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隠密任務を遂行せよ(前篇)☆彡

ここからしばらく、、、ギャグ回です

深夜の丑三つ時。

ホーケン冒険者ギルド内の照明は全て落とされていたが、一カ所だけ。

煌々と光を灯し、暗闇に溶かし込み続けている場所があった。


―地下、第3会議室。

普段利用者も少ないデッドスペースとなりつつあった会議室だが、今はかなりの人数が詰めかけていた。


「皆、良く集まってくれた。今日集合してもらったのは・・・」

珍しく真剣な表情で会合を取り仕切る、ソナタの義姉エリザベート。


「「「「・・・・」」」」

一同、無言で頷く。皆まで言う必要がないらしい。


集まった面々は・・・


―某、ソナタの正妻を主張する眼帯さん、ライラ。

―ピジョンブラッドの瞳の美少年、ヤナ。

―ソナタを追いかけて受付嬢にまでなった女、アリーナ。

―女子力高き驚異の新人、元ジェネラルことマーリア。


・・・そして何故か。


「そ・・・某、なんで呼ばれたんで御座ろうか・・・」

端っこで小さくなっているゴザルであった。


「今日集まってもらったのは、他でもない。明日ウチの弟・・・妹?まあ、いいか。とにかくソナタが・・・」


手で作られる卑猥な形と共に・・・


「デートらしい。」


短く告げられたソレは、既に分かっていた事だったにも関わらず。

参加者(ゴザルを除く)には本日何度目か分からない衝撃が電撃のように駆け抜けた。


「相手は・・・パン屋の娘だ」


「「「「!?」」」」


「ああ、あの美少女でござるか。ソナタ殿も隅におけな・・・ひぃっ!」

一斉に向けられた殺意の視線に・・・ダメ忍者のSAN値がゴリゴリと擦り減っていく。


「まあ、事の経緯だが・・・」


義姉は語り始める。「デート」が発生するまでの経緯を・・・。





その日。

相も変わらずソナタは、先日受け入れた豚侍の皆さんの為、東へ赴いては頭を下げ、西に行っては説得行脚を展開し、中央広場で演説を行い、・・・果ては神殿に行ってはモミクシャにされて多忙を極めていた。


そんな中、南通り地区のパン屋を通りがかった時に・・・

「ソナタちゃん!」

アユカおばさんに声を掛けられたのだ。


(・・・そういえば、アユカおばさんにも説明しなきゃだったな・・・)

「ああ、おばさん!こんにちわ!」

「どうしたんだい?なんだか忙しそうだねぇ」

「あ、実は・・・」


そうして、成行きで豚侍の皆さんを受け入れてしまった事、その説明に奔走している事を説明する。

ソナタ自身、直接話してみて真面な連中(少なくとも彼の仲間よりは真人間であった・・・)であったので、後は街の人々にどうやって安心してもらうか、が大きな課題であった。


「そうなのかい。ま、ソナタちゃんが大丈夫というのならアタシは豚でも鳥でも受け入れようじゃあないか。この辺りは知り合いが多いからね。うん、近所の皆にもアタシから話しておくから安心しておくれ」


