第7話 食欲
クレイは、毛皮と爪だけを、マジックバックに入れた。
「こいつら、肉が臭くて、食えたもんじゃないんだよな〜」
クレイが呟くと、シャルが森林ハイエナのもとに飛びついた。
「さすがにそのサイズは、食えないだろ?切ろうか?」
クレイが言うと、嬉しそうにこっちを見るもんだから、四肢を切り落とし、胴体を、細めに切ってみた。
すると、どんどん飲み込んでいくシャル。
まるで樽に首と尻尾が付いたような体形になる。
「マジで?!」
そう驚くクレイ。
しかし、その数秒後、体は元の体形に戻る。いや、わずかに太く、長さも伸びた?
「成長したの?」
そう呟くクレイに、早く2匹目捌いてとばかりに、もう1つの肉の前に移動するシャル。
「はいはい!」
素早く捌くクレイと、捌かれた肉をどんどん飲むシャル。
樽になって、また戻る。
「確実に成長したな」
そう言って、少し驚きながらも、微笑むクレイ。
シャルの体は、およそ1.5メートル。太さは20センチメートルほどになっていた。
手に戻ったシャルに、
「少し重くなったな」
と言うと、尻尾で二の腕を叩いて、不満の表情を浮かべたシャルに、
「ん?怒った?」と、笑いながら、帰途につくクレイ。
「今日は熊鍋だぞ!」
そう言いながら、笑うのであった。