プロローグ
こんにゃろう……また嘘つきやがって……。
突然お風呂に落ちてきた女の子は、アルミホイルみたいな銀色の「インビジブル全身タイツ」を着込んでいて、僕からは見えなかったというお粗末な設定だ――。
銀ギラ銀のアルミホイル全身タイツがなぜ見えなかったのかというと、普段から眼鏡をしている僕は、お風呂の中では眼鏡を外す。そうすれば視力はたちまち0.1まで低下し、そのせいで見えなかったんだと下手な言い訳をする――。
目が悪い原因が、スマホやネットゲームのやり過ぎだとは言われたくない。せめて勉強のし過ぎだと言われたい。
御大層に「インビジブル全身タイツ」なんて名前がついている代物だから、そりゃあすごい迷彩機能なのかと思ったが、実際には超チープな粗悪品で、ただ銀色なだけの全身タイツだ。このご時世、肉眼で見えないような機能が搭載された全身タイツが出回っていれば、おびただしい数の犯罪が横行しているだろう。
風呂のプラスチックの蓋をクルクル巻いて開けた時、お湯が波打っていたじゃないか。さらにはお湯の量がいつもより多くなっていたことにもまったく気付かずに入浴していたと考えると……自分が情けなく思えてならない。
中学二年、思春期真っ只中のシャイな僕は、見ず知らずの女子なんかに真っ裸を見られてしまったわけだ……。