28話 悪い顔
あの後は、昨日と同じように知佳の家に行ったのだが一旦何もない食料を買いにスーパーによってから向かった。知佳は、買い物はめんどくさいと言って買い物に必要な金額だけ昨夜に渡して先に部屋に戻って行った。
「お邪魔します」
昨夜は恐らく返答はないだろうと考えておりその予想どうりの結果ではあった。昨夜は冷蔵庫に買ってきた食品を冷蔵庫に詰めていたすると知佳が部屋から出て来た。
「でどうだったんだ」
「どうもこうも本島からのスタートだけど」
「どうやってやったんだ」
「うん?」
「どうやて抽選したのかと思ってな」
「実力」
「そうですか」
実際、知佳が本島スタートになったのはたまたま抽選が当たっただけだった。
「それで、今はどこにいるんだ」
「タワーのところでルーレット回して終わった」
「そうなると迎えいるか?」
「欲しい」
「後、家どうするんだ」
「うーん、咲夜の家はいっぱいなんでしょ」
「ああ、そもそも一緒に使ってる人に相談してない」
「そうなると、別に家が欲しいし自由に出来る方が楽」
「了解、俺の荷物届いてる?」
「分かんない」
「確認してくる」
昨夜は、今朝も着た場所に行くとコンテナは届いておりコンテナは充電されていた。この充電はコンテナが自走するために必要な電気を補給するために多くの宅配場所にはコンテナが回収されるまで充電される仕組みになっていた。因みに貸し出しコンテナは1時間ごとに料金が発生している。
ヘッドギアを取り出してコンテナは、リビングに置いてパソコンが置いてある部屋に集まることにした。この部屋には、パソコンが3台ありその内1台は咲夜の家のバックアップを行っている機体なのでこの機体にヘッドギアを繋ぐことで問題なく自宅と同じようにゲームをすることが出来る。
「一旦ログインして正常化か確認してくる」
「うん、確認してきて」
昨夜は、普段はベットでログインしているのだがこの部屋にはないのでソファーでログインした。ログイン自体は問題なく行うことが出来たのですぐにログアウトして大丈夫なことを伝えると反対側のソファーで同じようにログインする準備をしていた知佳もログインした。
ーーー
1日ぶりにログインしただけだったのだがリビングのデザインが変化して居たりと若干の変更点があった。時間的に部活中のひかりがログインしていないことはわかっていたのだが同じように瑠璃もログインしていなかったのだがリビングの机の上に置き手紙があり内容は使った素材の量が書かれていた。咲夜は、1階に駐車している車に乗り込み知佳を迎えに行った。
街中の車は何時もの様に同じ形状で個性を感じることは出来なかった。実際に地域のよって車の形状が違うのだが架空の島であるこの島は、では長方形のバスの様な物ばかりで咲夜の車が逆に目立っていた。しかし、周囲にいるのはNPCばかりなので気にしていないのだが数人反応しているので反応した人物はプレイヤーだとわかる今しか出来な判別方法だった。問題なくタワーに着いた咲夜は正面玄関近くの路肩に止めたのだが知佳がどういった感じでアバターを作っているかわからなかったのだ困っていた。
「昨夜、来た」
「お、知佳か」
「うん」
知佳は、現実世界と同じような背丈と体形をしていた。しかし着ている服は、料金が掛かる服であることを考えると最初から咲夜に助けてもらうつもりでいたようだった。
「行くか」
「うん」
「あ、ちょっと待ってくれ買い物してくる」
「何を買うの」
「タオル」
「あータオルね確かここでしか売ってないんだっけ?」
「今のところな」
昨夜は、タワーでタオルを40枚ほど買ってから車まで戻ってきた。すると車で待っていた知佳の周囲に人だかりができていた。人混みが嫌いな昨夜ではあったのだがさすがに今持っているタオルを早く置きたかったので車に近寄って行くとそこで話されている会話が聞こえて来た。会話と言っても一方的に周囲の人物が話しかけているだけで知佳は無視をしていたのが咲夜が戻って来ていることに気が付いた知佳は咲夜の近くに駆け寄ってきた。
「どうしたんだ」
「面倒」
「ああそうだな」
知佳がこっちに来たことで昨夜が連れだということを認識した人は咲夜に話しかけて来た。
「おい、これお前の車か」
「ああ」
「これ、よこせ」
「いやです」
「あ、何を言っているんだ。俺によこせ」
「いやです」
昨夜は、この数秒でこの会話がめんどくさくなってきた。その人物は、この車が欲しいようであったのだが一切会話が出来なかった。また、周囲にいる人物は子分のようで咲夜に話しかけている男の後ろで待っていた。この話は、咲夜が居なくなった時から続いているようで若干知佳は疲れている理由が分かる物だった。そしてさっきから背後に隠れた知佳が何か電子端末を操作していた。
「おい、聞いているのか」
「ええ、聞いていますよ」
「なら、わかるだろ。車をよこせ」
「だから、嫌です」
この、押し問答が続いていたのだがその押し問答はあっけなく終わってしまった。
