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リンク  作者: yuyu


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24話 カレー

 あの後は動画構成について話し合い気が付けば夕方になっていた。


「夕飯食べて帰る?」

「おまえ、どうせ食べて帰るって言っても配達のピザか冷凍食品だろ」

「咲夜が作る選択肢もある」

「ねーわ、そもそもこの家食材あるのか?」


咲夜が知佳を見ると先ほどまで目を合わせて話していたはずがそっぽを向いてしまいそれが、答えでもあった。


「ねえだろ、そうなると買いに行くしかないじゃないか」

「そうね」

「おまえなー、食事には気を遣えよ」

「大丈夫、毎朝ヨーグルトとトマト食べてるから」

「それを、大丈夫とは言わないんだ」

「でも健康診断でも問題なかったよ」


そう言うと、近くの棚から健康診断の結果の紙を取り出し見せて来た。そこには、身長からX線の結果まで書いてあるのだが当然体重も書かれていた。


「おい、見せられても何も思わないが体重、書いてあるぞ」


無頓着で何も興味がなさそうな知佳でもさすがに体重は恥ずかしかったのだろう、さっとその紙を抱きしめて昨夜から見えないようにした。


「見た?」

「見てない」

「みーたー?」

「見えた」

「エッチ」

「何がだよ」


知佳は何もなかったこのように紙を元あった場所にかたずけてしまった。

そして、結局咲夜は、知佳から罰として夕飯を作る羽目になった。


ーーー


夕食自体は簡単なカレーにすることにした。そしてこのマンションは県に中でももっと高いということもあり眺望もよく市内全体を見回すことが出来ていた。


「あいつの部屋、窓開ければ景色良いのに」


上層階は1フロアーに2~4部屋しかないため確実に角部屋であり知佳の部屋があるフロアーは3部屋しかない階で北側には駅がありその裏は山になっているため景色は良くないのだが南側は市内がある。そして時間的に日の入りの時間になっているため本来であれば非常に眩しいはずだが、自動的に光量を調整してくれるガラスのためまぶしくなく夕焼けを楽しめていた。一方で知佳はキッチンの対面のリビングのソファーで猫の様に丸くなって寝ていた。原因は確実で倍速で見たと言っていたが量が多かったので一睡もすることなく見た上に話し合っていたこともありさすがに限界だったのだろうマンションの下のスーパーで食材が無かったので買い物を済ませエレベーターに乗っているときには船をこいでいた。寝ている状況に近かったのだが何とか部屋に連れて帰るとソファーに直行して寝だしたのであった。


ーーー


あれから2時間ほど経ち周囲はすっかり暗くなっており既に夜と言った雰囲気が漂っていた。そしてカレーも出来上がっていた。


「もう少しで出来るだがあいつ起きるか?」


咲夜は、カレーは圧力鍋でしかりと時間を掛けて作るため時間が掛かるのだがさすがに朝食以来何も食べていないので昨夜も咲夜も限界だったので早く食べたかったのだがその食材を買うお金は知佳が出していたので食べるに食べれなかった。

すると匂いで起きたのかソファーの方で動く気配があった。


「うー、いい匂い」

「起きたか?」

「うーん、おきたー」

「顔洗って来たらどうだ」

「そうするー」


そう言って、咲夜が途中寒いかと思い掛けたブランケットを左手で引きづりながら洗面所に歩いて行った。咲夜は、知佳が起きて来たので器にカレーをよそい作っている間に用意しておいたサラダなどを一人で使うには大きすぎる食卓に置いて行った。準備し終わるタイミングを計ったかのように知佳が戻ってきた。


「おなかすいた」

「用意できてるぞ」

「食べよう」


咲夜は、何度もこの部屋で夕食を作っているので既に座る場所も決まっており知佳と向かい合わせになるような形で食事を始めた。


ーーー


食事も終わり、咲夜は食器も洗い終わり余ったカレーをタッパに入れるなどして知佳が電子レンジで温めるだけで食べれるようにしていた。


「咲夜は、今日は帰るの?」

「今日はって、一回も泊まったことないだろ」

「そうだけど、どうやって帰るの?」


そう言って知佳が指さしたテレビ画面には咲夜が来るときに使っていた路線の電車だけでなく電車全体が動いていないことが表示されていた。


「どうして、動いてないんだ」

「なんか、電車の変電所の事故で電気が来てないみたい」


実際そのようで、携帯を確認してみると速報で同じ内容が書かれていた。


「どうするの?」

「一旦、父さんに電話してみる」

「うん」


咲夜は、父である孝一に電話したのだが出てきたのは完全に酔っぱらっている孝一で何を言っているのか分からなったのだが途中で母に通話相手が変わった。どうも、既に二人は自宅に帰っているのだが珍しく二人そろって飲酒をしているそうで車を動かすことが出来ない状況だった。そして、電車自体が止まった時間が問題で退勤時間は過ぎてはいたのだが自宅に帰ろうとしていた社会人に加えて学生もいたようで公共機関はパンク状態でタクシーも台数が足りない状況だった。


「テレワークとか増えたんじゃないのか」

「増えたとはいっても普及率は50%ぐらいだから、それに学生ではほぼ0だから」

「確かにそうだけど、そもそも今日は祝日で学生はいないんじゃないのか」

「うちが特殊なだけ」

「確かにそうだが」


咲夜たちが通う学校は祝日は休みになっており学校はないのだが代わりにその週の前後、またはその週に振替の授業が設定されており土曜日なのに学校に通う羽目になっていた。それに対して、いくつかの学校は、祝日関係なく授業を行う学校もある。両者の方法には利点と欠点があるのだが学生からしてみればどちらも学校に通う日数は変わらないのであんまり関係しないことではあった。


「それで、どうするの?泊まる?」

「母さんは、どっちでもいいて」

「なら、泊まったら」

「良いのか」

「問題ない」

「そんなに簡単に答えるなよ、襲われたりとか思わないのか?」

「その時は、嫁にしてもらうから問題ない」

「そうか、下着と着替え買って来る」

「いってらしゃーい」


咲夜の自宅は、遠いわけではないのだがここから歩いて帰れる距離ではないし帰ったとしても翌日筋肉痛で歩けなくなることはわかっていたので泊まることにした。明日は学校なのだが制服は泊まることになったらすぐに自動配達で母が送ると言っていたので送ってもらうことにした。この機能は、荷物の重量やサイズで運び方が変化するのだが小型で軽量であればドローンが重量があれば自動運転の宅配トラックが運んでくれる。


「はー、今からでも帰ってやろうか」


咲夜は、何でも入っているこのマンションに感謝しながらも知佳の無頓着さに呆れもしていた。

因みに、自動運転の技術に関しては成熟の域には達しているのだが未だに完全なる自動運転は許可が下りておらず下りている物もあるのだが時間が指定されておりほとんどお目にかかることは出来ない状況だった。そして、大きく人命に関係しなく低速で移動する宅配機能に関しては自動運転が許可されているというなんとも歪な状況ではあった。


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