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ゆるゆる株式投資物語ー配当と優待が人生を少しだけ変える  作者: 稲毛塔名
高校生編

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3/8

第3話:株投資が半義務化した日本って何ですか?

※本話は【この物語の説明中心】の回です

俺は学園の図書館に来ていた。

ここには、古い政治・経済・株投資の本がまとまって置かれたコーナーがある。

日本の高校としては、かなり珍しい図書館だ。


「えーっと……」


俺は、当時の首相が行った株投資の振興策について書かれた記事を探していた。


「……あった」


読み始める前に、俺はミンティアドライハードをおもむろに取り出し、口に放り込む。

集中したいときや、何かを考えたいとき。

始める前には、いつもこうして気持ちを切り替える。


記事の内容は、なかなか思い切ったものだった。

証券会社に登録するだけで、三万円が口座に振り込まれる――そんな振興策。

さらに、スマホで確認したニュースには、近いうちに株投資の税率を

二〇%から一〇%に引き下げる法案が提出される、という話まで載っていた。


「小さい頃は、ここまで株を推奨する世の中じゃなかったんだけどな……」


その日の帰り、俺と美玲はマクドナルドに寄っていた。

よくCMが流れる、サムライマックを頬張っている。


「ごっついバーガー食べるんだな」


美玲(これって……で、デートなのかな?

うぅ、なんか落ち着かない……)


「……美玲?」


「ひゃいっ!?」


「……なんだよ、“ひゃい”って」


「な、なんでもないよっ。なに!?」


「いや、今日終業式だろ。

体育の成績、いいコメントしか書いてないって聞いたけど」


「あ~、そんな感じかなぁ」


「すごいな、って思って」


「……!」


「何か秀でたものが一つでもあるって凄……

どうした? 耳まで真っ赤だけど」


「も~、急に褒めないでよ……」


今日は「美玲とマックで食べる」と伝えてあったので、

家では俺以外の家族が夕食の準備をしていた。


案の定、妹が真っ先に冷やかしてくる。


「おかえり~。

あ~その顔、美玲さんに見とれててマックどころじゃなかった顔だね」


「ただい……いや、そんなわけないし!」


「ほんとかな~。

でもいい青春送ってて、妹はうれしいよ~」


「ずいぶん上からの発言だな」


「楔、モテモテだな~。

今度、家にも連れてきなさい」


「……その時が来たらね」


冷やかし砲を浴び切って、俺は自分の部屋に戻り、スマホを開いた。


「……ん?」


LINEの友だち一覧、その一番上に見慣れない名前が表示されている。


《I》


メッセージは、たった一文だけだった。


『今は、それでいいんだ』


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