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ポコチーニ★902という漢☆彡

ずっと言葉だけ登場してきた謎の大魔術師。

彼の真相が今明らかに・・・

ポコチーニ★902という偉大なる魔術師がいた。


彼は運営の思惑を超えて、廃課金と廃人プレイで早々と頂点に君臨するやいなや、

趣味プレイヤーとして一線の戦いから引退。


高額な魔術を大枚はたいて購入してはいかがわしい呪言スペルに汚染して

皆にばら撒く事を趣味として活動していた。


金払いが良い為追い出すことも出来ず、運営にとって頭の痛い存在。


それが、


「ライラさんとロイターさんは、はじめまして!だね。僕の名前は”ポコチーニ★902”。ちなみに902の意味はク…」

「わーっ!わーっ!ポコチーニ氏!それ以上は以下略ですよ!以下略っ!」


目の前の美青年の不適切な言動を一生懸命封じる幼女。


そう。召喚されたメンバーの中にいた唯一のイケメン。

彼こそが問題児、ポコチーニ★902であった。


「じゃあ、お前のあだ名はポコチンな」


エリザベートが吐く安定の毒に、


「恐悦至極」


イケメン顔で応じているが。

何てあだ名をつけられたのか、分かっているのだろうか?

いや、分かっていて喜んでいるのだろう。


その証拠にちょっと顔が紅潮している。


・・・ぶっちぎりの変態であった。



ギルド結成の翌日、朝から街で神竜にかかわる情報収集と物資調達を済ませたメンバーは

夜に再び集結して対策会議を開いていた。


「という事で、彼が古代魔術の大半を冒涜…じゃなくて世に送り出した賢者、ポコチーニ氏です」

「ちょっと!」

「なんですか!」

「…902。902が重要なんだよ、ソナタ君」

「知るかヴォケ!それより、今回の神竜攻略の作戦を!対策を!さっさとしゃべらんか!一応、このギルドの参謀に立候補したんだろお前ぇ!?」

「ハッハッハ!」

「ハッハッハ!、じゃねぇよ!?」


「あー、粗チ●に任せてると日がもう一個沈んで当日になりそうだが、」

ここでエリザベートが割って入る。


…早くも扱いがポコチンから粗●ンに降格していた。


「今回、私は抜けさせてもらう。やっぱりこんな急造メンバーで神竜・・・いけるわけ無いわ」


両手で万歳と。


「他の連中も悪い事は・・・、なんだよ。やる気かよ。童貞小僧どもが」


「義姉さん!それは無いよ!」


「まあいいや。お前は異世界で無駄なヒーローごっこに酔って、無駄死にでもなんでもすればいいさ。でも・・・私はごめんだね」


そう言った瞬間、彼女と偶然か、一瞬ポコチーニ氏の視線が絡む。

・・・が、すぐに解けた。


「夜更かしは乙女の美容の大敵なんで。せいぜい後はキモオタ同士で仲良くッアー!でもしてろや」


・・・バタン、と。

エリザベートが去った後、部屋の空気が若干重くなる。


すると、空気の読めない男が突如笑い出した。


「ハッハッハ!レディは気を利かせて席をはずしてくれた様だね☆

・・・これで、ようやく!男子限定トークに花が咲かせられるねっ!」


「あの・・・」


その時、ぽつりと声が。


「・・・ん?」


・・・ライラ(♀)だった。


「あの・・・私も、いるんですけど・・・」


じと目のライラが答える。


「あ・・・、えー、そのー・・・」

珍しく気まずそうなポコチーニ氏。


「ポコチーニ氏・・・作戦は・・・」

ソナタも涙目で睨みつけながら催促する。


「・・・わ、わかったよ。そんな目で睨まないでくれたまえよ!

 じゃあ、気を取り直して。今回の作戦を説明するけど・・・」


説明が始まると、今までのグダグダ感は何だったのか、と。

システムをもっとも熟知していると噂される男の説明は目も耳も疑うほど流暢で。


今回の神竜の生息地と街で得た断片的な情報を組み合わせて想定される種類、レベル、特徴を詳細にボードに書き出し(ちなみに作戦ボードもこの男がオリジナル魔術で召喚した)、レイド魔術の選定、各人のパラメータを踏まえた最適なフォーメーション、物資の準備、途中地点への蓄積手順や想定外が発生した時のプラン(最悪の場合の脱出経路まで)等々を流れるように説明し始めた。


聞くにつけ、誰しもが思う。

(ああ、イケメンで、金もあって、頭も切れて・・・これで、変態でさえなければなぁコイツ・・・勿体ない!)


彼を評してこれ以外の感想は、まず、出てこない。

それが偉大なる魔術師、ポコチーニ★902という、漢。


かくして夜は更けていくのだった。

はい。

明らかにも何も、・・・ただの変態でしたね。

それにしても結成直後にまさかのエリザベート離反。神竜討伐はどうなっちゃうんでしょうか?(*´Д`)

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