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第三話 山籠もり合宿……のはずが

放課後編がまさかの13行。

家の外観とかをもっと書いても良かったのですが、主人公の平和を愛するところを書きたかったので……



 学校のチャイムが鳴り、下校しやがれという最後通告をされる。

 すでに夕日が出ており、空が紅く燃えている。

 僕は生徒玄関を出て、嫌がらせに近い、校門までの長い道のりを歩く。最近は慣れていたと思っていたんだけど、久々だと結構疲れるね。校門を出てからもあと1kmあるから大変だ。

 夏芽と琴音は生徒会が長引いてるみたいなので今日は一人で帰ってくれとのこと。トモは帰宅部なので今頃は家で筋トレか、美少女の写真を眺めているだろう。あれ? いつの間にか僕に憑りついていた幽霊がいなくなってる。まぁ、いいや。

 そんなわけで僕は一人寂しくトコトコと帰路を歩いている。

 半年前からずっと見てきた景観をみながら帰るのもたまには良いかもな~。

 あぁ、そんなことを考えているうちに家についてしまった。

 それからは特に変わったことは無かった。部屋で宿題を終わらし、夕飯も簡単に作り、お風呂に入って、寝る。うん。素晴らしいほど平凡だ。書くことがないくらい普通だ。ビバ、平和。





「……い、起…ろ…」


 うぅん……? なんだろ?

 誰かの声が聞こえる。

 はぁ、どうでもいい。今は睡眠を続行する。


「起きろっつってんだろ!」


「ぐべぁっ」


 んな!? 何が起きた!?

 いきなり頭に固いものが当たって…… あれ? 僕って床で寝てたっけ? 昨日は確かにベッドの上で寝ていたはずなんだけどな。


「寝ぼけてんじゃねえぞ。もう他のやつらも玄関で待ってんだ。さっさと準備して来い」


 誰だろう? 僕の他に誰か住んでたっけ?

 僕は目をこすりながら立ち上がり、声がした方を向いた。

 ……どうやら不法侵入者がいるようだ。

 まだ覚醒しきっていないせいか、目はうっすらとしか開けられないが、そこにいるのが男性だということは分かる。こいつホモなのか?

 そこからの行動は早かった。ベッドの上にあるケータイを手に取り、素早く110番通報……


「ちょ、なにしてんだ!? 俺だ! 津根田友明だ!」


 ん? ツネダ……?


「もしかして……? トモ?」


「あぁそうだよ。俺は冤罪なんかで一生を終える気はないぞ」


 なんと部屋の中にトモがいた。でもなんでだろ?

 はっ! もしかしてアレなのか……


「……何を考えているかは知らないが、今日は山籠もり合宿の初日だ。さっきも言ったがさっさと準備をしてほしい」


「ごめん。急いで準備するから玄関で待ってて!」


 僕がそう言うと、トモはため息をついて部屋を出て行った。


 すっかり忘れてたよ……

 何も準備してないな……

 とりあえずカロリーメイトとスポーツドリンク、あとケータイと着替えくらいでいいかな? あまり荷物が多いと重くなるしね。

 僕は2秒で着替え、荷物をバッグの中に収め、みんなが集まっているだろう玄関へダッシュした。

 玄関にはトモ意外に二人の男子生徒がいた。男子生徒と分かるのは、前に会ったことがあるからである。


「やぁ、キュー君。少し遅いお目覚めだね」


「ごめん。すっかり忘れてたよ」


 今僕に話しかけてきたのは、1-3の大林君だ。黒縁メガネを掛けているが、彼の視力は1.5である。


「正直だよね~。ま、そういうとこがあるから憎めないんだけどね~」


 次に何気に嬉しい事を言ってくれたのは、大林君と同じクラスの桐瀬君だ。金髪に染めた髪が特徴で、外見だけはチャラ男、ヤンキーだ。


「よし! 予定より一時間程遅くなったが特に問題ない。そんじゃ山登りに行こうとすっか!」


「「了解」」「おっけ~」


 「おっけ~」は桐瀬君だ。

 僕たちは家を出て、自転車に乗り、トモを先導に山へ向かった。




 僕たちが籠る「風扇山」は、僕の家から自転車で30分くらいのところにある小さめの山だ。

 風高の生徒もよく部活で来る場所でもある。

 山の麓からは自転車で上るのがキツくなるので、徒歩でいくことになった。

 そういえば、みんなの服装は上下ともジャージで背中にはリュックという、いかにも登山家って感じだ。対して僕は風高の制服を着ている。なぜ私服じゃないかというと、他の服はすべてクリーニングに出していたからだ。

 山道を歩きだしてから1時間程経った。最初はみんな意気揚々としていたけど、今は少し息が上がり始めていて、歩く速さも遅くなっている。さらに道も舗装されていないから、疲れも溜まりやすい。


「はぁ……、まだ、着かない、の?」


「おかしいな…… この辺りのはずなんだがな」


 うぅ~。そういうのは事前にちゃんと確認してほしいよ。

 というか、なんでトモだけ平気そうなんだ?


