生き延びた俺
ハルの銃から打ち出された弾は俺の右肩に直撃した。鋭い痛みがはしる。ハルがまた銃を構えている。今度は頭を狙うだろう。そう、死を覚悟した瞬間、俺の目の前に眩い光を放つ球状の物体が現れた。刹那、ハルの身体が空中へと吹き飛ばされる。
「なんだ!邪魔する奴は死ね!」
ハルは球状の物体に向かって、弾を5発打ち込む。どの弾も外れ、いや、無理やり弾道を逸らされたかのようにカーブを描き、球状の物体の真横を通り過ぎていった。
「大丈夫ですか?カズマ様。私はミイ。貴方をお守りする者です。」
「え?ドユコト?」
もう何がなんだか。
「って、後ろ!危ない!」
またハルが銃を撃とうとしていた。いや、もう撃っていた。
「所詮人間の武器。私には効きませんよ」
また弾道がそれ、ミイには当たらない。
「少し寝ててもらいましょう」
そう言うとミイは人型になり、腕を一振りした。ハルは気絶した。何があった。呆気にとられていると、ミイはもう球状になっていた。
「とりあえず、何故こうなったか、教えていただけますか?」
俺はなるべく詳しく説明をする。
「なるほど。私が推測するには、ハルさんは何らかの病気に犯されていますね」
何らかの病気?
「多分、最近流行っている「ミルマ104」だと思うのですが」
「ミルマ104」?なんだそれは。
「俺は記憶を失っているんだ。「ミルマ104」について詳しく教えてくれないか?」
「わかりました」