16話 将来と朝焼け
あの後、ひかりたちの車に合流してから九州に突入した。九州に入るまでに1度給油したが走り続けていた。どうもひかりたちの方も同じように速度は出しているではあった。
「咲夜」
「何?」
「大学なんてどこでも良いんだ」
「そうなのかな?」
「ああ、父さんは高校時代の成績が良くなくて担任のつてで大学に行ったくらいっだしな」
「そうなんだ」
「そうだ、大学なんてどこでも良いともうでもだ、そこで何を学びたいかは選ぶ必要はある」
「何を学びたいかか」
「そうだ、実際問題社会に出た時何を学んだかが重要で将来何になりたいかがその有利さに関係してくるようになる」
「うん、ゲームで生活したいけど」
「そうか、なら動画関連について学ぶのか?」
「それが分からなくなった」
「分からなかくなったとは?」
外では景色がものすごい勢いで過ぎて行っていた。
「ヴィジオン始めてから工学とか化学の方に興味が湧いてきた」
「そうか、どっちでも良い思うぞ」
「そうなのかな?」
「どっちでもいいんだ、ゲームに進もうが研究者になろうがどっちにしろ勉強が必要だが咲夜には言っては無駄だしな」
「無駄って」
「気になることが合ったら自分で先に知らべるだろ」
「そうだけど」
「そもそも、教科書の内容なんてもう覚えてるだろ」
「まあ、覚えてはいるけど」
「そうだろうな」
二人が話している間も車は進み続けていたのだがその速度は、100㎞程まで落ちていた。さすがに都市圏での速度規制は無制限になっていないため先ほどよりもゆっくりとしたスピードで巡行していた。
「そうだ、ゲームの方はどうなんだ」
「どうなんだとは」
「面白いか?」
「今のところは今後需要が高くなりそな物の特許を取ってる感じ」
「そうか」
「父さんもやってみたら」
「やっても良いが時間が」
「そこが、問題なの?」
「ああ、仕事もゲームも楽しいが今は仕事の方が楽しいだよ」
「まあ、それは良いけど」
「そうだ、試しに今やってるヴィジオンでも編集して動画にしたらいいんじゃないか?」
「そうなると、一緒にやってる相手に確認取らないと」
「一緒にやってるなら確認は必要だな」
「そうなると若干めんどくさいだよね」
「それは、仕方ない」
咲夜たち4人の車は、ひたすら西に走っていた。
ーーー
いつの間に車は止まっておりどうも、寝てしまっていたようであった。外では両親が仲良く逆U字型のポールで談笑をしているようで横には、母の車には寝ているいひかりが居た。咲夜が車から出ても気が付くことなく話していたのだが一方的に母が話し掛けていることが分かった。
「寒っむ」
咲夜のその声に気が付いたのか二人がそろってこっちを見て来た。
「あ、起きたのね」
「うん、ここ何所」
「阿蘇」
「阿蘇って熊本の?」
「そうよ、ほら上着」
母から差し出されたの上着は、少し季節外れの様な厚さではあったがその暑さがありがたかった。両親が腰かけていたところの近くの同様のポールに腰かけて見ていたのだが景色は暗いままであった。時間を確認してみると4時半だった。
バタンという音に続く形で先ほどの咲夜と同じように「寒っむ」という声が聞こえて来た。
「ひかりも起きたのね」
「うん、それよりここ何所」
「阿蘇よ」
「熊本の?」
「そうよ、やっぱりあなたたちは兄妹なのね」
「え」
「さっき咲夜も同じこと言ったのよ、はい上着」
「ありがとう」
同じように上着を受け取ったひかりは咲夜の横に腰かけた。
「おはよう」
「おはよう」
「いつから起きてたの?」
「30分前ぐらいだと思うよ」
「そう」
「相変わらず仲いいよね」
「まあ、仲良くないと毎日一緒に出勤して退社なんてしないでしょ」
「確かに」
するといきなり周囲が明るくなった。
「まぶしい」
その光は強い光ではあったのだがその光は温かさがあった。
「まぶしいな」
咲夜は、両親の方を見るとそこには仲良さそうに美しい朝焼けを見ている両親が居た。実際にその朝焼けは美しく周辺が放牧地でその放牧地の草に朝露が落ちてそこにさらに反射した光がさらに幻想的にしていた。
その光景を4人で完全に日があるまで見ていた。
ーーー
あの後は、麓のうどん屋で朝食を取ったのち家に帰ることになった。帰りは母の方も速度を出したようで列車を組んで3時間ほどで帰ってきた。ひかりはどうも途中で眠ってしまったのか家のガレージに帰ってきた時には母の車の助手席で寝てしまっていた、一方で咲夜は一日中起きていることが出来るので起きていたのだが実際には父の車が高速域ではうるさすぎるという要因が大きいかった。
