”ロード”襲来☆ミ
一転、強敵襲来の予感・・・
「ぱ、パネー!ま、ままま…じあり得ねえ!」
ある日の朝。
初クエストとなるゴブリンの集落殲滅を終えたテッドが、山の斜面から広がる平原を何気なく見ると。
地平線に巻き上がる一面の土煙、地響き。
赤と黒の軍旗。ソレが示すものは…。
「…あれは、・・・北のオーク軍・・・っ!」
最悪の状況に。
珍しく険しい表情を浮かべたのは受付嬢(?)のヤナ。
ソナタ達に匹敵する実力を持った彼は検分役として、クエストに同行していたのであった。
「皆っ!急いでギルドに戻る。…周りに集まって」
メイド服姿の彼に手招かれ、討伐に参加していた冒険者達が集まる。
すると、ヤナが目を閉じ両手を差し伸べた。
「・・・至れ・・・安息の我が家へと・・・」
言葉と共にその掌からあらゆる色の光の玉が溢れ出し・・・
「!?」
「・・・帰還っ!」
発動と共に白い光の柱が空へ駆け抜けた後には彼らの姿は無く、廃墟となった元ゴブリンの集落が残されたのであった。
北のオーク軍。
土煙を上げながら進みゆくオークの群れは実に10万にも及ぶ。
辺境の更に北の最果て。少数部族の集落やゴブリン、コボルトといった弱者、わずかに暮らす人間の集落を略奪する猛威。
それには、「軍勢」と呼ぶのに決定的に欠如しているものがあった。
―”軍規”
その軍勢には信・賞・必・罰、いずれも存在しない。
たった一つ。
「恐怖」という感情だけが10万の群れを動かす原理となっていた。
その中心にある者。オークを超越したものとして、オークの名も冠せずただこう呼ばれる。
・・・”ロード”と。
彼は平民の出であったが、暴力が唯一の真理である北世界においてその圧倒的武威を振るい、僅か10歳の時に頂点へと上り詰めた。
オークが特段早熟な種族、というわけではない。
だが単純に誰よりも早く誰よりも力強く誰よりも狡猾な彼が幼くとも北世界の暴力の頂点。
ただ、それだけの事であった。
「千年女王(ト=ジョーレ)の奴に唆されて来ては見たものの・・・」
輿の上であくびをかみ殺している。
「・・・はてさて、”古の者”とやら、せめて少しでも喰い応えのある弱者であると・・・良いのだが、の」
ト=ジョーレの参謀アデルの画策により。
ホーケンの街に最悪の暴威が近づきつつあった・・・。
・・・ヤバそうです。(;´∀`)




