ファッションショー☆彡
この作品はGL要素はありますが、BLにはなりません。
・・・決してなりません。
ええ、それが世界の約束ですっ!( ゜Д゜)
「ほんっっっっとに、ごめんね!」
「あはは・・・、気にしないで。どっちかっていうと・・・悪いのは俺の方なんで・・・」
「確かに!男の子って言ってたもんねっ!パンツ被っ・・・」
「わー!そこは以下略でお願いしますっ!以下略でっ!」
「何々?そこ、家族であるアタシにkwsk・・・」
面会室で、ソナタは平謝りのライラを宥めていた。
誤解が解け、神殿騎士のライラと義姉のエリザベートが身元引受人を名乗り出たことにより無事円満に出所できる事となったのだった。
ところで。
ここで新たな問題が発生する。
―そう・・・服が無い、のだ。
囚人服は監獄のレンタル品なので返却しなければならないが、代わりに着る服が無い。
まあ、囚人服で町を歩くという、オシャレ過ぎる選択肢は最初からないだろうが。
「そうだ!ソナタちゃ・・・君の服、お詫びに選んできてあげるっ!」
気を取り直したライラが提案する。
確かに誰かに買いに行ってもらう他は無い。
「じゃ、じゃあ、申し訳ないけど・・・」
唯一没収されなかったアイテムポーチ(魔法少女仕様)からお金を手渡すソナタ。
「わぁっ!白金貨っ!」
ライラが目を丸くする。
白金貨は流通通貨の中で最も高額。日本円にして大凡10万円くらいの価値が有るらしい。
「お釣りは自由に使って好いから」
ただ、廃プレイヤーのソナタにしてみればお小遣い程度の金額。
「あはは・・・そんな、チョロまかしたりしないから安心して。・・・それより!素敵な服を選んであげるから、、、待っててね!」
「有難い・・・マジ助かる!」
立ち上がるライラ。
・・・すると、面会室で取り囲む様に座っていたギルメン達もなぜか次々に席を立った。
「・・・?」
「「「俺(僕)らも見繕って上げよう!」」」
チェック&ベルトインかアニメのプリント、もしくは黒一色の中二病服に身を包んだ彼らが。
一瞬嫌な予感がしたソナタであったが・・・、異世界にそんな変な服はないだろうと思い直し、好意は素直に受け取ることにした。
「あ、じゃあ皆にも」
金貨を渡そうとするが。
「何言ってるでゴザルか!我々が何者か、忘れたのでござるか?」
「・・いや、もちろん知ってるけど。でも、なんか悪いし。こういうのはきっちりしないと」
「良いのでござるよ。その分、気兼ねなく選べるでござるから」
うんうんと頷くギルドメンバー。
「そ、・・・そう?じゃあお言葉に甘えて・・・」
言いかけたソナタの前に左手がにゅっと突き出される。
「?」
「はいっ!」
その手の先にはいつも自分を貫くKYな義姉の満面の笑みがあった。
「・・・」
「・・・、・・・っ!」
無言で交わされるアイコンタクトの応酬。
・・・やがて。
―ちゃりん。
「・・・お、お願いします・・・」
「・・・美しすぎるお姉様に、、、感謝の言葉は?」
「あ、アリガトウゴザイマス・・・タイヘンカンシャシテオリマス・・・オネエサマ・・・・」
その圧力に、ソナタは膝を屈したのだった。
面々を送り出した後。
若い看守と取り残されたソナタは、気になっていた事を尋ねる事にした。
―先の少年の事。
彼は一体なんだったのか。気が付けば彼が机の上に広げていた「ッアー!」な本もなくなっているし、
ナイフを突き立てられたハズの机にも傷が残っていなかったのだ。
何より煙の様に掻き消えた事、ソナタと同格以上の内圧に、只者ではないと思ったのだ。
だが、特徴を伝えるも、その少年の事は知らないとの答え。そもそも年齢に鑑みて看守であるはずがないとの事であった。
不可思議な出来事に首をひねるソナタであったが、これ以上聞いても今得られるものは何もないと判断し、後は他愛もない世間話をしながら皆を待つことにした。
やがて。
最初にライラが帰ってきた。なぜか息が上がっている。
「そ、なたちゃ・・君。素敵な服、買ってきたよ!」
そう言って紙袋を手渡す。
ブルー地にピンクと紫を基調にした細やかな花柄や蝶の散ったデザイン。
やや女性っぽい包装だが、元の世界でもそういった女性ブランドで男性向けレーベルのカッコイイ服、というものはあった。
(流石・・・これは早速期待できそうだ・・・)
「ありがとう!・・・開けても良い?」
「もちろん!」
えっへんと胸を張るライラにますます期待感を高め、、、
がさ・・・っ
開けると、まず黒いレースの肩口が見えた。
(ま、まあ少しゴス入った服装なのかもしれないし・・・)
急速に胃のあたりに流れ込むヒンヤリとした感覚を無視しながら、さらに持ち上げる。
すると、
黒のローズ柄の刺繍・・・乱雑な態で巻き付けられたチェーンと再び黒いレース・・・
「・・・・」
「どうかしら?」
なんと言うのだろうか。こう、飼い犬がフリスビー拾ってきて飼い主のリアクションを待つ、みたいな。
そんな期待の眼差しを受けつつ、ソナタは服の全容を露わにした。
・・・黒いベルベットのミニスカートが繋がっていた。
「て、・・・・女物じゃねぇかっ!」
とうとう、耐えきれずソナタが突っ込んだ。
「えー!ソナタ君、ちょっと女の子みたいな顔してるし、絶対似合うって☆彡」
「似・合・い・ま・せ・ん~っ!」
「ああ!そうだ!・・・あと、これも付ければ完璧♪」
更に手渡されたのは、
「!?」
黒の、ウィッグ・・・。
「これでもう、どっからどう見ても女の子!お姉さんが保証しちゃう♪」
「・・・却ぁっ下っ!」
・・・ドゴンッ!
