みんながしあわせになれることが、わたしの一番のプレゼント
あったかい温度が、頭をなでてくれたのがわかった。
「んぅ…」
いつもみたいな起こす感じじゃなくて、やさしく、まだ寝てていいよって言うような、そんななで方。それがうれしくて、勝手にほっぺがゆるんでく。
リアス様だってわかってるから、ゆったり、目も自然に開いて。
「…おはよう、ございます」
「おはよう」
目を開けた先にいる、紅い目に微笑んだら。目を合わせるように寝転んでたリアス様も微笑んでくれた。
なでてくれてた手はゆっくり首の方に回って、もう一個の手は腰に回って。そっとあったかい体温に抱きしめられる。
とく、とくって大好きな心音を聴きながら、またちょっと目を閉じて。
「誕生日おめでとう」
やさしく、耳元でささやかれた甘い音に身をよじった。
「…ありがと」
「あぁ」
すりよって、あったかいリアス様を堪能する。このまま、また眠れそう。ちょっとだけウトウトし始めた時。
「んぅ?」
そのあったかいのが、離れてく。反射的にまゆが下がっちゃう。
「やぁだ」
「プレゼントはいらないと?」
あ、ずるい。
ほっぺふくらませたら、リアスはくすくす笑って。わたしを抱き上げて、ベッドに座る。膝の上にちょこんと座らせてもらって、リアス様を見上げた。
「ん」
「ありがと…」
枕の下に置いてたらしいプレゼント。それを、お礼を言いながら受け取った。
そのプレゼントは、
「封筒…?」
「開けてみろ」
言われた通り、封筒を開けたら。
「わぁ…」
リアスの誕生日に作ったのと同じようなチケット。
紙には、「自由券」って書かれてる。
「リアス自由券っ?」
「リアス自由券」
「有効期限はっ」
「普通に考えたら今日一日なんだがな?」
まぁでも、とやさしく頭をなでて。
「年内くらいまでだろうな」
「年内」
「あそんだりなんなり、ばたつきもするからな。年内まであれば十分満足できるだろう?」
たしかに十分。あとは。
ぱっとリアスを見上げて。
「回数っ」
これは大事。
何回? 何回? って足をパタパタしながら聞けば、おかしそうに微笑みながら。
「何回でも」
お許しをいただけたので。
「おっと」
早速リアス様に抱き着いた。うりうりほっぺをすり寄せながら。
「ありがと」
「あぁ」
改めて、お礼を言って。
体を離して、リアスを見る。
「ん?」
やさしく微笑んでくれてるあなたの紅い目を見つめて、また心音を聴くように抱き着いて。
「すばらしい誕生日…」
そう、幸せな誕生日をかみしめて呟けば。
「まだ始まったばかりだろ」
なんて、笑うから。これからの誕生日兼クリスマスパーティーを想像して、顔がほころぶ。
みんなでクリスマス。きっとレグナがケーキ作ってくれて、カリナがたくさん楽しませてくれて。みんなで、プレゼント交換。
「…ふふっ」
「ん?」
いろいろ考えたクリスマスプレゼント。
カリナとレグナには、わたしたち二人から。
双子がそれぞれ喜びそうなもの。
リアスには、
「クリスからは、クリスマスプレゼント」
「あぁ」
「楽しみにしててね」
どんな顔するかな。想像して、微笑みながらリアスを見て言えば。
「……なんだ、今はくれないのか?」
残念だ、って全然残念じゃなさそうに甘くすりよってくる。それにうなずいて。
「まぁだ。最後のお楽しみ」
「へぇ」
まるでキスするみたいに、ほっぺ同士を合わせて抱きしめて。
なんてしあわせなんだろう。毎年そうだけど、毎年変わらず思う。
そのしあわせを、あなたにもおすそわけできますように。
そう、願って。
「♪」
きっと喜んでくれるって、確信しながら。
ひとまずは、と。
「あそぼ」
「あぁ」
もらったリアス自由券を堪能するように、二人でまた、ベッドに埋もれてった。
『みんながしあわせになれることが、わたしの一番のプレゼント』/クリスティア




