決闘のスペル☆彡
とうとう本作の宿敵登場です。
鬼女が振るった鞭がソナタの居た壇上を直撃し、土煙が上がる。
「ソナタちゃんっ!?」
ギルドハウスとなった後方から悲鳴が上がる。
そして、
「あ・・・アンタ!あんな良い子に・・・なんて酷い事するんだい!?許されないよっ!」
前方からも勇気ある抗議が上がる。
声の主は・・・一般市民で、前列にいたパン屋を営むアユカおばさん。
「ムシケラが・・・」
対する鬼女はため息を吐き出すとその腕を再度振るう。
直後に爆音と土煙、そして・・・悲鳴が上がる。
「ここに居合わせたものは、ソコの者の様に・・・処刑だ。例外は無いっ!」
満足げに宣言する鬼女だったが。
―そこで、ふと気が付く。
―振り返った先の壇上。土煙が晴れた後に・・・あの幼女、ソナタがいない・・・っ!
そして、、
「・・・知っているか・・・」
その言葉が背後から。
「・・・アンタが今、虫けらの様に殺そうとした、このアユカおばさんはな。お前らがこれだけの力を持ちながら放置した魔獣の被害で小麦の値段が何倍にも上がっても、お前らが税を貪り食っても、愛娘を巫女として奪い取られても、、、歯を喰いしばってパンの値段を上げずに街の皆を支え続けた凄い人だ・・・」
「ソナタちゃん・・・」
「俺はこの2週間、街でいろんな人と知り合った。誰もが限りなく尊い人生を生きている。お前たちの好き勝手な支配とルールで、搾取して良い存在なんかじゃないっ!」
「生意気な口を・・・」
歯ぎしりしながら鬼女は再度土煙へ向けて鞭をふるう。
上がる悲鳴。
だが、ソナタの口は止まらない。
「俺は・・・間違ってた。俺たちはイレギュラーだからこの国の体制になるべく影響を与えないようにとか、みんなを巻き込んだらとか・・・」
「黙れ!」
また振るわれる鞭。
そして爆音。
しかし、ソナタは止まらない。
「俺は、ポコチーニみたいに頭が良くないし、義姉さんみたいに世渡り上手でもない。ただの高校生だ。・・・だから、難しい事なんてわかるわけがないんだ・・・」
「だから何だっ!」
ヒステリックな声とともにもう一度上がる爆音。
「だから・・・俺は、目の前の人を!全部、全部救う!自分の気持ちに従って目一杯、生きる!」
―突如、風が吹いた。
「ハ・ルイチ・バンノカゼ・デ・パン・チラキ・ボンヌ!・・・風魔術!」
吹き抜ける風が土煙を払うと、そこには無傷のアユカおばさんと、―ソナタ。
「ほぅら!イカガワシイ言葉だ事ぉ!これは・・・やっぱり粛清されるべきねえ!」
「・・・粛清。できるものならやってみろよ。・・・俺は、もう、迷わない!」
言うやソナタは体を伸ばし、右手を天に向けて差し出した。
―その先に光が生じる。
「P・T・A上等っ!・・・勃興せよ決闘領域っ!」
―詠唱によってソナタと鬼女を光のドームが覆う。
「俺・・・ソナタ=ニューランドは・・・例えBANされようとも下ネタの限りを尽くし戦う事を誓う!」
―叫んだその言葉は、第7階梯魔術の「決闘領域」を発動するキーワード。
今、この時をもって、戦いの決着がつくまで両者は外界に出る事も、干渉する事も叶わない。
鬼女とソナタの、死闘が始まろうとしていた・・・。