「あ・・・ありがとう!」

深く頭を下げるソナタ。この肝っ玉母さんには色々と頭が上がらない。


「よしよし・・・あ、そうだ。ソナタちゃん。代わりと言ったら悪いんだけどさ・・・」

「はい?」

「ちょっと・・・明後日、うちのマユカの誕生日なんだけど・・・主人が体調崩しててね」

「大丈夫なんですか?」

「まあ、ちょっと風邪拗らせただけだし、良い機会だから休ませようと思っているんでそれはいいんだけどね」

「?」

「娘と一緒に行くはずだった、高級レストランの”アマール・オ・オーディネム”予約して、コースの料金まで払ったのに・・・一緒に行けなくなっちまってね・・・」

「おばさんは?」

「アタシは、ほら、店を切り盛りしないといけないじゃないか。だから・・・」

「?」

「だから、ソナタちゃんに一緒に行ってもらえると。ほら、あの子、アンタに凄く懐いてるから」

「っ!?」

「ディナーだけだからさ。時間なくて大変だと思うけど・・・何とか頼むよ!この通り!」

自分の娘より幼い者に、一生懸命に頼み込む母親。


人間には「返報性」という習性があり、ソナタはそういった感情を人より過分に持っており・・・

つまりどうなったかというと、


「あ、お、私もあのレストラン、ずっと評判で行きたくて!それも・・・マユカちゃんと一緒になんて・・・すごぉく、嬉しいなぁ!」

思わず女の子言葉になりながら、必死に「嬉しい」アピールのソナタ。


「本当かい!?良かった・・・あの子もきっと喜ぶよ!・・・こうしちゃおれない。ちょっと伝えてくるからね・・・マユカー!」


そして、店の奥の階段を駆け上がっていく母親の姿を見送るソナタの脳裏では・・・高速で明後日のスケジュール帳が修正されていくのであった。




「・・・というのが、アタシがソナタから聞き出した、事の顛末だ」

「何それ!?・・・明らかにお母さんもグルじゃない!?」

「うーん、なんというか・・・色々と遣り手って感じだね」

「あらあら・・・ソナタちゃんたら脇が甘いこと・・・」

「主殿・・・我らの為に・・・かたじけない・・・」



「あの~・・・」

そこで、不屈の男、ゴザルが手を挙げる。


「「「「あ"?」」」」

「ひぅ!」


「・・・なんだ、チ●カス。便所なら、漏らす前に勝手に行けよ?」

「そ・・・そうではなくて、まあ、皆さんの恋敵出現・・・・というのは分かったのでござるが、

それと某が呼ばれた事との因果関係が分からないのでござるが・・・ひっ!」


「どうやら・・・この豚は死にたいらしいわね・・・」

「ふふ・・・ゴザル君とはここでお別れの様だね・・・」

「あらあら・・・空気の読めないオトコは嫌われるわよ?」

「そ、某は主殿の妾に等とそんな厚かましい事は・・・」


「まあ、そういきり立つな、雌豚共。そこの雄豚にはハッキリ豚にも分かるように・・・」

「すみません、僭越ながら。豚豚と仰いますが、そこのご仁と一緒では某、部下に示しがつきませぬ」

「ああ、そうだったな。悪りぃ。じゃあ、豚以下ニート未満のチン●ス野郎には、指令があるから呼んだんだ。その位は理解しておけよ、まったく」


「酷いっ!酷い扱いでござる・・・しくしく」

さめざめと泣くゴザルだが、当然のごとく女性陣はスルー。


そして、義姉エリザベートが言葉を続ける。

「あー、まあ、つまりだ。お前にはこの面白可笑しいイベントを偵察して来い、って事だ」


「嫌でござる!幾ら姉上殿の命令とはいえ、主を裏切る事もできぬでござるし・・・何より忍びにも心というものがあるでござる!」


と、女性陣の一番の新入りが立ち上がった。

嫋やかな所作でそっと、ゴザルの顔を持ち上げると・・・


「おい、似非忍者の○△×野郎・・・貴様にも感情があるだと?・・・知ってるよ。つまり・・・恐怖もあるってことだよな?」掠れるようなハスキーボイス。


「・・・!」

「いいか、やってくださいとお願いするつもりは・・・ないぞ。やれよ。貴様にはその選択肢しかない・・・!」

「ひ・・・ひ・・・」

「返事はっ!?」

柳眉をひそめて発せられる有無言わせぬ命令に。

「は・・・はひ!」

弱者ござるはただ膝を屈するのみであった。


決戦デートの日に向けて。

その後も乙女たち(+奴隷)の陰謀に満ちた会合は夜更けまで続くのであった・・・。


ゴザル、カワイソス・・・(;_:)

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