はんどれっど∞ろーりんぐ
※この物語はフィクションです。現実では深い水たまりにボールを叩きつけても跳ねません。作中に出てくる水たまりは全て浅いものです。
1
愛羅が攻め込んできたら、まず止められない。
身長差は20センチ。その体格差も、技術も、あまりにもレベルの差が有り過ぎる。だから愛羅と直接的に戦うよりも、勇羅からのパスカットを狙うほうが、勝ち目はあるかもしれない。
そう考えて前に飛び出た璃々なのだが、それもやはり困難なことだった。
高い。単純にパスの位置が高くて、前に出ると簡単に頭上を通されてしまう。パス出しの勇羅もこれがなかなか意地悪だった。これは実質的に2対1のリンチのようなものだ。
「4点。次――」
次のプレーはポストプレーだった。
「ポストプレーに対するディフェンスは?」
愛羅がボールを受け取ると、そう問いかけてきた。
璃々は愛羅の背中越しで、腰を深く落として、重心を低くする。そうすると体格差があっても、愛羅の力強さに対抗することができた。
「そう。基本だね。『見た目だけ』は良く出来てる」
しかし、
ズン!
まるで巨像に踏み潰される蟻。愛羅が一度ドリブルをついて、そのまま背中で璃々をゴール下に押し込んでくる。抵抗なんて全くできなかった。直後には愛羅の背中に思いっきり打ち付けられ、璃々は再び吹き飛ばされた。
「6てーん。今日中に帰れるかなぁ?」
愛羅がのんきな声を上げている傍らで、璃々は起き上がる。するとポタポタと鼻から何かが垂れ落ちた。
――鼻血だ。
「あ、愛……鼻血出た」
「だから?」
「は、はなぢ……痛い……」
「そんなん試合中にはよくあることだよ? おら、立てよ」
愛羅のあまりにも非情な瞳に、璃々は恐怖する。
――逃げ出したい。でもここで背を向けたら、もうバスケはできない。
やめて欲しいなら、愛羅を止めるしかないのだ。
その後も延々と戦いは続いた。
璃々の全身は青たんと擦り傷だらけになっていた。それでもグッと痛みに耐えて戦い続ける。
耐えられたのは、幸か不幸か、子供の頃からずっと双子から意地悪を受けていたからだった。
転がるのは、得意なのだ。
「リリーさ」
それは28回目のことだった。
「本当に、この1対1を終わらせるつもりある?」
愛羅はパスを受け取ると、肩口にボールを構え、璃々を見据えた。
「真面目にやってるふりしてさ。本当は私が飽きて帰るのを待ってるんでしょ?」
璃々はずっと口をつぐんでいた。
口の中を切っているし、舌もたくさん噛んでるから話すことができないのだ。ここまで泣き言をいわなかったのは、ただ、いえなかっただけである。
「残念ながら、やめてやんねぇよ。やめてほしかったら、止めてみろ!」
愛羅はそこで右にドリブル。璃々はようやくアスファルトのコートに慣れてきたのか、うまく足を動かすことができていた。今日まで零奈にイジメのようにやらされてきたディフェンスフットワークは嘘ではない。その動きはもう、他のバスケットボール選手と遜色ない。だから愛羅にだって、ある程度ついていける。
しかし、愛羅はそれを『見た目だけ』だと吐き捨てる。
璃々が正面に入ってくると愛羅は急停止。身体を左に振る。すると璃々は、そちら側に足を動かした。結果、身体が開いてしまう。
愛羅はすぐさまドリブルを逆に切り返し、璃々を抜き去った。
自分が抜かれたというのに、璃々は今のプレーに対して「上手い」と感心してしまっていた。
「ほら、リリー? 『見た目だけ』の真似事をしていたって、私には永遠に勝てないよ?」
璃々は困惑するばかり。そもそも明らかな実力差があるというのに、どうしろっていうんだ。
