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朝食は礼儀正しく…手掴みでっ!☆彡

不謹慎なネタが入ります。

お食事前後の方はご注意を。

こうして始まった会食。

ソナタには一つ、不安な事があった。


(…確かフォークとナイフを外側…あ、あれ?それとも内側からだっけ????)

元々ネトゲにドップリの生活しか知らないソナタには…「テーブルマナー」というものは無縁。

(あ、あと、そうだ。確か、スープをすくうときは…えーーーーーーと…)

脳内は無駄に高速空回りを展開する。


そんな中、とうとうソナタの脇に給仕が立った。


「さあ、頂きましょう」

(き…きたっ!)


そして、ごくりと生唾を喉奥に押し込む中、金色の影が視界の端に映る。


(…あれ?)

ふわっとスパイシーな香りが鼻腔を擽り、そして白っぽい大きな塊が続いた。



「…美味しい『カレー』をね」


”ナン”と共に、葉物の緑、海老のえんじ色…彩り豊かな複数種類のカレーメニュー。

マナーも何もない。

手づかみ、OK。

女主人の言葉と目の前の料理に、…ガクリとソナタの肩が落ちた。


***


肩透かしを喰いつつも、結局美味しいカレーには舌鼓を打ったソナタ。

朝食が終わると、一同はいよいよ会合の場へと移動を開始する。


長い廊下は朝の陽光を柔らかに受けて空間に金糸が彩られる。


「廊下の突当りが会議場なのだけれど、移動が面倒な造りでごめんなさいね」

「あ、いや、豪華で羨ましいとしか思えない…。結構な事かと」

「あら、”~かと”なんてうちのヨデルと同じ。変わった言い回しね…」

「!?(う、うつった!)」

あまりに長時間、吸血鬼じーさんの長話につきあった代償として、

その口調がうつってしまったのだ。

話した内容には彼女に言えない事も含まれているが、かと言って黙るのも不審。

どこまで話したものか、一瞬思案したソナタ。


と、その顔を瞳が覗き込む。


「きっとヨデルからうつったのね。…ダメよ、ヨデル」

「ハハ、恐縮でございます」


そして、追求せず話題をさらりと流す。


先導する館、否、この都市の女主人は見た目こそ幼い少女であるがその落ち着いた雰囲気からは、彼女の生きた100年という時間の一端を感じる事ができた。


と、右側に暖かさを伴った気配を感じる。

ヤナだ。

「ソナタ君…ちょっと良いかな?」

「な、なんだよ」

「実は…さっきカレーを食べたらね」

「ああ」

「黄金が…」

「は?」

「つまり、お花を摘んできたいって感じでね」

「おま…なんでそれを報告してくる必要が、、、まあいいや。勝手にいけば?」

「そうだね。行ってくる」


と。

(・・・!?)

ヤナがスカートのポケットに何かをねじ込んだ感触を得てソナタは目線だけ投げかける。


受けてその紅い瞳と端正な顎の丸みを帯びた稜線が麝香の香りを伴い急接近し、甘い吐息がソナタの頬にかかる。

「!?」

そして、こう続けた。



「ふふ、本当は僕のカレーをプレゼント…」

「ふざけんな!さっさといけ!」


こうして変態を花畑に放逐したものの。


無駄なエネルギーを使ったソナタは、会議室の扉を潜る前から重い疲労感に包まれたのであった。

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