21話 到着、完成版
「やっほ、お兄ちゃんでしょ」
「ひかりかよく来たな」
「ひなね。遠かったし飛行機の椅子狭かった」
「そうだったのか」
「うん」
「まあ、ひとまず入れ」
到着したひかりを招き入れると3階から瑠璃が下りて来た。ひかりを見た瑠璃は誰だろうと首を傾げていたのだが買い物に行く際に妹がこっちに来ているといことを伝えていたことを思い出したのか軽く会釈をした。
「瑠璃さん、こちら妹の」
「妹のひなです。これからよろしくお願いします」
咲夜が、ひかりを紹介しようとしたら被せるように自己紹介して頭を下げると同じように瑠璃も頭を下げた。
「私は、瑠璃です。咲夜さんにお世話になっています」
「こちらこそ兄がお世話になっています」
「一旦上に上がるか」
咲夜の一言で場所を上に移すことになった。
3階にあがったひかりは驚いたのかどうなのわからないが周囲を見回していた。
「あとで自由に見ていいから」
「うん」
リビングに入ると瑠璃はキッチンでお茶を入れて段差の場所に持ってきてくれた。どうもある程度の整理は終わったようであったのだがまだ若干荷物が残って居た。
「お待たせしました」
「瑠璃さん、ありがとうございます」
「いえ、大丈夫ですよ。咲夜さんも」
「ありがとうございます」
段差の部分は未だにほとんどが手付かずなのだが建物自体の出来がいいため何も感じることは無かった。ひかりは受取ったお茶をおいしそうに飲んでいた。咲夜も同じように飲んでいた。二人ともがおいしそうにお茶を飲んでいるのを確認した瑠璃はホットしたように自身もお茶を飲んだ。
「それで、ひか、ひな荷物はどうしたんだ」
「荷物は、ほとんど向こうで処分してきたから無いよ。後、ひかりでいいよ」
「ひなさん、ひかりというのは」
「私の、本名です。お兄ちゃんが今後言うと思うので」
「そうなんですね。そうなると私も言った方が良いのかな?」
「言わなくていいですよ。このばかお兄ちゃんが悪いので」
「ばかまで言わなくても」
「何を言っ無駄でーす」
「はーもういいや。それで、妹がこれからお世話になるけど大丈夫ですか?」
「私は良いのですが逆に良いのですか?」
「私は、良いですよ。いざとなったらお兄ちゃんが出て行けばいいので」
「おまえな、ここの家賃代わりに払うか?」
「いやでーす」
その反応を見た咲夜はため息を付いてがっかりしたような反応をした。その二人の会話を楽しそうに聞いていた。その後はたわいもない話をしてからひかりが探検をしたいと言い出したためお開きとなったのだが咲夜はお風呂に入りたかったので入ることにした。
ーーー
お風呂は、綺麗で誰も使っていないように咲夜からは見えた。実際は瑠璃も何度か使ったことがあるのだがその際はまだシャンプーなどを手にしていなかったので水で流すだけだったのだが。
咲夜は、ここ数日分の汗を流すように体を洗い、先ほど追加で購入してきたタオルで体を拭いていた。するとリビングの方から楽しそうな話し声が聞こえて来た。咲夜は、瑠璃が作ってくれて服に着替えてからリビングに戻ると二人は、瑠璃が作ったであろう服を広げてああでもないこうでもないと話していたのだが瑠璃が手にしている紙を見るに新しく服を作っている様だった。
「何をしているんですか?」
「ひなさんの服を作っています」
「そうなんですね」
「はい、後車の内装を作っておきました」
「了解です。先に組んできますね」
「はい」
咲夜と瑠璃が話している間もひかりは夢中で服を見ていた。
ーーー
製作機に来てみると買ってきた素材でて作ったのであろう見覚えのある布や革でパーツが出来上がっておりそれを車に運んでみると瑠璃が置いといてくれたのであろう各パーツの装着場所が書いてある紙があった。その紙を見ながら装着していると瑠璃が下りて来た。
「大丈夫そうですか?」
「ええ、少し調整はしましたが問題なく」
咲夜が調整した部分は、書き忘れた部分でどちらかと言えば咲夜がやらかした部分だった。
「そうなんですね」
「それ以外は問題なく付いて行っていますよ」
その間も咲夜は、手を動かし続けていた。1時間ほどこうした作業を続けていることもあり後部座席の装着は終わっていたのだが咲夜は、後部座席を外していた。
「咲夜さん後部座席外しちゃうんですか?」
「さすがに内装の出来がこれほど良いとバケットシートが似合っていないように感じて」
実際、内装は高級感漂うレザーや木材を使っているにも関わらずシートがスポーツ仕様になっており浮いていた。天井にはサンルーフもあるため本来大変なはずの天井の仮装は終わっていた。その内装をはっきり確認した瑠璃は「ちょっと待っていてください」と言って上に戻って行った。その行動に疑問を持ちながら咲夜は助手席のシートも外していた。
運転席も外そうかというタイミングで瑠璃が紙を持って戻ってきた。咲夜は、戻って来たことだけ確認して手を動かしていると瑠璃は、製作機が置いてある部屋に入って行ったのを確認した。
その後も黙々と各パーツを付けて行き流石に運転席は無しのままにはしては置けないので戻そうとしたタイミングで瑠璃が咲夜を呼んだ。
「昨夜さん、ちょっとつけるの待ってください」
その声の大きさに驚いた昨夜ではあったのだが瑠璃が手招きしていたので行くことにした。
ーーー
昨夜が製作機の部屋に入るとそこには、車のシートが置いてあったそしてそのシートは、今の車に似合うものだった。
「これ、どうしたんですか」
「元々、先のシートを作る前にデザインは済んではいたんですが、咲夜さんが用意してくれていたあの状態のシートには付けれない形になって居まして」
「骨格から作ったんですか」
「はい、参考にしながら書いていてもう少しっといったところだったのでさっき上で書き込んでから持ってきました」
「これは、良いですね。もしかしてですが、自分がシートを外していなかった言わなかったんですか?」
「はい、申しわかないかなと思いまして」
「言ってくれてよかったんですよ」
「はい、これと他に後部座席の奴も別であるんですがデザインというより骨格が出来てなくて」
そう言って差し出して紙には、今出来上がっている運転席と助手席に付ける用のとは異なり若干幅が広くなっているために変更が必要と考えていたようであった。
「これ、この完成版のシートの骨格の幅を広げるだけで大丈夫だと思いますよ」
「そうなんですか」
瑠璃は驚いたようだったが嬉しそうに設計図を印刷して製作機に入れると作製可能と表示されていた。
「これで問題ないですね」
「はい、材料取ってきます」
昨夜は、瑠璃が作ったシートを取り付けることにした。
シートは、すぐにできたようで出来たばかりのシートを付けて本当の完成となった。結局咲夜はこの内装の作業を2時間ほど掛けて完成させた。現実世界から考えてしまえばとんでもない早さではあるのだがこれは配線をしなくても良かったことそのもそも、はめるだけのパーツもあったのでこんなに早く終わっただっけではあった。
「これで、本当の完成ですか?」
「はい、内装も完璧です」
内装が出来たことで金属剥き出しの冷たい空間から柔らかい空間に様変わりしていた。その空間に居心地の良さを感じていた。そして、咲夜はあることが気になっていた。
「あの、ひなはどうしましたか?
「そうだ、移動に疲れたとかでログアウトされました」
「了解です。瑠璃さん少しドライブをしませんか?」
「はい、しましょう」
昨夜も瑠璃も必要最低限の電子端末を持っていたのでそのままドライブに出かけることになった。




