40話 またもや
咲夜と瑠璃は北に向けて走行していたのだが今までよりも車体が大きく馬力もあるからクルージングが楽だった。
「運転どうですか?」
「楽ですよ、ただ町の中では車体が大きいから運転が大変ですけどね」
「確かに運転は大変そうですよね」
「まあ、高速に乗ってしまえば楽なんで問題ないんですけどね」
「牽引とか楽になりますかね?」
「うーん、持っていく時に馬力がある方が便利なんですけどサイズが」
「そこですか」
「ええ、もうすぐ着きますよ」
「はい」
格納庫まで後もう少しのところまで来ていた。最近は、エンジンのテストの時に来ていたので懐かしさは感じなかったが瑠璃は来る途中ずっと外を見て風景を楽しんでいた。確かに前回高速を使った時は夜だったので外が見えていなかったら楽しさが勝っていたようだった。
咲夜が、ゲートに近づくと警備員であるNPCに止められたが咲夜だと認識するとゲートポールが下に下げられて中に入ることができた。
「こんなところに借りてるんですね」
「ええ、ここはプレイヤーが来るには車がいるんで来れる人は限られますね」
「そうですね。いま、簡単に来ることができるのは咲夜さんと知佳さんぐらいですよね」
「あと警官もは入りますね」
「でも、この19000番台は管轄じゃないから来ないと思いますよ」
「ここの警察にも管轄があったんですね」
「どうもそうみたいですよ」
瑠璃のこの情報は半分正解で半分不正解だった。現状警察車両を所有している警察は前島が署長の1000番台だけだったため、前島がと言うよりもリリアンが気を使って他の管轄エリアに自身の署の警官が運転をする条件で貸し出していた。その為このエリアでも咲夜が作った警察車両が走行していた。
咲夜は、旧空港内を走行して知佳が借りている格納庫の裏に車を止めた。ここには正面の入り口にある航空機用のゲートとはことなり本拠地にもあるぐらいも扉が付いているので咲夜と知佳はここに来るときにはこの入り口を使っていた。咲夜が開けるために電子端末を取り出すと先にゲートが開いた。徒然開けたのは知佳でゲートが段々開いてくるとその隙間から知佳が見えた。咲夜は、完全にゲートが開くと車をそのまま進めて格納庫内に入れた。
「もう来たんだ」
「お前が、来いって瑠璃さんに行ったんだろ」
「言ったけどこんなに早く来るとは思ってなかったんだもん」
一方で瑠璃は格納庫の大きさに驚いていた。それも、当然で咲夜も初めに見た時は驚きはしたが何度かきてはいるので驚かない上この格納庫がもともと何に使っていたのかを知っているのもあり驚かなくなった。
「瑠璃さん大丈夫ですか?」
「あ、はい、大丈夫です」
「どうかしましたか?」
「いえ、この格納庫の大きさに驚いてまして」
「確かに、大きいですけど現状何も使ってないですけどね」
「そうなんですね、何時かはここに拠点を移すんですか?」
「どうなんでしょう。大きな何かを作ることになったらここになるかのかもしれませんね」
「そうなんですね」
「それで、知佳は何でここに瑠璃さん呼んだの?」
「そうだった。この格納庫の改装をお願いしたくって」
「ここのですか?」
「そう、ここの」
「この、広さをですか?」
「あ、そうじゃなくて、上の階の」
瑠璃は一瞬驚いてしまった。格納庫内を改装しようと思うと結構な金額が掛かる上に時間もかかるので瑠璃としては正直、驚きよりもめんどくささが一瞬勝っていた。
「上の階に居住できそうなスペースがあるから、そこで作業できるようにしたくって」
「そう言うことですか。それなら、出来ないことも無いですけど資材ここまで持ってくるのが大変ではありますね」
「確かに、でもの咲夜がやってくれる」
「俺、任せかよ知佳も運転できるんだから手伝え」
「牽引の免許持ってない」
「なら、取ってくれ」
「面倒」
「おい」
「まあ、まあ、今すぐに始めても良いですけど流石に材料も機械もないんで長期休みになってから初めても良いですか?」
「良いよ。そこは、今すぐに始めたいわけじゃないし」
「わかりました。次の長期休みではじめれるように準備したいので部屋の中探検してきても良いですか?」
「うん」
知佳が、返事を返すと瑠璃は上に繋がる階段を見つけると上に上がって行ったのだが二人は、それを見ているだけで付いてはいかなかった。咲夜は、知佳がなぜここに瑠璃を呼んだのは次いででしかなく本当に読んだ目的は咲夜自身であることに気が付いていた。
ーーー
知佳と咲夜は外に出ていた。知佳が借りている格納庫のすぐ裏には道があり反対側には自宅兼店舗らしき物件や住宅など様々な家が並んでいた。
「それで、ここに呼んだ理由は」
「気が付いていたんだ」
「なんとなくな」
「そう、飛行機の何とかなりそう」
「なりそうとは」
知佳は、反対側を指さしてた。
「あの、家がどうした?」
「そこじゃない」
「どういうことだ」
「湖」
知佳にそう言われてすぐに咲夜は、知佳が何を言いたいのかが分かった。始めは、陸上機で何とかしようと考えていたのだが滑走路の関係で諦めていた。また、水上機が出た際も格納庫側に水上機が着陸する場所が無いという理由で却下されていた。因みに大型機で両方いける航空機はあることは二人とも知ってはいたのだが構造が複雑になると現状は必要ないという理由で今回は無しにと言うことになっていた。その中で、今回知佳が言った湖は水上機でも問題となっていた離着陸が解決されることになった。
「湖か、あることは知っていたが忘れて居たな」
「私も忘れてた」
「でも、離着陸していいのか?」
「タワーで確認してきたけど問題なかった」
そう言って、瑠璃がいつの間にか買っていたタブレットを見せて来た。そこには離着陸が可能な場所が書かれており、そこには本拠点近くの用水路とこの湖が可能エリアと表記されていた。ほかにもいくつかのポイントも書かれていてその数はパッと数えただけで20か所ほどあった。
「確かに、できそうだな」
「でしょ」
「でも、どこに止めるんだ」
「ちょっと行った先に湖から繋がる用水路が合ってそこからスロープで陸揚げできるみたい」
「なるほど、そうやってここに持ってくるわけか」
「そう、見て来たけど、結構な距離がある」
「そうなると、個々にも車を置いといた方が良いな」
「それか近くに移すか」
「どっちが、良い?」
「どっちでもいいけど、近い方が便利じゃない」
「内見しに行くか?」
「行く」
2人は、一旦瑠璃に声を掛けると瑠璃も一緒に行くといったので知佳が言っていた格納庫の内見をしに行ったのだが大きさは変わらず同じものが立っており確かに近くに拠点と同じようなスロープが付いていた。その後3人で話し合った結果近くの格納庫に移すことになった。




