001 淫じゅ……いやいや、神獣目覚める 1
10年振りの、新作執筆開始です!(^^)/
4作品併行連載とか、正気の沙汰では……。
……まあ、何とか、なるなる!!(^^)/
今夜、6話一挙掲載。
その後、今週は金曜まで毎日更新で、書き溜め分を全放出。
来週以降は、毎週金曜の午前零時に更新予定です。
あ、年末年始はお休みします。(^^ゞ
では、今週の『神獣祭り』、お楽しみください。
……今夜はみんなで、パーリナイッ!!(^^)/
「……ここは……、どこだ……?」
ぼんやりと目覚めると、そこは洞窟であった。
地面は岩、壁も岩、天井も岩。うん、洞窟の中の洞窟、ザ・洞窟、だ。
……それはいい。
問題は、ここがどこかということと、そして、なぜ俺がこんなところにいるのかということだ。
確か、俺は……。
ぐるるるるるる……
不気味な唸り声が聞こえ、反射的に声が聞こえた方向である上方を向くと、目に映ったのは全長十メートル以上はあろうかという巨大な犬……、いや、狼?
そして、ぐわっと牙を剥いたその白い狼が喋った。
……そう、『喋った』のだ!
『サァ、食事ノ時間ダ……』
……終わった……。
* *
ちゅうちゅう
ちゅうちゅうちゅう……
……そして俺は今、おっぱいを吸っている。
そう、あの後、白い狼が俺の前に寝そべったかと思うと、俺の方に乳房を突き出したのだ。
『サァ、吸エ!』とか言って……。
雌かよ!
そして、『食事の時間』って、俺のかよっっ!!
いったい、どうなっている?
どうして俺は、こんなところに?
……いや、それよりも重要な疑問がある。
俺は、どうして『ふわふわのもこもこ』、つまり生まれたての仔犬……じゃないか。多分、仔狼……になって、母狼のおっぱいを吸っているのか……。
……思い出せ、思い出せ、思い出せ……。
確か、日曜だから近所のスーパーに買い物に行って、帰りに……、ああ。
クルマに跳ね飛ばされて、……死んだな、多分……。
28歳で、両親より先に死ぬとか、どんな親不孝だよ……。
まぁ、兄と妹がいるから、父さんと母さんのことは、あまり心配はないか。
急に俺が抜けたら、会社の同僚達に迷惑をかけちゃっただろうなぁ……。
……でも、後悔はしていない。
可愛い幼女を助けるために死んだなら、本望だ。
いや、可愛くなければ助けなかったというわけじゃない。本当だ!
まぁ、とにかくそういうわけで、俺はクルマに跳ね飛ばされた。それはもう、盛大に。
多分、居眠り運転か何かで、全くのノーブレーキだったと思う。
そして、まぁ、転生だろうなぁ、コレ……。
他に、俺が仔狼になっている理由が思い付かない。
あ、母狼が十メートル以上の巨体に見えたのは、俺がメチャクチャちびっこかったせいだった。
……それでも、普通の狼とは桁違いに大きかったけどね、母狼……。
そして勿論、ここは地球じゃなさそうだ。
うん、知ってた……。
* *
あれから、数カ月……。
狼はカレンダーなんか使わないから、正確な日数は分からない。
緒形拳……じゃない、大型犬は、生後6カ月で、人間の年齢に換算すると9歳くらいに相当するらしい。
今、それくらいかなぁ……。
とにかく、月日が経って、俺はねぐらの洞窟から出て、あちこち遊び回るようになった。
母狼は過保護で、すぐに連れ戻されるけどね。
狼なのに、兄弟姉妹はおらず、仔は俺一匹だけだ。
前の子供は既に独立しているとしても、普通、一度に5~6匹くらいは産むものじゃないのか?
一度に一匹しか産まないなんて、子供の死亡率がかなり低い、強い生物でないと……、って、すごく強そうだったわ、俺の母親……。
狼じゃなくて、フェンリル、っていう動物らしい。母親の自称だけどね。
普通の仔犬の成長速度に較べて、俺、何だかちっちゃいような気がするんだよなぁ……。
母親があのサイズだよ? もっと早く成長してもいいんじゃないか?
