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みんながしあわせになれることが、わたしの一番のプレゼント

作者: 澪ナギ
掲載日:2026/05/08

 あったかい温度が、頭をなでてくれたのがわかった。


「んぅ…」


 いつもみたいな起こす感じじゃなくて、やさしく、まだ寝てていいよって言うような、そんななで方。それがうれしくて、勝手にほっぺがゆるんでく。

 リアス様だってわかってるから、ゆったり、目も自然に開いて。


「…おはよう、ございます」

「おはよう」


 目を開けた先にいる、紅い目に微笑んだら。目を合わせるように寝転んでたリアス様も微笑んでくれた。

 なでてくれてた手はゆっくり首の方に回って、もう一個の手は腰に回って。そっとあったかい体温に抱きしめられる。

 とく、とくって大好きな心音を聴きながら、またちょっと目を閉じて。


「誕生日おめでとう」


 やさしく、耳元でささやかれた甘い音に身をよじった。


「…ありがと」

「あぁ」


 すりよって、あったかいリアス様を堪能する。このまま、また眠れそう。ちょっとだけウトウトし始めた時。


「んぅ?」


 そのあったかいのが、離れてく。反射的にまゆが下がっちゃう。


「やぁだ」

「プレゼントはいらないと?」


 あ、ずるい。

 ほっぺふくらませたら、リアスはくすくす笑って。わたしを抱き上げて、ベッドに座る。膝の上にちょこんと座らせてもらって、リアス様を見上げた。


「ん」

「ありがと…」


 枕の下に置いてたらしいプレゼント。それを、お礼を言いながら受け取った。


 そのプレゼントは、


「封筒…?」

「開けてみろ」


 言われた通り、封筒を開けたら。


「わぁ…」


 リアスの誕生日に作ったのと同じようなチケット。

 紙には、「自由券」って書かれてる。


「リアス自由券っ?」

「リアス自由券」

「有効期限はっ」

「普通に考えたら今日一日なんだがな?」


 まぁでも、とやさしく頭をなでて。


「年内くらいまでだろうな」

「年内」

「あそんだりなんなり、ばたつきもするからな。年内まであれば十分満足できるだろう?」


 たしかに十分。あとは。

 ぱっとリアスを見上げて。


「回数っ」


 これは大事。

 何回? 何回? って足をパタパタしながら聞けば、おかしそうに微笑みながら。


「何回でも」


 お許しをいただけたので。


「おっと」


 早速リアス様に抱き着いた。うりうりほっぺをすり寄せながら。


「ありがと」

「あぁ」


 改めて、お礼を言って。

 体を離して、リアスを見る。


「ん?」


 やさしく微笑んでくれてるあなたの紅い目を見つめて、また心音を聴くように抱き着いて。


「すばらしい誕生日…」


 そう、幸せな誕生日をかみしめて呟けば。


「まだ始まったばかりだろ」


 なんて、笑うから。これからの誕生日兼クリスマスパーティーを想像して、顔がほころぶ。

 みんなでクリスマス。きっとレグナがケーキ作ってくれて、カリナがたくさん楽しませてくれて。みんなで、プレゼント交換。


「…ふふっ」

「ん?」


 いろいろ考えたクリスマスプレゼント。

 カリナとレグナには、わたしたち二人から。

 双子がそれぞれ喜びそうなもの。


 リアスには、


「クリスからは、クリスマスプレゼント」

「あぁ」

「楽しみにしててね」


 どんな顔するかな。想像して、微笑みながらリアスを見て言えば。


「……なんだ、今はくれないのか?」


 残念だ、って全然残念じゃなさそうに甘くすりよってくる。それにうなずいて。


「まぁだ。最後のお楽しみ」

「へぇ」


 まるでキスするみたいに、ほっぺ同士を合わせて抱きしめて。


 なんてしあわせなんだろう。毎年そうだけど、毎年変わらず思う。

 そのしあわせを、あなたにもおすそわけできますように。


 そう、願って。


「♪」


 きっと喜んでくれるって、確信しながら。


 ひとまずは、と。


「あそぼ」

「あぁ」


 もらったリアス自由券を堪能するように、二人でまた、ベッドに埋もれてった。



『みんながしあわせになれることが、わたしの一番のプレゼント』/クリスティア




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