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初めてのレベルアップ

体の奥底から力が湧き上がる。早くこの力をぶつけたい。早く·····蹂躙したい……

すると男が何か震えた声で

「お、お前·····何故……?」

その男の声には恐怖や困惑など様々な感情が入り交じっていた。

(なんでこいつらはこんなにも動揺しているんだ?周りからも分かるくらい力が溢れているのか?)

よく分からないがとりあえず俺はそいつらに向けてこう言い放った。

「魔法なりなんなり打てばいいさ。俺はそれをことごとく打ち砕いてやるよ。」

「く、クソ野郎がぁ!!!!!!」

そう男が叫んだと同時に男たちから一斉に俺に向けて魔法が放たれた。だが俺は余裕だった。確かにこのスキルは初めて使う。だが何故か俺はこのスキルの使い方を理解出来ていた。

だから俺は前方に手を向けた。すると奴らが俺に向けて放った炎がまるで何かに握りつぶされたかのように無くなった。

「………………は?」

男たちは呆然としている。そりゃそうだ。奴らからしたら俺は手を差し向けただけ。たったそれだけで奴らの魔法は消えてしまったのだ。それも異常な消え方で。

俺は男たちに一瞬で接近して1人の男の顔面に思い切りグーを叩き込んでやった。そして

「何を呆けているんだ?」

と俺が言うとハッとしたかのように残った2人は俺に剣を向けて刺そうとしてきたがその剣は俺に届く前にあらぬ方向にねじれて壊れてしまった。

そして俺はまた何が起きたか分からないといった顔をしている男の脳天に蹴りを突き刺した。

そうして俺が最後の1人の方を振り返るとその男はまだ俺に立ち向かってきたが結果は変わらない。1分も経たないうちにこの場に立っているのはただ1人·····俺だけになった。

かなりの疲労感が俺を襲っていた。どうやらこのスキルは消耗が激しいようだ。長い時間使い続けたら大変なことになりそうだ。そして俺は倒れている男たちを見て

「ま、最初の戦いなら上出来か。」

そう言って俺は改めて宿へと歩いていくのだった。


宿への帰り道、動いたから風呂に入りたいなぁなどと考えているとふと思った。

「そういえばあの宿、トイレはあったが風呂はあったか?」

俺はまだ部屋の中をちゃんと見れていなかった。ものすごく気になっていても立ってもいられなくなった俺は宿へと走るのだった。

そして宿に着いた俺は受付に行き

「ばあさんこれ!1500ミル!今日も部屋借りるね!」

そう言ってすぐに俺は部屋に向かった。何やらばあさんがポカンとしていたが気にしないでおこう。

そして部屋に着いた俺は真っ先にそれを確認した。

「良かった〜。風呂ある!」

そう風呂があるかないかだ。ひとまず安堵した俺は男たちの血で汚れた手を洗面台で洗った。そう、洗面台で。そして俺は気づいた。鏡に映る自分では無い自分に。

「な、な、な、何だこれぇ〜〜〜!!!!!!」

俺の姿はものすごく変わっていた。髪の色は変わらず黒髪だが目の色は赤くなっている。顔は·····ものすごく美形だ……前の俺の顔とは比べ物にならないほどに。髪も凄く伸びている。それこそ長さで言えばへその辺りの場所まで。

「よく気づかなかったな俺。」

と、俺は自分の鈍感さに驚いた。顔はバチバチの男というわけでも女というわけでもなく、中性的な顔だ。髪が長いぶん女に寄っている気もするが、男と言われても納得出来ると思うから良しとしよう。まさか今までの自分を捨て去るってこういうことなのか?一応ステータスを確認したが性別は男だった。