……あ。
もしかして、寿命が長いのか?
地球の物語に出てくるエルフみたいに、寿命が800年くらいあって、50歳くらいでもまだ子供に見えるとか……。
……いや。
いやいやいやいや!!
きっと、気のせいだ。
まあ、そういうわけで、まだ可愛い仔犬のままの俺は、町の中を散歩しているわけだけど……。
あ! 戦乙女の候補生の候補生……、つまり、まだひよっこの、『幼年組』と呼ばれている幼女達……の編隊が飛んでいる。今日の訓練が終わって、宿舎に帰ってきたな。
そういえば、俺も身体が少し汚れてきているな。
……よし、お風呂に入るか!
* *
「洗って~!」
訓練が終わったら、お風呂に入る。
それは、ここでも変わらない。
なので、幼年組の者達が訓練から戻ったタイミングでお風呂に行くと、洗ってもらえるのだ。
……可愛いもふもふの特権だ!
いや、濡れると毛がベッタリと張り付いて、みっともない姿になっちゃうのだけどね。
まあ、それはともかく……。
「いいよ~! ほら、おいで!」
と、いつも快く頼みを聞いて、洗ってくれるのだ。
……いや、幼年組は、外見年齢は5~6歳から10歳くらいまでだ。そんなのの裸を見ても、何とも思わない。
そもそも、こっちは生後半年くらいの仔犬……仔狼だぞ。種族が違うよ、種族が……。
幼女のベッドに潜り込んで一緒に寝たり、女風呂に入ったりするフェレット?
女性の下着を集めるオコジョ?
あんな淫獣と一緒にするな!
洗い場で、数人に一度にわしゃわしゃと洗われる。
そして、洗い終わると……。
「いくよ~! そ~れ!」
空中に放り上げられて……。
ばっしゃ~ん!!
広い浴槽の中央付近に落下した。
うん、ここ、日本の銭湯みたいに、広い浴槽があるんだよ。
……そして、幼女達と言葉が通じる。
幼女だけでなく、大人とも、そして他の種族とも……。
勿論、幼女といっても、普通の人間じゃない。
まあ、『戦乙女の候補生の候補生』とか、『編隊が飛んでいる』という時点で、丸分かりだけどね。
……そう、ここは天界……というか、地球の人間から見ればそう思えるであろう世界だけど、おそらく無数に存在する並行世界のうちのひとつなのだろう。
地球の神話に似ている世界だけど、俺のように、この世界の者が地球に転生して神話の物語を書いたのか、それとも情報のみが世界の壁を越えて、誰かの頭に夢のような形で伝わったのか……。
「フェン、あんまり成長しないよねぇ……」
俺が着水した場所の近くにいた子が、俺を抱き上げながらそんなことを言ってきた。
「うるさいわっ! お前達には言われたくないよっ!」
そうなのだ。コイツらも、なかなか成長しないのだ。
何でも、神格が上がらないと大きくなれないとかで、見た目通りの年齢じゃないらしい。
……でも、ずっとこの外見だから、精神年齢としては見たままらしいので、問題ない。
俺はコイツらには『フェン』と呼ばれているけれど、別にそれが俺の本名だというわけじゃない。
ただ、『フェンリルの仔』と呼ばれていたのが縮まって『フェン仔』になり、それが更に縮まって『フェン』になっただけだ。
本名は、……ない。
仔が俺一匹しかいないからか、それとも狼……フェンリルはそういうものなのか、母親が名前を付けてくれていないんだよ……。
愛情たっぷりに、過保護なまでに慎重に育ててくれているのになぁ……。
とにかく、まぁ、そういうわけで、俺はフェンリルの仔として、この『何かの本で読んだことがあるような気がする世界』で、のんびりと第二の人生……犬生……狼生……、いやいや、『フェンリル生』、略称『フェン生』を過ごすことになったのである。
他の種族と言葉が通じる……実際には、『言葉』ではなく、精神感応みたいなものらしいけど……、この世界で……。
……なんて素敵なんだ……。
また、いつ書籍化の打診が来るか、いつコミカライズのオファーが来るかと、ワクワクドキドキする日々を過ごすことができるなんて……。(^^ゞ




