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セーラー服の少女が、一瞬にして潰された。
不気味なほどに真っ赤な夕焼けが照らす、校庭の片隅で。
骨が砕け、肉が捻じれる耳障りな音が響いた。あたり一面に勢いよく飛び散った血は、絵の具を無造作にぶちまけたようなまだら模様を描いている。
少女を叩き潰したのは、石像のような巨人だった。その巨人が、血に濡れた大きな拳をゆっくりとあげる。少女だったモノはぐちゃぐちゃになっていて、地面にめりこんだグロテスクな赤い塊にしか見えない。止めどなく噴き出す血は噴水のようだ。
僕はまどろみの中、そんな非現実的な光景をただ眺めるしかなかった。