キノコ平原に飛ばされたっ☆彡
今回はいつも以上に短いです。
やがて、ホワイトアウトした視界が晴れた。
すると先ほどまで其方の目の前に女の姿は無く、かわりに見渡す限りの草原が広がっていた。
風と共に運ばれてくる草の匂いが、これを現実だと体に知らせる。
それは、どことも知れない、いや、見覚えのある景色だ。
ただし画面越しでの話だ。
平原にはなぜか巨大キノコが多く群生している。
まさしくスペル・マスターの最初のステージである「始まりの平原」
通称「キノコ平原」。
(異世界召喚か…まさにテンプレキタコレ、だな)
黴臭い生活指導室の空気から一気に解き放たれた開放感にしばし目を瞑り風を受け止める。
「あー、空気がいいな。これが異世界…。…ん?」
突如変な事に気が付いた。
おかしい。
声が妙に高いのだ。
さっき電話越しに聞こえた幼女に近い。
「あれっ?」
そう。それに、なんだか視線も低い気がする。
不審に思い両手を見ると、毒々しい程ラメの入ったピンク色のシュシュが腕に巻き付いている。
「ま…まさか…」
その顔からさぁっ、と血の気が引いた。
周囲を見回し池が視界に入ると、そこへ目がけて全力で駆け出した。
「…っ!」
その走りも、やはり自らの物と思えない。
速度に応じて流れていく景色は、どちらかと言えば自動車の車窓から見える物に近い。そして、視界の下端にはチラチラとピンクの布きれが見える。
不吉な光景を必死に意識の外に追い出しながら無心に走る。
そうして目的の池にたどり着くと、がばっとばかりに上体を倒して水面を覗き込んだ。
「おいおい…まじかよっ!?」
水面には、幼女の絶叫する顔が映り込んでいたのだった。
「ゲームのアバター(幼女)になってんじゃねーかっ!」
全然戦闘にならないですが、、、次話になったら本気出す!(`・ω・´)