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うちのお嬢様が今日も可愛い!侍女レナの推し活記録【2000文字】

作者: 有梨束
掲載日:2026/03/11

下級貴族の三女に生まれた私は、学校で良い成績をおさめたことで、上級貴族の家の侍女の推薦をもらった。


結婚相手も見つからなかったし、ちょうどいいとその話を有難く受けた。


お姉さまたちは、働くなんてと馬鹿にしていたけど、その実情は天国だった。



「レナ!今日はピンクのドレスにしようと思うの、可愛くしてくれる…?」


私のお仕えするステファニーお嬢様(8歳)が、今日も大変可愛らしいからである!


「もちろんにございますよ、お嬢様。何をなさらなくてもこんなに可愛いお嬢様が、素敵なドレスを身に纏ったら可愛い以外ありえませんよ!」

「ふふっ、レナはいつも褒めてくれるね」

「お嬢様が素敵にいらっしゃるからでございます」

「レナが褒めてばかりいたら、私我儘になっちゃわないかしら…?」

「そんなふうに自制できるお嬢様の我儘なぞ、可愛いだけでございますよ」


見てよ、この地上に舞い降りし天使を…!!!

あまりの可愛さに、天界がこの地に遣わしてくれたとしか思えない!


大きいつぶらな瞳に、すべすべの白い肌。

サラサラなピンクブロンズの髪が、お嬢様のキュートさをさらに引き立てている。


そして、8歳とは思えない謙虚さと、作法の完璧さ。

上級貴族とは、幼い頃から何もかも違うのねと驚いたものだ。


…こう言ってはなんだが、お姉様たちが玉の輿を狙っても下級貴族に嫁ぐのが関の山だったのがよくわかる。

教育、環境、場慣れ、あまりに違いすぎるし、成績がいいだけでよくぞ学校側は私を送り込んでくれたなと思う。


だって、8歳でこれなのよ!?

将来、どうなってしまうの??

今でも素晴らしいのに、胡座をかくどころか、毎日勉強にお作法に真剣に取り組んでいる。

泣き言も言わなければ、お家にふさわしいレディーになりたいのと、微笑んで頬を染めている。


このままいくとしたら、女神にでもなるおつもりかしら、なんて慈悲深いお嬢様…!


手際よくお嬢様の身支度を整えて、鏡越しに笑顔を見せる。


「お嬢様、できました。いかがですか?」

「髪型、この前読んだお話のお姫様みたい…」

「ええ、お嬢様が教えてくださったので再現してみました」

「すごい…!すごいわ、レナ!ありがとう!」

今日も天使は、一介の侍女にお礼まで言ってくれる。


あああ、ステファニーお嬢様万歳!!!


「レナ…、私変じゃないかしら?」

「今日も今日とて、花の精のごとく可憐で愛らしゅうございます。どこも変ではありませんよ」

「ほ、ほんとう?」

「はい。お選びになったラベンダー色のドレスがお嬢様によくお似合いです。きっと相手の方もそう思うに違いありませんよ?」

「うん…」


お嬢様は鏡を何度も見て、落ち着かない様子。

珍しく年相応にそわそわしていて、それがまたふわふわして見えて、いつもとは違う可愛さを放っている。


今日は、お嬢様が婚約者の方とはじめて会う日なのだ。


それで朝からお嬢様はこの調子で、もはや年相応なところを見れて眼福である…、ありがとう神様。


「今日もお嬢様は素敵ですし、いつだって完璧です。ステファニーお嬢様らしくお過ごしになっていれば、今日だって大丈夫ですよ」

「相手の人、いい人だといいな…」

そう言って、困ったように笑った。


私は「お嬢様、失礼いたします」と言って、その小さな手を握った。


「何があっても私はお嬢様の味方ですから」

「…ふふふ、じゃあ終わったらお話、聞いてね?」

「もちろんです!」

しっかり頷くと、花が咲いたように笑ってくれた。



「レ、レナ!どうしましょう!」

婚約者との顔合わせを終えて、頬をピンクに染めてお嬢様は帰ってきた。

両手で隠すようにしていて、なんとも愛らしい。


「婚約者の方は、いかがでしたか?」

「…年下の私にも優しくて、レナみたいにたくさん私のお話を聞いてくれたの。とてもいい方だったわ」


部屋中の、いや外の廊下にいる使用人まで、ニマニマするのをなんとか堪えてほっこりしていることだろう。


お嬢様、そのお顔は恋に落ちちゃっています!

可愛いかよ!!!!!


あと『レナみたいに』と言ってくださったわよ!

もっとしっかり耳をかっぽじって聞いておくんだったわ!!

あとで日記にも記録しなくてはっ!


今日はお嬢様の初恋&『レナみたい』記念日にしよう…!

そして、夜になったら他の侍女たちと祝杯をあげよう!!!


「ステファニーお嬢様にぴったりの素敵な方のようですね」

「うん、素敵な方だったわ…!」

「それはそれは、ようございました」

「…私、あの方にふさわしい婚約者になりたいわ!レナ、これからも私が素敵なレディーになれるように手伝ってくれる?」

「もちろんにございます!レナはお嬢様のためならなんでもできるのですよ!」

「えへへ、ありがとうレナ」


うううっ、ありがとうはこちらのセリフですううう!!!!!!

そんなこと言っていただけるなんて、侍女冥利に尽きます!


今のお言葉、家宝にしよう…。


ああ、家中の使用人が悶えているわ。



はあ〜!今日も私のお嬢様がかわいい!!!





お読みくださりありがとうございます!  毎日投稿70日目。

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