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皆の事が、大好きだっ☆ミ

ギルド設立に奔走するソナタ達ですが、、、

「う~・・・」


その日、ソナタの目覚めは最悪であった。

39.8度の熱。

酷い風邪を引いてしまったようだ。


「・・・延期した方が良いんじゃない?」

普段、狂暴な某人物がベッドの横で氷枕を変えながら真剣に心配するレベルであったが、


「だ…駄目。そ、んな事した、りゃ、機を…逃す…」


若干、ろれつが回らないものの、ソナタの意思は固かった。


神殿において意外と地位が高いらしいロイターとライラ。

二人の口添えもあり、神殿の方から折良く行われていた感謝祭で演説の時間枠を貰ったのだった。台本も、サクラも仕込み、あとは主役のソナタが登壇するばかり。


ここで、ギルド設立を広く宣言するのだ、が。


「やっぱり・・・無理じゃない?」


「や・・・やるぅ・・・・!」

無理やり体を起こしたソナタ。


その頑張りが、あんな事態を引き起こそうとは・・・この時は誰も知る由もなかった。






神聖都市ホーケンはその日、華やいだ熱気に包まれていた。カーニバルのダンサーの列が練り歩き、通りには出店が立ち並ぶ。町の至る所に神を言祝ぐ紋章がベースとなったモチーフの飾りで覆われて、祭りの空気を誰もが謳歌していた。



町の中心に設置された舞台では、次々と演目や名士のスピーチが執り行われ、少なからぬ聴衆がそれに聞き入っていた。



今年の祭りは例年より三割程人が多い。

理由はー



「それでは!皆様お待たせ致しました!お待ちかね、この町を神竜の恐怖から解放してくれた…小さな英雄さんの登場です!どうぞぉ!」


司会の女性が前振りをしたその手の先、舞台袖から現れたのは、、、


「あ"~…、ど~も~。ごじょーがいにあずがっだ、

ちーん!…失礼じまじだっ!しょ…ちーん!、ソナタ、です…」


多少熱はひいたものの、鼻水ぐずぐずで若干呂律の回らない、ソナタであった。



「きょ、今日はソナタちゃんからお願いがあるのよね~?(い、今にも倒れそうなんだけど、大丈夫なのかしら?)」


ややひきつった笑顔で、ソナタに先を促す司会者。


「ばい゛・・・。じつわ゛、・・・ちーんっ!」


答えながら、ソナタはスカートのポケットから一枚の紙を取りだし原案作成者のポコチーニとアイコンタクトを取る。


(あ、そう言うこと)


司会者の女性はそれを見ると得心する。

要は子供のあどけなさを利用して、あの青年が裏で糸を引いているのだ。あんな小さな、しかも病気の子供を人寄せパンダにしようとはいくら彼らが偉大な古代魔術師なのだとしても、いや、寧ろそれだからこそ、納得がいかないものがある。


とはいえ、これは仕事。

アコギな青年に抗議するよりも、このかわいそうな子供が早く役目を終えて暖かなベッドに戻れるよう壇上から自らの身を引くのみ。


そんな葛藤を抱えつつ、女性が舞台を去ると、

いよいよ演説が始まった。


ソナタが口を開く。


「あー、皆さん。本日はこの様な晴れがましい場で、お時間を頂きました事、感謝の念に堪えません・・・」


「今日はお願いがあってきましたが、まずその話を始める前に、これだけは言わせてください!」


そして、少し間を開けて耳目を集める。


ここで、都市の人々を味方につけたいソナタ達は、

このホーケンに対する愛着を共有することを考えた。再度、草案者の参謀を見ると力強く頷いた。


(よし…、ここが正念場!)


気合いを入れて演説を再開したソナタ。



ーしかし。


ー呂律の回らない彼は、、、



「俺達は!“ホーケ●“のっ!…皆の事が大好きだっ!」



、、、トンデモナイ事をシャウトしてしまったのだった…。




しかも、、、

(よし!完璧に言えたっ!)

熱で、ぼぅとした頭では“ん”がおかしな発音になったことに気が付いておらず、


どや顔で、ポコチーニを振り返る。


「?!」


それを目撃した女性司会者の黒幕を見る視線がゴミを見るソレに変わるのは無理からぬ事。


こうして、カオスなワンマンショーが幕を開けたのだった…。

ソナタさん、やってしまいました(´・д・`)

ですが、彼の黒歴史は止まらず、、、次話に続きます(;´д`)

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