29回目の前に少しだけ休憩を置いた。雨が酷くなり、愛羅の手からボールが滑り落ちてしまったからだ。さすがにそれを奪って勝利を叫ぶのは情けない。勇羅がタオルでボールを拭いて、ついでとばかりに乱暴な手つきで璃々の鼻や手を拭いてくれた。
愛羅も手を拭いつつ、いった。
「さっきのシュートも、ディフェンスも、ずいぶんと綺麗にできるようになったじゃない。でもさ、なんの価値もないわ。上手くなっただって? 全く、これっぽっちも上達してないね」
その言葉に、今までの練習で身につけてきたものを全て否定された気分になって、璃々は言葉を返さずにはいられなかった。
「……どうひて、そんあこというの?」
「どうしてって、れーなセンセーはリリーに『見てきたものと同じプレー』をしろっていっていたけど、リリーが今まで見てきたバスケのプレーっていうのは、そんな小綺麗なものばかりだったの? リリーが憧れてきたバスケット選手たちは、何を考えてバスケをしていたの?」
再開。
「もし、そのざまで見てきたものを真似しているのだとしたら、リリーはバスケを馬鹿にしているわ」
愛羅の進撃。雨に濡れた手を拭ったことにより、その動きは一段とスピードを増していた。
――止められるわけがないじゃないか。
「うーん……リリー、いい加減に気づきなよ」と、勇羅の呆れた声がする。
何に気づけというんだ。もう璃々は十分過ぎるほどに、全力で、限界だって超えて、戦ってるんだ。
その上で愛羅を止められない。そんなこと、二人だってわかっているだろうに。それでも続けるだなんて、こんなのただのイジメじゃないか――
「ぐすっ……えぐっ……」
ボロボロと涙がこぼれ出る。
もうさすがに泣きべそどころじゃ、耐えられない。
両手で拭っても、拭っても、涙は次から次へと溢れてくる。
そんな璃々を見て、愛羅は――
「さ、次だ」
勝負を続行した。
「ねえ、リリー? バスケットボール選手ってさ、どうしてこんなキッツい練習してるんだろうね」
それは零奈に問われたものと同じこと。練習を繰り返し、何をするのか。
璃々には、まだその答えはわからない。
その後も、転がされた。何度も、何度も、何度も。
泣いているのに。これだけ痛いと訴えているのに――
璃々の姿はもはや目も当てられないほどに、ズタボロで、それでもなお、愛羅は手を緩めることはない。
璃々はそんな激しい苦痛のなかで、思うのだ。
――おかしいじゃないか。
こんな酷いことをしているのに、どうして愛羅は――そこまで優しい声なのだろうか。
「リリー、痛いよね? でも、私は絶対に手加減しないよ」
「えぐっ……なんでっ……」
愛羅はどんなに璃々の動きが鈍っても、その絶大な技術による暴力を止めようとしなかった。
そして、一層の雨が降り注いだ時、
「なんで、って――」
愛羅はこういった。
「負けたくないからに決まってんだろ? そのために私は練習してんだよ」
「負けたく……ない?」
何をいっているんだろう、と璃々は思った。
だって愛羅は璃々よりも遥かに上手いじゃないか。鼻歌交じりで適当にやったって、璃々なんか簡単にあしらえるぐらい、すごい選手じゃないか。
最初から璃々に勝ち目なんてありやしない。それなのに、負けないために手を抜かないだなんて、おかしいじゃないか。
――でも、それは意地悪じゃないのかもしれない。
そう思った。
だって、今の愛羅の姿は、璃々の憧れてきたヒーロー達と全く同じに見えたから。
それはどうしてか。
つまり、あのヒーロー達も、愛羅と同じように――
「あ……」
その瞬間だった。
まるで閃光が走るように、はたまた、欠けていたピースがガッチリとハマったかのように、璃々の脳裏に一つの解答が浮かび上がった。
――ああ、そうか。
璃々はようやく、見えた気がした。
愛羅はいうのだ。
