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魔女と契約







ごぽぉ・・・・





フッと、宙に浮いたような感覚の中、目が覚めた






・・・・・・ここは・・・?






そんな奇妙なことに疑問を持っていたら





艶めかしい声が響いた





「あらぁ?めずらしいことぉ・・・・こぉんな所に人間が来るなんてぇ・・・」





「だれ?」





その人を見てみると





「魔女?」






うわ、ナイスバディで顔美人、言うとこ無しだ・・・






「そぉよぉ、よくわかったわねぇ」






そりゃ、わからないほうがおかしい





全身黒で統一されて、とんがり帽子を被って、色っぽいタイトなスカートに、マントとくれば






だれだって、魔女だと思う






・・・・・ただ、私は魔法など見たことがないので、コスプレにも見える







「本物よぉ・・・失礼ねっ」







ちょっと信じる気になった






だって、今私、声に出して何も言ってなかったもの






「まぁ、物分りの良いお嬢さんだこと」






うんうん、そうだろう、そうだろう、物分りの良いお嬢さんだろう・・・・






「お嬢さん?」




・・・・私、おばあさんだったよね?





「えぇ、お嬢さん」






あれ・・・・・?





手を見れば確かに10代の若々しい手だ





あれ、私・・・・年が・・・?





・・・・・・・・




あっ!!!




「私死んだわ!!!!」







口調も良く考えれば昔のように戻っている







「あらぁ?自覚はあったのねぇ?また珍しい・・・・」






自覚?たった今思い出したけど・・・・






てことは、ここは死後の世界?






「いいえぇ・・・ここは、     よぉ」






「・・・・・・・・・今なんて仰いました?」





確かに、今、口が動いて、音も出た、なのに





言った意味や、あいうの音かどうかも分からなかった







「あぁ~・・・たぶん、あなたには分からないと思うわぁ・・・・」





そうか・・・・とりあえず、魔女語ということにしておこう






「くすっ、本当に物分りの良いお嬢さんねぇ」





「はぁ、どうも」






「それに、私に媚びない」






「?媚びて得することでもあるんですか?」





「そうねぇ・・・媚びて得することはないけれど、私に気に入られると、いいことがあるわぁ・・・」






「へぇ~、・・・すごいんですねぇ・・・」





私には何のことだかサッパリプーだ





「あらぁ・・・、フフ・・・気に入ったわ・・・」






マジ?なにがどうしてそうなった






「だ・か・ら、そういうところぉ~」








「はぁ、ありがとうございます・・・?」






「そんなあなたに、願いを一つだけ叶えてあげましょう」






「うそ!?!?」





「本当」





そんな都合よく願いが叶うはずがないの







母の口癖だった・・・・








「・・・・・だ、代償は?」






「・・・・まぁああ・・・・本当に、物分りのいい、素敵なお嬢さん・・・・」





・・・・素敵な、がついた




と言うことは






「代償が大きいのならいいです・・・」





あまりに大きすぎては叶えて貰っても意味がない






「フフッ、安心してぇ、一番代償を小さくしてあげるわぁ」






・・・・寿命10年か・・・?






「それが良いのぉ?」






「いやです」






「フフッ、でも、代償の前に、願いを聞かないとぉ」







願い・・・・私の願い・・・・







「来世でも、あの人の傍にいたい」







「・・・・フフッ、いいわぁ」







「本当!?!?」






「えぇ、・・・それじゃあ、代償を言うわね・・・・」






ごくり






「選びなさい、どちらかを」








           10年の寿命か、あの人に、10年会えないか







「・・・・・・・・」







「あら、怒らないの?」








「いいえ、・・・怒りません」






「・・・・・なんで、泣いてるのかしらぁ・・・?」







「確かに、・・・・・代償は、私にとって、・・・やっぱり苦にしかならないけれど」






「・・・・・・」






「でも、あなたが、優しいから・・・・」






「・・・・・・・・」






「本当は、もっと、辛いことを想像してたの」






あの人のいない時で、一生を過ごせ、とかよりも、全然ましでしょう・・・?






「ありがとう、魔女さん」








「・・・・どういたしまして・・・、で?あなたはどちらを選ぶの?」







「・・・・私は、10年会えない方を選ぶわ」






「そう・・・では、そちらにしましょう」





「えぇ、お願いします」






「・・・・・・・理由を、聞いても良いかしら?」











「・・・・あの人に、確かに、会えなくて、絶対、辛い・・・けど、もう片方を選べば




 きっと、怒られてしまうだろうから・・・・」








「・・・・・ずいぶん、素敵な方なのねぇ・・・」





「はい!自慢の夫です・・・!!」







「・・・・うらやましいわぁ・・・・」







「え・・・・?」






「フフッ、でわ、そろそろ、眠る時間よ・・・・」






「ふ・・・ぇ・・・・」





急に眠気が襲ってくる・・・・・






「おやすみなさい・・・・」







はい、おやすみなさい・・・・











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