制服の様なものを着たプレイヤーが大人数で自転車に乗ってこっちに向って来ていた。そのことに気が付いた咲夜は、声を掛けようかと思ったのだがあまりにも一直線で来るところを考えればここに来ていることが分かったので黙っていた。近くに来たこともそのプレイヤーが着ている制服が日本で見る警察官と同じ服装だったので若干安心した。その内の一人の警官が必死咲夜に話しかけてきている男の肩を叩いた。
「なんだ、俺はこいつの車を」
咲夜に話しかけていたのに邪魔をされたのがイラついて後ろに振り返るとそこには制服を着た警官が居たのだからそれは驚くだろう同じように取り巻きのプレイヤーも警官に囲まれていた。
「なにか」
「いや、俺はこいつから車を」
「そう、しつこくやってやっていたんだろ」
「やってない」
「そうじゃなっから、自分たち来ないから」
警官のその一言はごもっともでしつこくやっていなかったか警官が来ることは無いのだからこうなっている時点で言い訳はできない状況ではあった。
「まあ、一旦何があったかは警察署で聞くから」
「そこまですることは無いだろ」
「来ている以上、話すしかないから」
「いや」
「行くよね」
そう言って警官は腰に付いていた警棒を叩いた。それを見た、男たちはあきらめて警官と一緒に付いて行った。それを眺めていると、残って居た警官の一人が先ほどの男たちと同じように警察署に来て星とのことで咲夜たちは警察署の場所を教えてもらい行くことになった。
ーーー
警察署での話自体はすぐに終わったのだがその後の方がめんどくさかった。しかし、国家機関の警察や軍隊はあるのでそれを管理運営している議会は、ありその議会から警察関連の資金が下りてきていると説明された。そして、今二人がいるのは、警察署の署長室だった。
「それで、何が言いたいのですか?」
「そうだな、濁さずに言えば君たちが乗っている車を譲ってくれないか」
「いやですけど」
「当然それ相応の金額は支払おう」
「いや、めんどくさいですし、電気自動車があるんじゃないですか」
「確かにありはするが」
実際、警察には電気自動車の車両が配備されていた。そして、その車は、NPCたちが乗っている車と同じで一応サイレンが天井に着いているだけの違いしかなかった。
「なら、何故必要なんですか?」
「今後、多くのプレイヤーが車を運転しだすだろう」
「ええ、すると思います」
「そうなってくると、我々も自身で自由に運転できる車が必要なんだ」
「運転できないのですか?」
「運転は出来る。出来るんだが速度が制限されているので自由度が低いんだ」
「そうなんですね」
「ああ、それでだ。今後自由に運転できるようになった時このままだと取り締まる方法が無いんだ」
「でも、電気自動車を作っているプレイヤーがいると思うのですが」
「ああ、実際うちも1台購入してはいる」
「それでいいのでは」
「問題があるんだ」
そう言って、警察署長と名乗った男は悔しそうにしていた。因みに知佳は、横で暇そうに座っていた。
「何が問題なんですか?」
「充電時間に対する走行可能距離だよ」
「そんな問題があるんですね。では」
昨夜もさすがに疲れて来たのでその場から離れようとしたのだが腕をつかまれてしまった。
「なんですか」
「お願いしているんだが」
「めんどくさいので嫌です」
「製作機で作るだけじゃないか」
「どうせ、こうして欲しいとか注文してくるんでしょ」
「うっ」
どうも図星であったあったようなのだがそれでも咲夜の腕を離してくれなかった。すると意外なところから助け船が出た。
「作ってあげたら」
「「えっ」」
「だから、作ってあげたら」
「知佳、それは」
「作ってあげないとログインするたびにこの人来るよ」
それのかの可能性が無いとは言えなかった。確かに今後のことを考えると警察としては早めに数を揃えたいことは分かるのだが咲夜からしてみればいい迷惑だった。すると所長がつかんでいる腕とは逆の腕が引っ張られた、当然引っ張ているのは、知佳で知佳は耳を貸せと言わんばかりに手招きをしていた。
流石にそれを見た署長も相談が必要と考えたのか腕を離してくれた。それを見た知佳と咲夜は、部屋の端で話をすることにした。
「売った方が今後のことを考えると楽」
「そうだけど」
「めんどくさいのは分かる」
「だろ」
「でも、あの車で利益が出ると今後の計画が楽になる」
「確かに」
「だから条件とか付けて売った方が良い」
「わかった」
知佳の言うことは正当で今後のことを考えると出来るだけ多くの資金がある方がよかった。そんな話がされているとは思っていない署長は心配そうにしていた。簡単な話し合いをしてから署長の方を向いた。
「署長さん」
「はい」
「売っても良いですよ」
「ありがとうございます」
「しかし、いくつかの条件が」
頭を下げた署長が咲夜の条件と聞いて顔を上げるとそこには悪い顔をした咲夜がいた。




