困ったときのペニ…(以下略)
圧倒的な質量を前にして、必死に防御魔術を展開するソナタ達。
と、その前に何かの影が滑りこんだ。
「後は私に任せてくれ!」
その者の放った光が猛悪な巨塊を押し退け、
”創世神”はたたらを踏んだ。
「あれは…」
「ああ…間違いない…」
「我が神剣ペニ…」
「「以下略っっ!有難う!!」」
「そ…ソレはやめてくれと言った筈だよ?」
呆れがちに神剣ペニ…以下略を鞘にしまったのは、あの勇者にしてプレイヤー唯一の良識派、即ちバードであった。
そして、
「タレか、怪我した人イナイカ?」
「シェンリュさん!」
「や。久しぶりネ」
懐かしい再会であった。
「魔王、倒せたんだね!無事で良かった!」
「あ~…、ある意味…無事じゃなかったというか…」
「え?」
その時、さらに地響きが。
「大変だ!なんか来た!」
「今度はブータ・キ・ムチ・ドン様が!」
「おっと。おしゃべりしてる場合じゃなさそうだね、あっちは俺が…」
「あ~…多分、大丈夫」
「へ?」
気がつけば、新たに現れた真っ赤な豚神の前に妖艶な漆黒のドレスに身を包んだ女が立っている。
それを視界に収めた瞬間、
「!?」
ソナタを未だ見たことの無い内圧が襲った。
「豚の分際で妾の良人たるバード様に牙剥くとは…死して詫びるが良いぞ」
そういうと、か細い人差し指一つで巨獣を受け止めて見せる女。
「ま、まさか…そんなお約束な…」
「我ながら甘かったネ。バードのハーレム体質がまさか…」
「まさか、…魔王?」
「そうネ。頭痛いネ…」
「あ~…、アイツ鈍感だもんね。御愁傷様…」
その言葉に
(((…“おまゆう”て言葉、知ってるかしら??)))
周囲の皆さんが痛い視線を投げ掛けるが、
「全くハーレム勇者め。…爆発しろ!」
更なる追撃に。
「「「ちょwwww」」」
「ん?」
とうとう堪忍袋が切れた。
特に眼帯さんは鼻息荒い。
ふんふんと鳴らしている。
「あ、あのね、ソナタ君、…」
そして、ツッコミを入れようとする。
が。
「おい!なんだアレ!」
そこでさらに横槍が入った。
曇天の雲間を割って、槍が。
豚神が標準サイズに見えないほど巨大な槍が。
雷光を纏い現れたのだ。
槍は周囲の自然から粉塵と共に魔力を吸い上げ尚も膨張し続けている。
膨大な力の発露に視界が歪み始める。
「あんなものが落ちたら…下手したら大陸ごと吹っ飛ぶぞ!」
参謀が叫ぶ迄もなく、本能で感じられる事実。
「皆!」
バードが振り向かず声を発する。
「王宮を目指すんだ!ここは僕達が引き受ける!」
「分かった!そっちも気をつけて!」
「ああ、任せろ!」
その言葉を受け止め、ソナタ達は踵を返して王宮へ。
元凶の居るであろう場所へ走り出したのだった。