「いい、リリー?」
愛羅はゴールを通り抜けたボールを拾い、ズダン! と特大の音を響かせてボールを弾ませた。水しぶきが舞う。その瞳が炎のように揺らめく。
「練習をするのは勝つために! 試合に出るのも『勝つため』に! その意志がないプレーなんて、どんなに見た目が綺麗だろうが、ゴミクズにも劣るんだよ!」
続くプレー。
愛羅がドライブで馬鹿正直に真正面から突っ込んでくる。
璃々は反射的にチャージングを取ろうと正面に回る。そしてガツンとぶつかられて、地面に転がされた。
愛羅はそのままレイアップシュート。
「リリー。今のは私のチャージングかな?」
ここで「そうだ」と答えれば、終わる――でも、
璃々はもぞもぞと起き上がり、痛みを堪えていった。
「璃々……遅……かった……ブロッキング」
「じゃあ、続けよう」
2
濡れたアスファルトが街灯の光を照り返し、璃々と愛羅のシルエットを闇夜に浮かび上がらせている。一つボールが跳ねるたびに飛び散る水滴。一歩動くたびに波打つ水たまり。璃々と愛羅を打ち付ける雨は、その熱にあてられて白い霧となり、宙へと消えていく。
もう回数はわからない。璃々はたくさんたくさん地面を転がって、雨に濡れて、その回数分だけ怪我をして、そして、同じ数だけ理解していることがあった。
ここまで愛羅は一度として反則をしていない。恐ろしいほどの上手さである。いつも見ているだけだったけど、初めてこうして戦って、それを身をもって知った今、璃々は悔しい思いで胸が一杯になった。
その悔しさは、愛羅に敵わないことではない。自分の技術の無さを嘆いているわけでもない。
それは、ひと月も前の練習試合の敗北の悔しさ。
愛羅はこれだけの技術を持っているのに、負けてしまったのだ。無念だっただろう。悔しかっただろう。きっと勇羅も、咲も、杏樹も、玉子も、佳奈と聡子と綾乃だって、同じ気持だったのだ。
今まで璃々はその深い悲しみを理解できていなかった。
璃々はあの時、あの敗北を『仕方のないこと』と吐き捨てた。なんて酷い言葉だろうか。ずっと一緒に練習してきたのだから、知っていたじゃないか。彼女たちがどれだけの努力をしてきたか。あの敗北はそれを否定されたものなのだ。
それを『仕方ない』だなんて、そんなもの選手に向けた観客の野次と変わらない。本当に、自分はずっと観客だったのだ。
皆と隔たりを感じていたのは、このせいだったのだ。
今まで見てきたバスケ選手のモノマネをしてきた。そうやってバスケの技術を覚えてきた。しかし『技術を身につけた先にあるもの』までは考えていなかった。
ドリブルが出来るようになったからとか、スリーポイントシュートがたまたま入ったからとか、全くの無意味なんだ。
バスケットボール選手は大道芸人じゃない。身につけた技術はお披露目するためにあるのではなく、仲間とともに戦い、『勝利』に貢献するためにあるのだ。華麗でなくとも、無様であろうとも、身につける技術の全てはそのためにある。
ようやく理解できた。自分に足りないものを。
まあ、理解したところで、芹沢愛羅という先を行くバスケットボール選手を、そう安々と止められるわけではないのだけれど――
次の攻防、やはり愛羅の巨体に吹き飛ばされた璃々は、ゴロゴロと地面を転がって、アスファルトの上で丸まるようにして倒れこむ。
そして弱々しく体を震わせ、「もうイヤだ」と喘ぐ。
――もうイヤだ。もう無理なの。痛いの。
愛羅はそんな璃々の姿を見て、眉間にしわを寄せる。
「はぁ……リリー、さっきはやめてやんないとはいったけどさ、この辺にしとこうか? 別に私に勝たなくたって、その心構えを持つってことがわかったんなら、それでいいんだし」
璃々も、それでいいと思う。
