前世の記憶
私には前世の記憶がある
夢の中で幸せそうに笑ってる
長い、黒髪と黒い瞳を持った女の子
あぁ、これは私なのだと
これは、前世の記憶だと
どこか、懐かしさが漂うそれに
私はしだいに惹かれていった
その中でも、特に惹かれたのが、いつも前世の私が会いに行ってる
黄金色の髪と目を持った、スラリとした細身の男の子
とても、とても、愛しい気持ちが溢れてくる
草原で、花冠や指輪を作って
子供らしい、未来永劫、あなただけを愛すると言う、誓いをたてた
いつかわ壊れてしまうんだろうな、と
せめて、ひと時だけ・・・と、結んだ約束は年を幾つ重ねていっても
守られていた
そして、最後まで、一緒にいさせてくれた
私が先に約束を破ってしまった
先に、私に寿命が来てしまったのだ
あぁ、先でよかった、なんて、思いながら
とても、嬉しくて、・・・寂しい・・・・
あなたは、最後まで、涙を流しながら、笑顔で見送ってくれた
私は、そんなあなたに言った
「来世でも、私は、あなたの傍にいたい」
あなたは、
「あぁ、君が私の傍から離れることは許さない、だから」
―――――――来世で待っていなさい
・・・・はい・・・・お待ちしております・・・・・・・・
そこで、私の命の砂は落ちきった