”自分まじHKッスから!” ・・・え?何それ?☆彡
ギルドに押し寄せた人々とは一体・・・
「あー・・・もう一度、自己紹介から、お願いできるかな?」
襲いくる眩暈に、、、思わず眉間に出来てしまう皺を人差し指と親指で摘みほぐしつつ、ソナタは再度、問いかけた。
―今時の若者?まあ、この世界が特異なのかもしれないが、、、
「自分?マジ、テッドって言うんすけどっ!・・・ソナタさん、チョーやべくねぇ?って感じじゃないスか?HKリスペクト!マジ天使っていうか、このホーケ●、ギルド?とかいう奴も?ヤベ。チョーマジ受けるwww!自分マジイケてるHKスから、ここで天辺目指すっていうか?」
―不思議な現象だった。単語の一つ一つはHKとかいう謎語を除外すればわからなくも無いのだが、、、文章にすると全く理解できない。彼は一体何を主張したいのか?・・・これは一応、冒険者ギルドの採用面接なのだが。
(そうか、・・・HKっていうのがわからないから文脈つながらないのかもしれないな。)
ソナタは気を取り直す。国語の試験問題なんかでも、難解な単語の意味が分かった途端するすると解ける、という経験があった。恐らくはああいう感じの言葉、なのだろう。折角ギルドに来てくれた有難い志願者なのだ。狭量な扱いは良くないだろう、と。
「え、、、と、HK・・・っていうのは何かな・・・?」
ひきつりながらも必死に営業スマイルをキープした自分を褒めつつソナタは若者に問う。
「HK?知らないんすか?・・・ヤベ、マジ受ける・・・w」
なんと!・・・驚いた事に、彼は大変お喜びの様だ・・・。
今のソナタの質問のどこに喜ぶ要素があったのか、まったく理解できないのだが。
見た目も、過去に姉が連れてきたサークルの友達だという○○デビューしちゃった男性達に非常に近い。一言でいえばチャラ男、という奴だ。
―まあ会話が成立しない以上、ここはお引き取り願おうか。後も閊えている事だし。
ソナタが口を開きかけると、
「ホーケ●っす」
「・・・は?」
「だ、か、ら。HKっすよ!ソナタさんがマジ神演説!パネーっ、て感じでHKが今、来まくってるっていうか?」
・・・そう。彼は「ソナタ教」とでもいうべきホーケ●市民の一人、青年テッドの変わり果てた姿、であった。
ソナタのホーケ●連呼演説によりHKの皆さんが自信に目覚め、わずか数日の間に街は空前のHKブームとなっていたのであった。
・・・その原因が自分だと、ソナタは知らない。
「そ、そう。H、K、ねえ・・・うーん・・・」
HKの意味は判明した。だが、やはり彼との会話がいまいち噛み合わない。
「自分、マジ、このHKの為になら死ねるッス。余裕ぅっス!」
だが、、、まあ何だか根拠のわからない熱意だけは伝わってくる。
(ちょっと不安だけど、・・・取り敢えず、やる気はあるみたいだし、仕方ないか。)
「分かりました。では、共にギルドを盛り立てていきましょう。まだ無いですが、拠点が開設した暁には神殿の玄関口に張り出しますので、ここに名前と連絡先を・・・」
「マジ!?自分HKギルドのメンバーっ上等ッスカ?ヤベェ、マジ、ヤベェ」
その後、「ヤベエ」と「パネエ」と「マジHKっ!」を繰り返す青年を見送ると、一息ついた。
(・・・そう、偶にはああいう個性的な人もいる!・・・さあ、次だ!次っ!)
気を取り直すとソナタは次の受験者を応接室に招いた。
ガチャリとドアが開くと、見えたのは、、、
―テラテラした安っぽそうな皮のピッチリしたズボン
―顔の色々な場所にピアスをつけて
―髪の色が汚い感じに染まった、、、
「ヤッベ!マジ、リアルソナタちゃん天使キタコレ!」
(・・・またか!)
ソナタの(自業自得な)苦難の一日は始まったばかりであった。
HKで3話も引っ張ってしまった・・・orz