明日からはちゃんとやる。
身がぼろぼろになって、ようやく璃々は自分の間違いに気づくことができた。ここで切り上げて明日以降の練習で、その変化を見せることができれば、それでいいのだ。『愛羅に勝つ』というのはこの場の目標設定であって、それが達成できなくたって、その過程は無駄ではない。
そもそも勝てる相手じゃない。体格はもちろんのこと、バスケットボール選手として生きてきた時間が、あまりにも違いすぎる。立ち向かうこと自体が、バカげた話だったのだ。
だからこれ以上やる意味は無い――はずだ。
勇羅がいった。
「よし、もうおしまいにしよう。帰ってお風呂に入ろう。うち、お風呂改造したんだよ! でっかくなった! 一緒に入ろう!」
雨に濡れ、いっぱい怪我をした。さすがにそろそろ身体を休めないと、一週間後の試合に支障が出てしまう。
愛羅が手を差し伸べてくる。それを取れば痛みも、寒い夜も、終わる。
それなのに、
どうして『でも――』と、思ってしまうのだろう。どうして愛羅の手を取れないのだろう。
「リリー? どうしたの?」
「震えてるよ? 風邪引いた?」
璃々は、身体を震わせていた。
しかし、風邪を引いたわけではない――
それは、『恐怖』からくるものだった。
バスケットボール選手となるために必要なことを覚えた今、バスケットボールという競技に自ら選手として飛び込むことの恐ろしさを、思い知らされた。
自分がもし試合に出られるようになった時、いつか、愛羅に並ぶ化け物達と戦う場面がやってくるだろう。
そうなると、今、この場で愛羅に敗北するということは、その後の全てでも負けてしまうという事実がついてくる。今みたいに惨めな思いと、苛烈な痛みを伴って――
そんなもの、怖くて怖くて、耐えられない。
せっかく心を入れ替えたばかりだというのに、ここで愛羅に手も足も出ないまま終わってしまったら、お遊び気分でやっていた時よりも、もっと酷いことになる。今度こそ、本当にバスケを辞めることになる。見ることすらできなくなる。
大好きなバスケが、嫌いになってしまう。
そんなの嫌だ。
だから、
「今、勝たないと、ダメなんだ……」
愛羅が困った顔をして、いった。
「それじゃ、続ける?」
しかし璃々は、答えられない。手足の震えは止まらない。続けないといけないとわかってはいても、現実というものはどこまでも厳しいものだ。
これ以上、続けたところで愛羅には勝てない。これから戦うであろうバスケットボール選手たちにだって、もちろん。
バスケを続けたいんだ。大好きなんだ。だから、負けたくないんだ。
でも、璃々にはその力がないんだ。
どうすればいいんだ。誰か――
(――負けちゃダメ――)
その時、耳の奥底で、声が響いた。それは聞き間違いようのない、大好きで尊敬してやまない先輩――咲の声だった。
それもまた、練習試合で八王寺学園に負けたあとのことだったか。
試合に出られない理由もわからずに走り続けようとした璃々に、咲が何かを語りかけていた。
璃々はその時、耳を塞いで咲の言葉を拒絶した。
日新学園女子バスケットボール部、たった一人の先輩は、いつだって後輩たちのことを、優しく見守ってくれている。あの時だって、きっと、璃々に大事なことをいってくれていたのかもしれない。
あの日、咲が璃々にいった言葉は、何だったのだろう。
仰向けに転がり、空を見る。今聞こえた声を、水辺に浮く蓮の葉をすくい上げるように、静かに、ゆっくりと思い出す。
(そうよ、負けちゃダメ。でも戦う相手を履き違えちゃダメよ? 戦う相手は――)
「負けちゃダメ――」
負けちゃダメ。
咲はいっていた。そして戦う相手を間違えるなとも。
戦う相手――愛羅のことか。でも、璃々はいつだって間違えているから、きっと、それも違うのだろう。
