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冬の心映

作者: 檸檬

すべてが許された世界で


子供達は羽ばたいていけるだろうか


すべてが許された世界で


子供の涙ばかり流れないで


すべてを許すというなら


あの人は何故許されないの


すべてを許すなら


小さな者の自由も許して


たったふたつの自由を許して


冬の容赦ない厳しさが来ることを

知っている朝


車、アスファルト、信号機


安全を祈る黄色い旗


凛とした外気に覚悟をもって


駆けるランドセルの子達からは悲壮感はまだ漂ってはいない


わたしが見上げる空を飛ぶ鳥の輪郭さえはっきりと映す空からは


まだ傘を突き破るものは


降ってはこない


どうか 降らせないで


傘を突き刺し破れるもの


どうか 許して


喜び生きて草原で寝そべり

笑うことを


丸い雫の降るせかい


優しい時雨にのせた


あの人の歌がきこえる


稲妻は 的になれば


人一人一瞬に倒れてしまう


逃げて逃げて 安全な場所へ


逃げること、どうか、許して


愛を抱きしめることを


その自由を創造することを


微笑み守ろうとして


傘をくれた


あの人の優しいこころを破らないで


冬麗の空をゆっくりと飛ぶ鳥は


地平線に見るんだ


冬の太陽の姿を


まるで朱い光の魂2つが


寄り添い合う輪郭を


だるま夕日は


名もない冬の海岸に姿をみせる


寒さが厳しくなるほどに


朱いふたつの輪郭がはっきりと

重なりゆれる


あれが冬の太陽だ


あれが名もない地平に映る


冬の太陽の姿なんだ

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