白亜の宮殿☆彡
ワ=プアの中心部は半径3km四方が背の高い樹木に囲われている。
一重、二重、と覆われたその向こう側には―
「すごい!まさに、白亜の宮殿!」
手を合わせたマユカが歓喜の声を上げた。
イスラム風の建築様式で建築された庁舎とその周辺に配置された各種の施設。
晴天の陽光を受け、「白」を輝き放つ。
そんな中。
「皆様。ようこそおいでくださいました。遠路お疲れでございましょうから、まずはご滞在いただく宿泊施設へ案内させていただきます。・・・どうぞ、こちらへ」
ソナタ達は品の良い初老の黒服執事に案内され、
(そこはターバンとか・・・イスラム仕様じゃないんだ?)
内心突っ込む幼女だったが、まあ元はゲームの世界であるし何でもアリなのだろうと思い直し言葉にする事は無かった。
ソナタ達が歩みゆく道も宮殿と同じ「白」。
大理石と思われる石材が敷き詰められた道の両脇には、数m間隔でこれまた白を主張する柱が設置され、その足元を清流が流れていく。
水音と小鳥の囀りが空間に麗しさを満たしている。
「経済規模を象徴する様だね」
「大神殿は・・うぅ!宗教はせ、清貧がモットーなのよっ!」
「か、華美に過ぎるのでは・・・」
「あらあら、以前に仕事で来た時と変わりないのね」
「来たことあるの!?」
「まあ、ね」
「はい。アリーナ様には2年と3日前に庁舎で行われた式典で司会を依頼させて頂きました」
「そんな前の事まで覚えてるの?」
驚くソナタ
「ハハ・・・それが”仕事”でございますので。ああ、こちらでございます」
そういって執事が示すのは・・・
「宮殿?」
白亜の、途方もなく豪奢な施設。
「”ギャラリエ”、ゲストの方が宿泊される施設となります。部屋はスイートルームとなっておりまして、中にさらに個別の寝室もございます。また、食事は基本的に庁舎、中央の大きな建物で会食を予定させていただいておりますが、本日とその後のお夜食はギャラリエ内にシェフがおりますのでお申し付けください。一応、こちらがその他諸々・・・ご滞在中の案内になります」
「分厚っ!?」
「ハハ。まあ、入口のコンシェルジュか部屋付きのメイドにお声掛けいただければよろしいかと」
「メイドさん!?」
そのキーワードに、ソナタが興奮気味に反応する。
・・・と。
「ちょっと、ソナタ君!?」
「主殿・・・」
「あらあら・・・」
「ソナタ君の・・・すけべ」
一斉に冷たい目線が向けられる。
「う。ち、違うんだ!現実にそういう人がいるってビックリしただけであの・・・その・・・」
「ふふ。男のロマン・・・なのかな?つまり、僕の姿に興奮・・・」
「しないからね!」
弁明に必死のソナタと囃し立てる面々と、見つめる執事。
「ハハ。仲のおよろしい事で。良いものですな・・・」
その目には、どこか懐かしむ様な優しい物が含まれていた。