「ていうか俺、この服すげぇ似合ってるなぁ…」

そう、ものすごく今の俺にこの服は似合っていた。

「確かにこの服が似合う男になるって決めたけど

さぁ………こういうことじゃないよ……」

まあ、別にこの姿が不満という訳では無い。なんなら美化されたんだから嬉しい。

「はぁ、とりあえず風呂入ろ。」

そうして俺は風呂から上がって改めてステータスを確認していると気づいたことがあった。

「レベルが上がってる?」

そう、1だったレベルが5に上がっていたのだ。これはおそらくあの男たちを倒したからだろう。だが変化はそれだけじゃなかった。

スキルも増えている。早速確認しようと俺はスキルを開いた。

▶【スキル名】成長速度増加◀︎

獲得する経験値量が上昇します。


ものすごくシンプルなスキルだ。だがこれはかなり大きいぞ。これがあればすぐにレベルを上げることが出来る。その分俺の「覇者の蹂躙」も早く強化することが出来る。

「いいねぇ。面白くなってきたじゃん。異世界生活!」

俺がそのように興奮していたら急に眠気が襲ってきた。それもそうだろう。もう深夜だ。それにスキルの疲労もある。

「とりあえず今日は寝るか。明日も忙しくなりそうだし。」

そこで俺の瞼は落ちていくのだった。

朝、目が覚めたら俺は早速出かける準備をした。

「さて、今日も忙しくなるぞぉ。」

何故かと言うと俺は今日、遂にあの場所に向かうのだ。


「やって参りました!冒険者ギルドーーー!!!!!」

そう、異世界の定番、冒険者ギルドだ。そこで俺は気づいた。周囲の視線が痛い。どうやら俺は自分で思っていたよりも大きな声で叫んでいたようだ。恥ずかしくなった俺はそそくさと中に入った。

中に入ってみるとガヤガヤと話している者やこんな時間から酒を飲んでいるヤツなどまさに冒険者ギルドらしい光景に俺は感動した。俺は受付に向かった。

「冒険者登録がしたいんですが。」

この言い方であっているか分からないがとりあえず聞いてみた。

「はい!冒険者登録の方ですね?」

良かった、これであっていたみたいだ。

「そうです。登録をしたいんですが初めてなので冒険者の活動などについて具体的に教えてもらっても大丈夫ですか?」

「はい。かしこまりました!では冒険者が具体的にどのようなことをしているかですが、まずギルドで登録をされた方は冒険者になることが出来ます。とは言っても冒険者は、職業という訳では無いのでご安心ください。魔物を狩ったり、素材を集めたり、薬草を採取してきたりする人たちをまとめて冒険者と呼んでいるのです。これらは冒険者になったからといって強制される訳ではありません。好きな時に好きなだけやっていいのです。そしてそれによって得たアイテムはこちらで換金出来るようになっております。」

なるほど。冒険者についてはよく理解出来た。

「よく分かりました。では次は·····」

そうやって俺が受付に質問していると

「お、おいあれ!」「まじかよ、アインさんじゃねぇか。」「本当だ!」「すげぇ!」

周囲が騒がしくなった。何事かと思って周りの視線が集まっている場所を見てみると何やら見たことがある女がそこに居た。そう、宿で揉めていた男を追い払ったあの女だ。その女は受付に換金をお願いしているようだ。

そこで俺は

「あの方は?」

と聞くと受付が驚いたように

「アイン様をご存知ないんですか!?」

そう言われてもつい最近ここに来たばかりだ。知らないことのほうが多いんだよ……と言いたい気持ちを抑えて

「ええ、お恥ずかしながら。」

そう俺が言うと受付はちゃんと説明してくれた。

「彼女の名前はアイン・ヴェール。冒険者のトップ層の中でもかなりの実力者です。」

なるほどつまりものすごく強いと。俺がもっと成長したら是非とも手合わせしたいとこである。

俺が冒険者登録を済ませるとまた周囲がざわついた。今度なんだ?と俺は振り返って確認すると、そこには全身黒い服を纏った男が立っていた。パッと見、まるで侍のようだ。

そしてその存在に気づいたアインがそいつに話しかける

「やあ、黒の放浪者。随分久しぶりに会う気がするな。」

黒の放浪者と呼ばれた男が口を開く。

「よう、アインの嬢ちゃん。悪いが今日の用事はべつにあってねぇ。嬢ちゃんに構ってあげる時間はないんだ。すまんね。」

「別に構わん。私も今は貴様に特に何かある訳でもない。では失礼するぞ。」

「ああ、達者でなぁ。」

そう言ってアインはギルドを出た。

見たところおそらくあの黒の放浪者も上位の人間なんだろうな。奴の用事は一体何なのだろうかと考えているとそいつは俺のところに歩いて来て一言。

「今日は君に用事があるんだ。」

と……………

そんなことを言われた俺は

「へっ?」

と素っ頓狂な声を上げてしまうのだった。

ハブられ無双第4話です!

スキルを使った吾季君。まさに無双といった感じでしたね!

やっぱり異世界といったら冒険者ギルドですよね!

でも最後に現れた黒の放浪者。彼の目的は一体?

第5話もお楽しみに!

応援よろしくお願いします!

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