第5話狩の準備
さて、名前も決まったことだしと、腰にマジックバックと、剣を取り付け、革の肩当てと、手袋、ブーツという、簡素な装備を身に付ける。
クレイは、基本的に、守備力の高さより、機動力を重視している。1人での狩だし、攻撃するにしろ、逃げるにしろ、重くては、どうしようもないとの判断である。
「問題は、シャルをどう連れて行くかだな!」
クレイは、シャルを両手に持ち上げ、顔を覗き込んで、
「どうするよ?」
と、聞いてみた。
すると、スルスルと、クレイの左腕の方に移動し、左手の甲の部分に、自分の頭をのせ、手首から肘にかけて、グルグルと巻きついて、クレイを見てきた。
確かにクレイの攻撃は、基本剣である。刀身は、それほど長くなく、片刃で反りのある、両手で使って良し、片手でも、使えない事もない。小回りの利きそうな、森で使って邪魔にならない、そんな剣だ。
まあ、地球でいう日本刀なんだが、この世界では、まあまあ珍しい。この世界の剣は、両刃の両手剣か、片手剣でも、両刃である。斬るのではなく、切る、または裂くというような剣だ。
で、クレイは、基本左手は、何も持たない、そうすれば木に登るときも、片手使えて登りやすいし、狩るのに便利だと思っていた。たまにだが、鉈を持っている時もある。。二刀流という訳でも無いが、盾がわりに、丈夫で軽く、多少の攻撃力ある、まさに機動力重視。
まあ、鉈は、森の中を歩くのに、藪を切り開くためにも使えるから、持って行くだけなのだが。
確かにシャルの位置なら、狩には、邪魔にならないかもしれない。
「案外頭良いのか?俺の狩、見たことないだろうに?」
と、少し不思議に思ったが、深くは考えない。
井戸で、水を水筒に入れて、マジックバックに放り込み、狩に出かけた。