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初めての監・獄☆彡

投獄DT卒業のソナタさん・・・(汗)

・・・ガシャンッ!


牢が閉じられる。

行政機構も兼ねる神殿の地下3階に有る牢獄。


その中でソナタは先ほどよりもちょっとだけマシな縞々のオシャレ服を着て、体育座りをしていた。


というか。囚人服であった。


(うう!まさか囚人服を着て嬉しいと思う日が来るなんて・・・)


異世界に来てから初めて袖を通した男物の服に、ソナタは思わず感激して看守に泣きつき大層気味悪がられたのだが。


割と軽微な、酔っ払い等が収監される独房。ソナタはあの姿で前後不覚となった後に酔っ払いが紛れ込んだものとして処理されたのだった。(ライラが「ソナタちゃんの危機」を訴えたが、そこはスルーされてしまった様だ)


正直、脱獄しようと思えばできるのだが、、、。

それをすると余計にややこしくなるし黒歴史と化した先ほどの1コマを忘却するためにも一人になりたかったソナタは、そのまま大人しく投獄されていた。



ちなみに、服も武器も一時没収。


(あの武器だけは・・・ちょっと、惜しかったかなぁ・・・)


LEの武器。まあ若干アレな感じだが、神竜王をも退けるその威力は魅力的ではあった。


「はあ・・・」

溜息と共に体育座りのまま前を見やると、中年の看守がやる気が無さそうに居眠りして船を漕いでいた。口の端からよだれが垂れている。


「・・・、はあ・・・」


ジメジメとした陰気な空気が醸し出す残念臭に再びため息をつく。


するとそれを合図にした様に上の方から堅い音が聞こえ、次第に大きくなるのに気が付いた。


(・・・交代か?)


あまり大きな音ではなかったが、その音に


・・・ガタンッ!


中年の看守が飛び起きて涎を袖口でこすり、居住まいを直すと突如いかつい表情を作って警棒をパシパシと弄び始め、「俺、ずっと囚人にプレッシャーかけていましたよ~」という雰囲気を醸し出し始めた。


あまりに良すぎる手際に平素の彼の勤務態度が伺いしれるが、そんな事よりもソナタは別の事が気になり始めていた。


―内圧。


「スペルm(以下略)」ではステータスで自身のレベルを閲覧する事ができるが、実は他人のレベルはわからない仕様となっている。その分、自分より強いか弱いか、どの程度の力量差かを大ざっぱに認識できる情報として「内圧」という概念があった。具体的にはプレイヤーのプロフィールページに行くと名前の色が赤~青のいずれかで表示され、その力量差に応じ画面にエフェクトで表現されるのだ。

例えば、レベル100未満の初心者がソナタのプロフィールを見ると名前は真っ赤で表示され、画面中に稲妻が走るエフェクトが表示される。


ソナタの視界に細い一本の雷光の筋が走った。


―それは同格レベル以上(±100レベル以上)の相手に対して生じるエフェクト


弛緩した空気が、一気に緊張する。


まず、階段の端から一目で男性物と分かる、しかしヒールのついたブーツが見えた。

次にカモシカの様にしなやかな脚。

バランスの良い細めの頸から顎への稜線。その上に、


―神の造形と形容するが相応しい美少年の顔。


ルビーが埋め込まれた様なピジョンブラッドのあかが、一瞬だけソナタを捉えた。


どくん・・・っ、とソナタの心臓が一つ大きく跳ねる。


「・・・交代、か」

先ほどまで爆睡していたとは思えない中年看守がニヒルな雰囲気を醸し問う。


「ええ、長時間、お疲れ様です」

対する美少年は華のある貌で会釈を一つ。


受けた中年看守が上階へと立ち去ると、

少年は中年看守の座っていた席に、入れ替わって座る。


そのやり取りを見て、目の前の少年が只者ではないのは間違いないがどうやら危害を及ぼす者ではなさそうだと思い直したソナタは再び独房の粗末なベッドに戻り、体育座りの姿勢に戻った。


・・・と。

少年が持ってきた肩掛け鞄から一本のナイフと、数冊の本を取り出し、

その中の一冊を繰り始める。


「・・・・っ!」

それを見て、ソナタは慄いた。


それは体格の良い全裸の兄貴達が・・・以下略、の本であった。


数ページ。

まるでファッション誌をめくる様な優雅さで、しかしながら時に悩まし気な溜息をつきながらその本を繰り進めていた少年の手が、突如止まる。


「・・・ねえ」


脳髄に直接響く様な甘美さを伴った声。

凛として変声期を迎えていないであろう、しかし、確かに少年を感じさせる声。


「ねえ、キミってさ」


「キミ」と呼ばれうる者は両隣が空の地下三階の房で一人、ソナタしかいない。


「・・・性、犯罪者なんだって?」


つらり・・・と。

その紅いルビーの目が横に流されソナタを捉えた。


・・・ビクリッ!


ソナタは蛇に睨まれた蛙の如く、動けない。


「知ってる?ここホーケンにおいて・・・性犯罪者は・・・」


机に置いたナイフを白魚の様な指でつまみ上げ、



・・・ドンッ!



落とすと、またソナタがビクリッと反応してしまう。



「チョン切られる・・・、なんて、・・・事もあるらしいよ?」



冷水の如き寒気と背徳的な甘さ。それを同時に浴びせ掛けられ、脳幹が痺れた様な感覚がソナタを見舞う。


「ふふっ・・・」

ぞっとする様な妖艶なる笑み。女性に醸し出すことの出来ない少年のみが持つ絶妙なバランス。それらが織りなすイノセントな美が、ソナタの目に凝視する事を強制する。



少年が立ち上がる。



「僕はその方が・・・好いのだけれど・・・」



・・・かつん、かつん。



牢の前に歩み寄る靴音。


・・・ギィ。


錠前が開き、


身動きの取れないソナタの首筋を細長い指が3本這ってその顎を持ち上げる。


―紅い目によって真正面から捉えられる。


と。


「・・・残念、時間切れの様だ」


掠れるような声。困った様なはにかむ表情。


そして、


―突如、その姿が煙の様に掻き消えた。



後に残された甘い麝香の香りの中でへたり込むソナタ。

その耳に、騒がしい義理の姉と女騎士の声が聞こえたのは少し後の事であった。


あ、危うく違うDTも卒業しそうでしたが間一髪・・・w

フラグとかいろんなものを立てまくったはいいものの・・・果たして回収できるんでしょうか(*´Д`)

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