アンコール ☆彡
ソナタ、反撃開始です。
「さあ・・・はじめよう」
光輝の泉が溢れ出すその源で。
凛然と構えたソナタが告げた戦いの始まり。
「「我は女神の盾・・・」」
「「「我が雷を以て・・・」」」
「「「「「「我に風の如き迅さを・・・」」」」」
それに応じて、空間に広がった光がスペルの輪唱を開始する。
無限に紡がれ、響き、空間を支配する。
―いつ始まりいつに終わるのか。
それは誰も分からない無限の時。
「な・・・ん・・・、じゃ・・・」
その異様に呆然とする”ロード”。
彼の目の前でその長くはない人生の中では測り知れない”ナニカ”が進行していた。
ソナタを包む光の正体は、「アイドル☆彡ソング」の魔術の特典。
それは、5万を超える者に向けて
想いを込めた声で
2時間を超え歌い上げた者に与えられるモノ・・・
―”聴衆賛美”
発動した者の能力を10倍に引き上げ、集めた想いの数だけ同時に魔術を詠唱する事を可能とする。
ソナタ自身でさえ知らない、隠された秘密。
そして・・・彼の義姉が命がけで授けた、秘策。
―ダンッ!
音だけを残し、”ロード”の爪先がソナタを捉えんと振るわれる。
防壁を瞬く間に一枚破り・・・二枚破り・・・三枚・・・しかし後から後から生成される防壁に終わりがなく、やがて爪の切り裂く勢いが弱まる。
―・・・ギャリッ!
「ぬぅ・・・っ!」
”ロード”が振るった爪はまたしても無数の防壁に阻まれた。
―フォン・・・ッ
そこへ、今度はソナタのありとあらゆる攻撃魔術が豪雨となり降り注ぐ。
「小癪な・・・!」
音も・・・光すら置き去りにして回避する”ロード”。
だが、雨粒のすべてを躱すことができないのと同じで。
「ガッ・・・!?」
無数に寄せる攻撃魔術の一つが・・・ついに”ロード”を捉えた。
すると動きの止まった処へ次々に押し寄せる。
「ガ・・・ゴ・・・バ・・・ッ」
雷光が、炎が、冷気が、槍が、風の刃が、暴風が、時空の裂け目が、流星が。
あらゆる災禍が1点に集中する。
と。
その中から。
「ウ・・・ウォオオオオオオオオッ!」
雄叫びと共に、突如立ち上った赤黒い光の柱が天を衝き、見に迫る攻撃魔術を消し去っていく。
「ゼハ・・・ッ・・・ア・・・、ハァ・・・ハァ・・・!」
すべてが晴れると、ボロボロになりながら鋭い眼光を備えた豚鬼の支配者が姿を現した。
「もう・・・ヤメじゃ。・・・全力で」
と。そこで空気の温度が数度下がった。
冷酷なる気配が周囲を支配する。
「脅威を葬る・・・」
その言葉の直後。
―ロードの姿が、ソナタの視界から掻き消えた。
ついに、ロードが本気です。




