伝説の神獣…☆彡
「こ、これは…」
王都に到着したソナタ達は目の前の光景に圧倒された。
かつての都は見る影もなく廃墟となっており、
―その上空を…神竜王の群れが旋回して飛んでいる。数えきれないほどの数だ。
「思った以上だね。取り残された生存者の救出をしながら王宮へ向かおう」
「神竜王はなるべく無視でいいんだよな」
「その通り。なるべくじゃなくて原則、だね。明らかに無理でしょ?」
「まあ、ね」
戦闘狂なオークロードのミールが見たら涎を垂らして喜びそうな光景だが、あいにくホーケンで留守番中だ。
というわけで隠密という程でも無いが、なるべく静かに進む一行。
あちこちで今だ燻る煙、飴細工のように溶けて融合した建物の躯体、そして巻き込まれた
…人であったナニカの異臭が鼻を麻痺させる。
「酷すぎる…で御座るな…」
王都に入り詳細に見え始めた惨状に、ゴザルが思わず零した。
と、その時。突如マユカの抱いている使い魔のエルザが反応した。
ちなみに使い魔となった為か未だ仔豚の姿のままである。
「ぷぎぎ!?とてつもない神気を感じましゅ!」
「!?」
直後、地響きと轟音がソナタ達を包んだ。
爆撃のようなソレは一定のリズムで徐々に大きくなって行く。
そして、影が差す……。
「!?」
ここに至って初めて分かった。
ソレが、目の前の存在の単なる足音である事に。
「グギュゥアエエ!」
その存在は神竜王をおやつの代わりとばかりに一飲みにしてみせた。
「あれは…何故…」
マーリアが呆然とした様子で呟き出す。
「知ってるの?」
「知ってるも何も…あれは…」
「あれは?」
「オークに伝わる三柱の創世神が一柱…」
「創世!?」
「ブータ・ス・タミナ・ドン様だ!」
「…凄い名前だね!?」
「そうだ。こんな時の為に…供物として…」
そういうと、手提げから何かを取り出したマーリア。
「神よ!…この…”豚丼”を捧げますゆえ、どうかお静まり下さいませ!」
「共食いだよね!それと、それ、いつも持ち歩いてるの!?」
「アイテムボックスでございますゆえ」
キラリと無駄に女子力の高いポーズを決める将軍様。
だが…その手には豚丼。
そして、対する応えは…
「ガ」の音をどうにかしたような、巨大な咆哮と…
「やっぱり~!?」
…供物にも案の定、怒りの静まらない凶暴な質量の豚足!
それが、涙目のソナタ達目掛けて降り下ろされたのであった。




