表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/95

夜のから騒ぎ☆彡

外観のイスラム風と打って変わって、内装は西欧風。

柔らかなトーンの光と品の良い調度品に囲まれて。


「ソナタ君って秋葉系なのかい?」

「だ、だから!秋葉原とかそういう系じゃないから!」

「だったら・・・どういう系?」

「・・・どういう系でも無い!」


宿泊施設、”ギャラリエ”の最上階にあるスイートルームのリビングでウェルカムドリンク(というのかどうか不明だが・・・)を手に談笑する面々。


(”談笑”じゃないよ・・・とほほ・・・)


約一名いじくられている本人は違う印象を抱いたようだが。


そんなソナタを他所に乙女達の喧騒は続きやがて、辺りには夜の闇が落ちた。




相も変わらず続く止まらない乙女のおしゃべりにグッタリとしたソナタが何気なく目線を落とすと、テーブルに一束の紙があるのに気付く。

「・・・?」

何気なく手に取ってみると、驚いた事にそれは新聞だった。

(ふぁ、ファンタジーなのに・・・て、そういえば雑誌もあったな。活版印さ・・・まあいいか)


「~で、・・・」

「え!それって・・・」

どうやなら周りの皆さんはソナタそっちのけで話に興じ始めたようなので・・・これ幸いと暇つぶしに記事の内容へ目を移す。


―第2四半期決算発表。今期も好業績の発表が相次ぐ

―株主への配当性向改善、内部留保積み増し

―都市の総生産10%以上の高成長


紙面は経済ニュースが中心で、いかにも経済都市らしい。


(ん?)


読み進めるうち、ふと投稿欄に目が留まった。


「ん~・・・」


一つは、低収入の若者達を”努力が足りない”と断じる隠居老人からの投稿。

もう一つは、シングルファザーとなった社員が子供の用事で度々休んだり定時に帰ったりするのが不満だという管理職からの投稿。


それは、新聞全体に通じて流れる雰囲気を象徴するような投稿であった。


(現代日本と全く同じ問題がここにもある・・・か)


モヤモヤと感じていた違和感に輪郭が見えそうに思えて考え込むソナタ。


だが、

「ふぅん。ソナタちゃんは新聞とか読んじゃう子なのね?」

「わ!?」

耳の裏から囁きがもたらされ、思考は霧散。

思わず飛び上がる。


「ちょ、ちょっと!近いです!」

突如、急接近したアリーナに、マユカが抗議の声を上げる。


「でもねー。ソナタちゃんが読んでる記事、こうでもしないと読めないのよね~?」

「で、でも・・・」

経験値の違いに翻弄される少女。


その動揺故に・・・

「ふふ・・・」

後ろからケモノが迫っていることに気が付かなかった。すなわち・・・

「マユカちゃんも、・・・きゃぁあわぃぃいいい!」

「きゃぁ!」


がっちりホールドして離さない可愛いものジェノサイダー。


「この前はおませな態度でビックリしたけど、ホントはコンナニ可愛い子なのね~」

「な・・・な・・・」

「くんかくんか・・・いい匂いがするぅ~・・・えへへ~」

「キミ・・・凄いね・・・色々と・・・」

「うう・・・助けてソナタ君・・・」


いつもの通りにカオスな光景が繰り広げられそうになるが、


―とん、とん


部屋に遠慮がちなノックの音と共に


「夜分に失礼。今、よろしいですかな?」


老執事の声が響いた事で、一旦から騒ぎは中断と相成ったのであった。




そのまま夜のバルコニーに連れ出されたソナタ。

蒼白い月の輝く闇色の空と冴え冴えした空気が何一つ地球と変わりなく夜を主張している。


「それで、用件というのは?」

「・・・そうですな。年寄りの昔語りは少々長くなりますが・・・よろしいですかな?」


よろしいですかな…とは言いつつも、ここまで来ていながら断る道理もなく。

「どーぞ」

苦笑しつつも、先を促すソナタ。


「有難うございます。それでは・・・」


そして老人の口から語られたのは、・・・一人の少女の物語であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