「さすがに、数時間の日帰りで阿蘇に行くのはしんどくなってきたな」
「仕方ないでしょ。あの頃と比べても年も取ったしそもそも、あなたの車のシートはカーボンじゃない」
「一応クッションはついているんだがな」
「せんべいみたいなクッションはクッションじゃないですよ」
「はいはい、風呂入って来る」
「わかりました」
父は、そのまま秘密基地にあるお風呂に歩いて行った。この家にはお風呂は二か所あり一つは2階にあるのだがガレージ横にもありこれは、父が車遊びに行ったときなど汚れた姿で帰って来るので用意されている物なのだが父はよくこのお風呂に入っている。このお風呂からは屋上から続く吹き抜けがあり1階には小さな庭の様なものがありそれを眺めながら入るのが好きで使っていた。
「私も眠いけどひかり起こさなきゃ」
母は、ひかりを起こすために助手席に回って、ひかりを起こそうとしていた。
「ひかり、起きて。ひかり」
母は、起こそうとゆすっていたのだが起きる気配はなくぐっすり寝ている用であった。咲夜は、ガレージに置いてある冷蔵庫からコーラをを取り出して飲んでいた。しばらく、母は格闘して起こそうとしていたのだが、
「咲夜、しばらくここに居る?」
「うーん、居ても良いけど」
「ひかりが起きないから孝一さんに運んでもらうようにお願いしておくから、それまで見ててくれない」
「別に良いけど運ぶのは部屋?」
「うん」
「代わりに運ぼうか?」
「良いの?」
「いいけど」
「それじゃ頼むわ」
それを言うと母は、ひかりの荷物を持って上に続くドアを開けてくれた。咲夜は、飲んでいたコーラの缶を流しに置いて車に近寄った。
そこには、ひかりが気持ちよさそうに寝ていた。
「ひかり、家に着いたぞ。ひかり」
一旦起きないかと考えて肩を叩きながら声をかけてみると予想と異なってひかりに動きがあった。
「お兄ちゃん・・・」
「起きたか?」
「うーん、眠い」
「歩けるか?」
ひかりからの返事はなく代わりに両腕が伸びて来た。それは、運べと言わんばかりの動きであった。
「運んでほしいのか?」
「うん」
「触るぞ」
ひかりを正面から抱き上げるような形で持ち上げた。咲夜からしてみてみれば幾ら兄弟だとは言え、年頃の妹が体を密着させるようなことは嫌がると考えていたのだが、まったくもって気にしていないようで逆にただでも密着度が高いのにさらに首に腕を回してきてさらに密着してきた。
ひかり自体を運ぶことは、無いこともないので重さは問題なかったのだが正面から抱き合うような形では運んだことがなっかたので変に筋肉を使ってしんどかったのだがそれ以上にしんどかったのは、母が良い物を見たかの様に笑顔で楽しそうなことだった。
ーーー
3階のひかりの部屋まで運ぶと離れてくれたのだが途中楽しそうな笑い声が聞こえたことが気になっていた。
「ひかり、完全に起きただろ」
「うん、さすがにあれだけ緊張しながら運ばれたら」
「さすがに、階段もあるし落とさないように慎重になるだろ」
「それも、そうか」
ここまで運ぶに結構慎重だったために半分起きていた状態だたのがその緊張が伝わったようで完全に覚醒したようだった。
「お兄ちゃんはこの後ゲームするの?」
「どっちでもいいかな」
「えー、どっちか決めてよ」
「逆にどっちがいい?」
「え、決めていいの」
「ああ」
「なら、やろうよ。本島に移動しても良いし」
「良いけど、車の続きしに行くから」
「わかった。羽田についたら連絡する」
「うん」
咲夜は、ひかりの部屋を後にした。そのまま部屋に戻るのだは無く一旦リビングに降りたそこには、母がお茶を飲んでいた。
「ありがとう」
「大丈夫、どうも途中で起きてたみたい」
「そうなの」
「うん、下ろした時楽しそうだった」
「そう、はいお茶」
「ありがとう」
「それで、ひかりはどうするって」
「ゲームするって言ってた」
「わかった。私もさすがに眠たいから一旦寝て来るわ」
「わかった」
「コップは、流しに置いといて」
「了解」
「それじゃあ、おやすみなさい」
母は、そのまま同じ階にある寝室に戻って行った。しばらくの間ゆっくりお茶を飲んでいると父親が上がってきた。
「よ、おつかれ」
「こちらこそ、運転お疲れ様」
「構わんよ。運転は楽しいし久しぶりにあいつを全開で回せたから」
「そう」
「ああ、母さんはどうした?」
「眠たいから寝るって」
「そうか、わしも眠いから寝るは」
「うん、おやすみなさい」
「お休み」
孝一は、母と同じように寝室に入って行った。それを確認した咲夜は母に言われたと通りに飲み終わったコップをシンクに置いて自室に戻った。