「とりあえず先に進もうね~」


 金髪チャラ男もピンピンしてる。疲れているのは僕と大林君だけみたいだ。

 はぁ…… 休ませてほしいよ……



 あれからさらに1時間が経った。

 僕のHPがゼロになりかけていた時に建物…… 屋敷かな? を発見し、一命を取り留めた。


「ほぉ~。立派な屋敷がこんなところにあるとはね……」


「びっくりだね~。チョーかっけぇんですけど~」


 屋敷は平屋で、遥か昔から此処にあったような佇まいだ。木材でできているが、風化のせいで、色は黒ずんでいる。

 周囲は木々が生い茂っており、その中にポツンと屋敷は建っていた。


「おかしいな……」


 トモがそう呟いた。

 だけど、トモは先に屋敷の入り口へ進んでしまって、意味を聞くことは出来なかった。

 残された3人は、トモに習い、入り口へ歩みを進めた。


「誰かが住んでいたりするのかな?」


「いや、覗いてみたが誰もいなかった。奥の方はまだ見ていないけどな」


「ふ~ん」


 まぁ、トモの言うとおり、人は住んでいないだろう。

 中は結構荒れていて、何かの破片や使い古しの木炭などが床に散らばっている。


「えぇ~、此処に住むのぉ~? 僕はお断りしたいね~」


「そうだな…… もう少し綺麗な場所だと思っていたんだが…… まぁいい。とりあえず昼食にすんぞ!」


「ふむ。何にするんだい?」


「キャンプの定番と言えば、焼き肉かカレーライスだよね~」


「勿論カレーだ。というわけで、何か燃えやすいもん取ってくるぞ!」


「「「了解」」」


 僕たちは屋敷の入り口に荷物を置かせてもらい、燃えやすいものを探してくることになった。薪とかどこかにないかな?


「あぁ、キューは此処で留守番な。荷物番も兼ねて」


「えっ、なんでさ?」


「お前には無理だろ。集めている最中に倒れたれると困るしな」


「う…… 分かったよ」


 実は僕の体力は小学生よりも少ない。学校主催のマラソンも完走したことが無い。此処まで登ってこれたのはクライミングハイになっていたからだと思う。

 僕は仕方なく留守番兼荷物番をすることになった。せっかくだし体力を回復させておこう。合宿も何をするかよく分からないしね。




 ……暇だ。

 あれから30分くらい経ったかな。まだ誰も戻ってこない。

 う~ん、トモ達に限って危ない目に合っているとは思えないけど心配だなぁ。

 あ~暇~。

 ケータイも圏外だしネットにも繋がらないし…… なにかないかな~?

 あれ? そういえば山を登っているとき幽霊が一人もいなかったな。なんでだろう? 前来た時はうじゃうじゃ居たんだけど。

 まぁ、そんな事考えてもよく分からないしね、気を紛らわすためにも屋敷を探検することにしよう!


 屋敷の中を散策していると、檻がある部屋を見つけた。


「なんで牢屋でもないのに檻があるんだよ……」


 なんか不気味だ。電球などの明かりを灯すものがなく、薄暗いため不気味さをより一層引き立てている。

 

「どうにかして入れないかな~?」


 せっかく此処まで来たんだ。せめて中くらい何があるか確認したい。好奇心ってやつだね。


「久しぶりにアレをやるか……」


 僕はアレをするために身体の奥底に意識を向け集中する。そして、身体を浮かべるように、上へ引っ張られるようにイメージし、魂を自分の身体から引きずり出す。

 すると、視界が高くなり、浮遊感が僕を襲う。


「おぉ~、やっぱりこれ楽しいなぁ~」


 僕は今、「幽体離脱」をしている。これは、事故に遭ってから出来るようになり、隠している能力の一つだ。

 僕は檻をすり抜け、部屋の中に入っていく。今は幽霊になっているんだから、すり抜けるのは当たり前だよね。

 そして召喚。召喚とは、幽体離脱をしているときに自分の身体を呼び寄せることができる。これを使って、テレポートまがいもできたりする。

 僕は檻の外にある自分の身体を召喚し、近くに呼び寄せる。

 そして、身体に戻り、部屋の中にある物体を観察することにした。

 

「なんだろこれ……? 井戸、かな?」


 それは井戸だった。と言っても、地下水を汲み上げるような設備はなく、ただ、穴があるだけのようだ。


「落ちたら死ぬだろうな…… って、へ!?」


 穴の中を覗いていると、強烈な光が発生し、僕の視界はそれに埋め尽くされ、僕の意識は途絶えた。

 



うぅ……

かなりgdgdになってしまいました。

機会があれば書き直します。

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