下剋上☆彡
ソナタ、危機一髪ですが・・・☆彡
「ソナタ!」
義姉の叫びが響く。
一直線に描かれる「天衣無縫」の切っ先。
―だが、ソナタの眼は、・・・まだ輝きを失っていない。
最期まで天晴と。
その思いと共に振り下ろされる剣閃。
「終わりだっ!」
そして、誰もが諦める中、曲は間奏パートに入る。
次の瞬間。
「ああ、ただし・・・、俺の勝ちでなっ!」
・・・リィンッ!
剣閃を迎え撃ったのはソナタの手に握りしめられた、一本のマイク。
それが澄んだ鈴の音にも似た音と共に、カタナを砕き飛ばす。
根本から折られた自らの愛剣に呆然として固まるジェネラル。
「・・・げほ・・・ずっと・・・さっきから狙ってたんだよ、その一点」
「!?」
「刀狩、をさ・・・」
「な、ん、と・・・」
その言葉に、ジェネラルは驚愕した。
殴られ続けながらも刀の脆い根本の一点を狙い「まいく」なる道具で打撃を与え続け・・・その破壊を成し遂げたのだというのだから。
「俺は、・・・負けない!」
―間もなく間奏が終わろうとする中、
「・・・歌も笑顔も続けて街も!皆も!全部を…全部、守って見せる!」
高らかに宣言して見せたソナタ。
「ソナタ!・・・この、バカ野郎ッ!」
「ソナタ殿!」
崖の下からは歓声が上がる。
「・・・なんと、いう・・・・」
「我が右手は・・・以下略!拡大治癒!」
回復魔術。
瞬く間にその顔に色が取り戻されていく。
「お前の牙はもう折った!それでも、向かってくるなら好きにしろ・・・行くぞ!」
そして、間奏が終わり再び歌に入っていった。
「~♪」
―その、絶対折れない信念・・・
―どこまでも純粋で、私心の無い願い・・・
―そして、それを貫く確かな、・・・強さ!
―絶望の日々に突如現れた輝かしい、希望。
・・・ガシャン。
ジェネラルの手から刀が零れ落ちる。
そして、次の瞬間。
「・・・我、正に今・・・真の主を見つけたり・・・」
平伏する赤い鬣。
すると、
・・・ざっ!
・・・ざざっ!
「・・・っ」
続いて、突如崖下のサムライオーク達までもがすべて平伏する。
「!?」
「「「我ら、貴殿を主と仰ぎ忠誠を誓う!」」」
「な、なな・・・なんなんだよ!・・・何を・・・勝手なことを!」
崖下から文句が届くが。
「・・・そうか。好きにしろ」
笑顔で、そっけなくただそれだけ言うと再び歌に戻るソナタ。
・・・と。
パチ・・・パチ・・・パチ・・・!
突如、乾いた単発の拍手の音が三度、響き渡った。
「望ぉ外っ!・・・正に望外というべき・・・じゃのう!」
愉悦を浮かべ、
「結局、10人いたジェネラル豚はすべて離反・・・だが、代わりに・・・」
その双眸がソナタに向かう。
「これほど・・・上等な弱者を見つけられるとはのう!これは、千年女王の奴に褒美の一つもくれてやらねばなるまいてっ!」
同時にその指が弾かれると、
・・・傍らのサムライオークが一匹、爆散した。
「!?」
だが、サムライオークたちはその光景を間近にしても、平伏したまま動かない。
「・・・!?」
異様な光景に固まる面々。
それに気が付いて、
「・・・ああ、コイツラは分かっているのじゃ」
首を傾げる禍の象徴。
「逃げても、無駄。歯向かっても、・・・無駄。ただ、通り過ぎるのを待つのみ、とな」
レベル800の彼らを指一つで爆散せしめる異常。
そして、
皆の目に映る「内圧」。
―皆の視界に真っ赤、雷が幾条も走る。
それは、レイドボスをも超えた怪物のサイン。
「主らは・・・楽しませて、・・・くれるのじゃろうな?」
”ロード”の目は爛々と輝き、弱者を凝視していた。
なんと、さらなる強敵が。
戦いの行方はどうなるんでしょうか・・・




