「永遠の約束、久遠の友」とされた第八階梯魔術。


詠唱は残っていないが珍しく運営が名のある詩人に依頼しそれはそれは美しい言葉であったそうだ。


・・・だったのだが。



「ヤ・ラ・ナ・イ・カ!セカイ・ハ・ミンナ・オホ・モダチ・デツナガッテ・ッアーーー!」


「召喚っ!ホモの約束、永遠のホモ!」


・・・どうしてこんな悲惨な事になったのか。


それもこれも、この魔法をポコチーニ★902氏が権利購入したから。

相変わらず安定のクオリティである。

お蔭でこの大物詩人をも敵に回し、サービス終了が早まる一因となったのだが、、、。



本来は別のステージにいる仲間(フレンド登録したメンバー)を本人の同意を得て

自らのそばに召喚し、共に戦うための魔術。


だが、この世界でそれは通じるのか。


答えは、直ぐにソナタの脳裏に現れた。


(反応は・・・1つ、2つ、いや!8人!?それにこのメンバーって・・・とりあえず全員に…)


「…召喚要請を送った。うちのギルメンはやっぱりB・・・義姉さんと俺だけだったけど」


「「けど?」」


「安心して。来てくれれば、強力なメンバーだと、思う」


と、その言葉に反応するように八つの光の柱が現れる。


「・・・!まさか、全員応じてくれるとは思わなかったけど・・・」


その光が晴れると8人の・・・、いや。


一人の美青年と七人のキモオタが現れた。


「ゲーム時代の・・・つまり、古の時代のトップ5ギルドのギルマスとサブマス達だ。これは、希望が見えてきたかもしれないっ!」





「「「「「「「「ソナタちゃんがリアル幼女になったと聞いてキマスタっ!(*´Д`)ハアハア」」」」」」」」




「・・・ごめん、やっぱり駄目、かもしれない・・・」


ソナタはがっくり崩れ落ちた。




その後、数の増えた変態を捌くのに四苦八苦しながら夜を通して話し合いを重ねた結果、

ソナタをリーダーとするドリームチーム「新生ソナタCHAN'sギルド」が結成されたのだった。


後日に、、、


「皆、うちのギルド名で良かったの?」

「え?ウチのギルド名(●●●(バキューン)△△(アハーン))でもヨカッタ?」

「ごめん、ヤメテ。割と・・・マジでっ!」


そんな会話があったとかなかったとか。

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