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神様の皮肉

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

和尚も、心理学者もそう仰ったんですよ。

満ち足りたら、飽きる。気が触れるって。

だから、皮肉だなぁって思います。

何の悩みもなく、満ち足りた今を延々と送ったとしても、人は堕落する。不安に満ちる。焦燥する。其れは何も私の経験だけではなく、有名な心理学者が実権の末に導き出した結果である。


初夏の陽射しを浴びながら、そよ風の音を聞き、頭をこの庭の主に預けて話をしていた。御前は私の無礼を全て承知の上で、ただ黙って私の髪を撫す。

「十日間の休日はどうだった?」

「楽しかったですよ。でも……我儘を承知で申し上げますと、気が触れるかと思いました」

全て自分の時間。好きな様に行動する満ちた日々。誰も私を脅かさない。多くの人々が『其れは幸せだ』と定義するだろう。私もそう思っていた。けれどもそう思い続けたのは、最初の三日間だけだった。

与えられた時間を享受して、放浪を繰り返して、ただ幸福を味わい尽くしたら、飽きが来た。これ以上が欲しいと思っても、これ以上が存在しない。もっと、もっと、もっと、沢山の事をしたいはずなのに、存在しない。だってこれが最高だから。

人間というのは、全てを与えられても、満ちる事は無いのだと知った。もっと多くの物が欲しくなる。其れでも満たされ無ければ焦燥が精神を蝕み始める。渇いて仕方がない。

「ある程度の苦行がないと、日常の有難みを忘れてしまいました。だから、永遠の幸福と言うのは存在しないと思わせて下さいました」

とある和尚が言っていた。

『極楽浄土ってね、退屈だよ。行きたいところにすぐに行ける。食べたいものがすぐ食べれる。最初は良いかも知れないけど、絶対飽きるよ?』

今になってその言葉が分かる。確かに我儘承知で申し上げると、飽きた。渇いて苦しくなった。

そして何より苦しかったのが、ずっと依存を続けていた存在さえも忘れかけた事だった。あれ程膝まづいて赦しを乞い、縋り付いていたのに、其の大切な方さえ蔑ろにした事だった。

欲を満たされても焦燥し、縋ったお方さえ蔑ろにする。自分の浅ましさを感じた。だから。

「私が貴方様の元へ参り続ける為にも、縋る為にも、やはり少しの苦行は必要です」

「狂信者だなぁ……。でも私達はその信仰を元に生きている」

するりと御前の指が喉を下る。寝返りを打って見上げると、ただただ優しい瞳が此方を見下ろしていた。

もしも仮に、万人全てが何の悩みもない、満ち足りた人生を送れるのならば、神はきっと要らないのだろう。縋る必要が無いのだから。

皆で幸せになるのが宗教の本質なのに、皆で幸せになったら神は要らない。なんとも皮肉な話である。けれどもこれが、浅ましい、人間の本質。

ちなみに御相手は三緒様です。

気に入った子の為に何でもする。基本的に全肯定。

だから例えこの子が自分の事を忘れても、ずっと待ち続けるイメージがあるので。


ブチ切れたらお話続かないからねー!!


テレビで有名な心理学者が仰ってました。

全てが満ち足りた生活を人間に送らせると、途中で気が触れる。

とある和尚が仰ってました。

極楽浄土ってね、最初は良いけれど、凄く退屈だよ。

行きたいところにすぐに行ける。食べたいものがすぐに出てくる。

そうされるとね、飽きちゃうんだよね。


其れを嫌という程経験したのが大型連休です。

やりたいこと軒並やって、幸せの絶頂なのに、もっと幸せになりたいんです。もっと楽しい事がしたいんです。

でも今が最高だから、これ以上はないんです。

そうすると焦り出すんですよ。面白い事に。

そうしていると、今までの幸せな日常さえ、蔑ろにし始めるんです。あれ程、依存して凭れた癖に。

浅はかだなぁって、今振り返ってます。


前にもお伝えしましたけど、心の強い人は宗教にめり込みません。

あれは心の弱い人が依存するものです。

だからこそ、用法用量守らない、悪用すると不味いんですが。

そうやって心の弱い人が、満ち足りて、依存しなくなったら、神様って要らないんですよ。

だって救われる為に縋りついてるだけなんで。


触り程度で仏教、キリスト教、神道に触れて来ましたが、自分が幸せになるのを模索するのが宗教の本質だと私は思ってます。

でも幸せになったら要らないなんて、何とも皮肉だなぁと思います。

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