ゴミ箱に凄い物音と共に一式が叩き込まれる。
「ああっ!折角買ってきたのに・・・」
「お・れ・は・お・と・こ・で・すっっっっ!」
譲れない一線を必死に防衛するソナタであった。
更にしばらくして。
「絶対似合うのに・・・可愛いのに・・・ぶつぶつぶつ・・・」
椅子に体育座りで拗ねるライラと、笑いをこらえて痙攣する若い看守。
気まずい沈黙空間に次の挑戦者が現れた。
「ソナタ殿!」
漢の中の漢、共に死線を越えた戦友ゴザルだった。
彼自身の来ているTシャツはアニメの美幼女が・・・以下略だったが、異世界にそんなものはありはしない。変にファッションとか言い出さないだけ手堅いチョイスを期待できた。
「町では基本、白かベージュのシャツが多かったで御座るので・・・」
いいながらこちらも紙袋から服を持ち上げる。
―見るからに男物っ!
内心、ソナタは戦友のファインプレーに喝采を上げた。
が、
「・・・御座るので、、、」
更に持ち上げると、何かの文字が。
「同志の証を付け足しといたでござる。安心めされい」
急速に広がる嫌な予感に眩暈を覚えつつ、ダメ忍者から受け取ったTシャツを表裏眺める。
するとそこには、、、
―天下無双のオ●ニスト
―幼○大好き、PTA上等っ!
ムカつくことに達筆な筆致でイカガワシイ言葉の数々が追加されていた・・・!
「全く!1ミリもっ!安心なんぞできんわ!こんヴォケっ!今度こそ、リアルに捕まってしまうわっっっ!」
・・・ドゴンッ!
人、それを蛇足という。
かくして、ゴミ箱の肥しが追加されるのであった。
以降もどうしたらそんな事になるのか理解に苦しむ服の数々にソナタの悲鳴が上がり、その度に面会室のゴミ箱がけたたましい音を立て、とうとう堪えきれなくなった看守が笑って転げまわる始末。
―未だ、ソナタの服は囚人服であった。
そんな中、最後の挑戦者。
ソナタの手から白金貨10枚を分捕った女が両手一杯の買い物袋を提げて帰ってきた。
「・・・そ、そんなに買ってきてくれてっ!」
「ああ・・・」
言うと、女は下げてきた袋を横に置き、その中から一番小さな袋をちょん、とつまんでソナタに渡した。
「・・・え?」
「これ、・・・お前の分な」
―残りは、強欲な義姉の分であった・・・。
傍から見ていた若い看守は床に転がって芋虫のようになっている。笑いすぎて呼吸困難の様だ。
「ま、まあ一着あれば後は自分で・・・」
言って袋を開けると、、、
「?・・・サイズ、おかしくね?」
幼児・・・いや、黒いゴスロリの幼女服が摘み上げられた。
更に袋に手を突っ込むと中から
「た。。。”たぬきさんパンツ(SSR)”」
無駄に魔法の装備だった。・・・幼女アバター専用だが。
「ああ、それ、セールで安かったから」
「なんてこった・・・」
振り出しに戻ってしまった。
目の前の面々を信用した自分が馬鹿だったと後悔するも、他に頼れる者の無いソナタ。
正直、腹筋が5回ぐらい捻じ切れたであろう見ず知らずの看守にお願いするか真剣に考えていると、
扉が突如開いた。
「やあ、ソナタ・・・君?が困っていると聞いてきたよ」
―面会室の外から夕陽が後光の様にその人物を演出し、
「ああ、本当に男の子だったんだね。古着で申し訳ないけど、、、家から持ってきたんだけど。うん・・・サイズも丁度良さそうだ」
・・・進退窮まったソナタの前に救いの神ロイターが降臨したのであった・・・。
結局、ロイターの古着を借りて事なきを得たソナタはその日、娑婆に出るや鬱憤を晴らすかのように”男物の”服を次々買い漁った。
・・・のだが、
「あああああぁぁぁっ!」
翌日、ソナタの部屋からまた、幼女の雄叫びが響き渡る事になろうとは、その時の彼には思いもよらないのであった。
結局、ソナタは義姉の購入したセールのゴスロリ服を着る羽目になったようです・・・。