今この場で戦う相手は愛羅ではないのだ。
それなら、誰と――
璃々は雨が降り注ぐ空に向け、手を伸ばす。まっすぐに、まっすぐに――
戦う相手は――
でも、やっぱりわからない。
情けない気持ちが胸の中で湧き上がり、ドロドロとした真っ黒い陰鬱なものが身体を支配する。
そして、それが一つの形となって、璃々に語りかけてくる。
『――どうしてちゃんと聞いていなかったんだ。本当に『お前』はダメな奴だ。
咲だけでなく、他の仲間達も大切なことを教えてくれていたじゃないか。
それなのにいつも聞いていなかった。
本当に馬鹿だ。そりゃ愛羅が怒るのも当たり前だ。こうして転がされるのも当然だ。
今さら反省したってもう遅い。すでにお前は真剣に戦う仲間たちを嘲笑ったんだ。野次を飛ばしたんだ。
もうバスケットボール選手になんてなれやしない。その資格なんてありやしない。
――『お前』は転がっているのが、お似合いなんだ。
もっともっと、苦しんで、負けてしまえ』
それは確かに自分の姿をしていた。璃々と全く同じ姿形、同じ声で、璃々を攻めたてる。
その意地の悪そうな口から漏れる言葉は真実で、全てが的を射ている。
――聞きたくない。
璃々は、それにまた、耳をふさごうとするのだけれど――
(――負けちゃダメ)
ぴくりと指先が動いた。
そして、耳をふさごうとしていた手を、もう一度、空に伸ばす。
「負けちゃダメ」
ポツリとつぶやくと同時、璃々は見えなくとも、確かに在る『言葉』を掴み取るように、空に伸ばした手をギュッと握りしめた。
震えは止まっていた。
不意に、口が動いた。
「……もう1回やる」
無意識だった。自分は何を口走っているのだ。勝てる見込みなんてないのに。
「お、やるの? てか、できんの?」
ヨロヨロと、璃々は立ち上がる。怖くて、痛くて、限界なのに、足が動いてしまう。
「もう1回っ!」
今度こそ自分の意志でいってしまった。
でもしょうがない。
わかったんだ。
だって璃々は、まだ――
「負けてない」
負けていないんだから、戦いは終わらないし、終わらせない。何百回だってやってやる。
愛羅と勇羅は困ったように眉をひそめ、互いに顔を見合わせる。
「リリー……ここまで何回やったか知ってる? 99回だよ? その全部をリリーは――」
「負けた!」
「お、おう、そうだね」
「でも、負けてない! だからもう1回!」
「勇羅……通訳して……」
「とりあえずやってあげればー?」
もはや愛羅は理解不能と頭を抱え、勇羅は投げやりにいっていた。
「……そうだね。次が100回目だから、最後にはキリがいい。リリー、もう1回やろうか。でも、次がほんとの最後。これ以上怪我したら、試合に出られなくなっちゃうからね」
「それは嫌!」
「うん、じゃあ、やろう。ラスト1本だ」
気づくのが遅すぎた。
でも、大丈夫。別にいいさ。今からだっていい。失敗したっていい。
璃々は初心者だもの。最初から誰よりも低い場所にいるんだから、今さら百回や二百回、負けたところで、その位置は変わらない。愛羅だろうが誰だろうが、負けたっていいさ。
ただ一人――『自分自身』に負けさえしなければ。
(そうよ、負けちゃダメ。でも戦う相手を履き違えちゃダメよ? 戦う相手はいつだって自分自身。自分と戦って、自分に負けさえしなければ、どんなに転んだって、また立ち上がることができる。立っていれば、脚を踏み出すことができるから、進んで進んで、いつか必ず貴方の思い描く場所にたどり着く。だから負けちゃダメ。頑張って、璃々)
憧れ、目指す人の声。いつか耳を塞いだその言葉――
「璃々、頑張るよ」
今、ようやく届いた。
――つづく。




